プラトンのレビュー一覧

  • ソクラテスの弁明
    まず、告発に対する弁明を「古くからの告発への弁明」と「新しい告発への弁明」に分けた点に素晴らしく驚いた。純粋にすごい。ソクラテスは、裁判における告発者の他に、目に見えない告発者(偏見と思い込みによるもの)を「古くからの告発者」と定義付けて弁明をはじめる。そのうえで「新しい告発への弁明」へと移行してい...続きを読む
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    あくまでも是々非々で似非識者を摘発してはぶった斬った結果、多くの敵を作り、結果、要するに嵌められて死刑となったソクラテス。至高の精神的問題については国法に逆らってあくまでも自身の正しさを主張した『弁明』と、しかし、自身の身命については愛する祖国の法に従って死刑を受け入れる『クリトン』(脱獄を勧めにき...続きを読む
  • 国家 下
    現代にも通用する政治思想のエッセンスに加え、価値の原理のルーツともいえる「善のイデア」に関して解説した壮大なる古典。これが2400年前に書かれたという驚愕の名著。
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    分量も少ないし、事前に知識も仕入れていたからかなり読みやすかった。特に『クリトン』は対話形式というのもあり、小説を読んでる感覚。
  • パイドン~魂について~
    「このようなことを呪い歌のように自分自身に謳い聞かせる必要があり、それゆえに、私はもう長いこと物語(ミュートス)を語ってきたのである。」p.114

    「人間の言葉(ロゴス)は十全な真理に達するほど信頼できるものではありえない以上、哲学の探求は自己反省を加えながら、生ある限り続けられなければならない」...続きを読む
  • 饗宴
    ただお酒を飲みながら何かを話し合う日々が欲しい。素敵だなぁ。

    難しいところは、NHKの100de名著を見るとわかりやすかった!
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    ソクラテスの哲学について芸術的にも楽しめる文学として学ぶことが出来た。

    ソクラテスの哲学を自分の言葉で簡単にまとめてみる。

    ある物事について自分は知っていると思っていても、説明してみろと言われると案外上手く言葉に出来なかったり、知ったかぶりをしたりする人が多いと思う。そこでその物事に対する自分の...続きを読む
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    「無知の知」を人々に説いたソクラテスが、「弁論を用いて若者を悪に誘った」として大衆に捉えられた後の裁判で語った弁明。および、死刑確定後の投獄後、脱獄を勧める友人クリトンとの議論を、弟子のプラトンが書いた本。
    『弁明』ではソクラテスを悪と断じた大衆に対し、最後まで「無知の知」を説く。
    あなたは何を知っ...続きを読む
  • 国家 上
    「国家はどうあるべきか」のような明らかに答えが無い高レベルな問いに対して,つぎつぎと答えがつけられていく様は爽快.根拠は無いが指針を示してくれるものを見てスッキリしたい方にはおすすめ.
  • メノン
    今までの読んだプラトンの作品に比べて、反論なく円滑に議論が進んでいくので分量も少なく読みやすい。

    「徳とは教えられるのか」についての議論だが、そもそも「徳とは何か」に議論がすり替わる。

    というのも、それがどうであるかはそれがどのような性質のものかを定義づけなければ語ることができない。これは日常的...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    プラトン3冊目。いよいよソクラテスの死刑当日。

    ある日、横断歩道で信号を待っている時、今一歩踏み出しせば交通事故で一瞬で生から死の状態になるのだと不思議に思ったことがある。しかしこれは自殺行為であり、プラトンによると、我々人間は神の所有物(奴隷)であるため、勝手に死ぬこと(自殺)は裁きを受けること...続きを読む
  • ゴルギアス
    プラトン一冊目。思ったより堅苦しいものではなく、所々盛り込まれいるユーモアにはクスッと笑ってしまう。

    僕は頭が良くないので、読みながら一々頭で論理を整理する必要があったため読むのにかなり時間を要した。

    早速僕の気づきをいくつか挙げてみる。

    ①現代社会での我々の会話はソクラテス(というよりはプラ...続きを読む
  • ソクラテスの弁明
    神を信じない罪と若者を堕落させた罪で告発を受けた哲学者ソクラテスの、裁判での弁明(告発者との問答を含む)、判決、そして判決に対する「遺言」をまとめたものです。
    訳者解説によればこれはプラトンが著したソクラテスに関する真実であり、裁判記録ではありません。実際、おもにソクラテス側の言い分が書かれており、...続きを読む
  • 国家 下
    「洞窟の喩え」の出典でもある「国家」下巻。
    正しいものごとを理解していない人、そしてそういった人々へ真実を伝えることの難しさ、その中でどう振る舞うべきなのか。
    そういった困難を比喩の力で見事に表現しきっている。

    画家、詩人について喩えるくだりで語られる、使う人と作る人、そして真似る人。
    ここでは何...続きを読む
  • ゴルギアス
    プラトン初期の作品『ゴルギアス』

    初期の中でも後期にあたるこの作品の特徴は、
    それ以前の作品では、もっぱら「無知の知」で対話が終了していくのとは打って変わって、問いに対する結論が出てくるようになってくることだ。

    結局のところ何も私達はわからないというところで終始していたソクラテス的スタンスに、
    ...続きを読む
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~
     2011年5月23日(月)に阪大生協書籍部豊中店にて科研費で購入。同日読み始め、25日(水)に読み終える。

     訳文も読みやすいし解説もすばらしい。これは訳者というよりも光文社翻訳編集部に対する意見だが、たしかに訳者もあとがきで書いているようにプラトンの『プロタゴラス』は藤沢令夫訳が出てからすでに...続きを読む
  • マンガで読む名作 ソクラテスの弁明
    2010年4月19日(月)にBOOKOFF京都宝ヶ池店で購入。定価600円のものを350円で買っている。買った日に一度読んでいるようだ。そういうわけで、今回で読むのは二度目。2011年1月16日に読み始めてその日のうちに読み終える。

    プラトンの対話編『ソクラテスの弁明』『クリトン』『パイドン』がマ...続きを読む
  • 国家 下
    ソクラテス先生「正義」の話をしようの巻

    「国家」という邦題が付けられているが、
    最後まで読めば解説に書かれている通り
    「正義」がこの本のメインテーマで有り、
    国家論に関しては、その一部だと分かる。

    多くの人が指摘しているが、洞窟の比喩や
    国家論の「民主制から独裁制が生まれる」
    という指摘は現代人...続きを読む
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~
    [高橋一生が演じているかのような生き生きとした鼻持ちならないアリストテレス]

    ソクラテスの対話編を読むのははじめて。それ以上に古代ギリシャ哲学について書かれた本を読むのもはじめて。
    しかし神業のような翻訳によって、まるで脚本 宮藤官九郎、ソクラテス 高橋一生というようなイメージで一気に読んだ。

    ...続きを読む
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~
    ・哲学者プラトンが書いた初期対話篇です。
    この書を読めば、如何にソクラテスが「知」というものを重視し、また自分は何を分かっており、何を分かっていないのかの線引きをハッキリさせる事に真剣だったかが理解出来ます。

    新訳なのでスラスラ読めました。おすすめです。