雨宮処凛のレビュー一覧

  • 排除の空気に唾を吐け
    派遣労働など、近年の若年層に多い労働問題を中心にすえた1冊。
    就職活動を終えた時期に読み、自分がそうなり得たかもしれない可能性の一つをここに見た。働くってどういうことなのか。生きるってどういうことなのか。人間らしさって何なのか。それらの意味を失って透明人間になってしまう前に、ぜひ気づいておきたいこと...続きを読む
  • バンギャル ア ゴーゴー(3)
    ◆あらすじ◆
    親の反対を押し切って高校を中退したえりは、東京で一人暮らしを始める。
    ノリコもユキも上京するが、「ヴィジュアル系バンドが好き」なだけの少女たちに東京はあまりにも厳しい。
    そんなとき、彼女たちの心を揺さぶる衝撃の出来事が・・・・・・。
    少女たちの成長を描いた「ガールズ・ノヴェル」、渾身の...続きを読む
  • バンギャル ア ゴーゴー(2)
    ◆あらすじ◆
    大好きなバンドのメンバーを巡って、友達との関係を壊してしまったえり。
    だけど、ある出来事から3人は仲直りする。
    うんざりする日々への憤り、セックスへの興味と不安、そして「大人」たちへの反発。
    3人は家で同然で東京に向かう。
    まだ本当の「恋」さえ知らない少女たちの、ヒリヒリするような青春...続きを読む
  • バンギャル ア ゴーゴー(1)
    ◆あらすじ◆
    家にも学校にも居場所がない中学生のえりの心の拠り所は、大好きなヴィジュアル系バンド。
    札幌のライヴハウスに通い、ノリコとユキの3人でメンバーを「追っかけ」る時だけが「生きてる」気がする。
    くだらない日常から逃げるように、ライヴハウスの暗闇と轟音にまぎれる少女たち。
    女の子青春文学の金字...続きを読む
  • バンギャル ア ゴーゴー(1)
    今まで雨宮処凛の本はノンフィクションしか読んだことがなかったけど、小説でも面白いものを書いていることが分かった。
    普段平板化している感情に深く響くものがある。笑ってしまう場面も多い。
    読者を笑わすセンスは<1>が一番ひかり、<3>は笑う所は少なく、悲劇的な事態が多い。
    異性の登場人物と主人公がセック...続きを読む
  • 生き地獄天国 ――雨宮処凛自伝
    雨宮さんの自叙伝

    イジメやリスカなどすさまじい経験をされている。右翼団体にも参加したり、北朝鮮に行ったり、イラクでバンドしたり。
  • 排除の空気に唾を吐け
    雨宮処凛の主張は明快である。その明快さの所以は、きっと(いや、間違いなく)自分が苦しみ、体験してきたことから生み出されている。だから読み手の心に届く。

    この日本で「餓死」する人が少なからず居る、という事実に目を逸らしてはいけない。私たちが学校で習った「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」なんて...続きを読む
  • 排除の空気に唾を吐け
    読むのが辛いくらいの現実でした。
    今は誰でも、ちょっとのきっかけで、「よわいもの」になってしまう。
    自己責任論をやめて、他者を思いやれる世の中にならないものか。

    【X】
  • バンギャル ア ゴーゴー(1)
     少し昔のバンギャの少女達の姿を描いた小説。らしい。
     こんな時代があっただなんて認めたくない、バンギャはこんな子ばかりじゃない、そんな感情を抱きながらもこの小説を否定したりすることは出来なくて。
     主人公達の気持ちには、確かに自分の気持ちと共通するものがあって。
     中毒性のようなものを感じて一心不...続きを読む
  • プレカリアートの憂鬱
    怖えええええ
    これがリアル......
    人ごとじゃない
    日本の格差社会もここまで来ちゃったのね
    不幸だ

    09/07/26
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~
    この本は「週刊ブックレビュー」で2009年1月に紹介されました。
    映画監督の佐藤忠男さんが取りあげました。
    著者の雨宮処凛さんはNHKの「私の1冊 日本の100冊」や「派遣切り」の問題を扱ったテレビ討論番組にも出演しています。

    佐藤忠男さんは敗戦後の貧困を経験していますが、当時の貧困は「努力すれば...続きを読む
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~
    派遣労働者や現在の経済格差、労働環境の問題を対話形式で論じている。
    一貫してアイデンティティの問題を主題としている。
    いつの時代でも経済格差は多かれ少なかれ存在するだろうが、貧困層が社会的に包摂されているかということが重要なのである。

    まあこういう問題に興味がある人は読んでおいていいだろう。
  • 生きさせろ! 難民化する若者たち
    文章に引っかかったのかなんだかよくわからないが少し読みづらかったのだけれど、読み終わった。具体例が豊富に出てくるのでよくわかる。大企業がどんな体制を強いているのかとか、クリーンなイメージの裏でなにをしているのかなど、わかりやすくてよかった。特に、クリーンルーム(無菌室みたいな部屋)での作業を派遣社員...続きを読む
  • ともだち刑
    小説の中の人物に共感はあまり出来ないんだけど、この作品は別。気持ち悪いくらいにリアル。主人公の感じ方は吐きそうなくらいに伝わるし、私も知ってる、ああいう感情。でも、主人公みたいな人のことを舌打ちしたくなる「あなた」の気持ちも、知ってる。知ってる。
    私の中の「あなた」だったり担任だったりに贈りつけた...続きを読む
  • 生きさせろ! 難民化する若者たち
    『絶望に効くクスリ』でその存在を知って以来,気になっていた雨宮処凛。デビュー作の自伝にもにも興味があるが,とりあえず今の自分のテーマであるワーキングプアを扱ったこの本から。花沢健吾のカバーイラストもテーマにマッチした雰囲気で良い。いざ文章を読んでみると,結構まとも。すこしホッとしました。どうしても色...続きを読む
  • EXIT
    生きづらい現実社会から逃避し、インターネットの自傷サイトに行きついた人々。
    しかし、徐々に自傷のエスカレートのスパイラルが進み、その中で、安住の地であるはずだったサイトも、自傷行為の競争というスパイラルに巻き込まれていった。
    著者が「生きづらさ」の根源に立ち向かう過程でで産み落とした小説。
    現代社会...続きを読む
  • 生きさせろ! 難民化する若者たち
    同世代の書き手としては最も現在最も信頼と共感を寄せることができる雨宮氏.論に少々強引さを感じるところもあるが,アメリカ追従の新自由主義的政策がもたらした「格差社会」をインタビューを中心にしたルポ形式で鋭く抉っている.
  • 生きさせろ! 難民化する若者たち
    裏表紙にある、携帯メールを見て驚いた。こんな内容で明日の仕事が指示されるのか。そりゃ希望もなくなるよな。こんな働かせ方しかできない社会は間違っていると思う。
  • 生きさせろ! 難民化する若者たち
    賛否両論はあるようだけど、結構楽しめた。フリーターの生活の実態が見えた(いろいろな種類のフリーターが居るにしても)。とりあえず、俺は自宅警備でもしよう。ちなみにぼくは雨宮さんがこの本で前より好きになりました。
  • 生きさせろ! 難民化する若者たち
    我々は反撃を開始する。
    若者を低賃金で使い捨て、それによって利益を上げながら若者をバッシングするすべての者に対して。

    我々は反撃を開始する。
    「自己責任」のなの下に人々を追い詰める言説に対して。

    我々は反撃を開始する。
    経済至上主義、市場原理主義の下、自己に投資し、能力開発し、熾烈な生存競争に勝...続きを読む