プラトンのレビュー一覧

  • パイドロス
    美そのものへ昇りつめようとするイデア論と、魂そのものは不死である、という観点が合わさった対話篇。
    真善美を看取するには、「愛知者=哲学者」である必要がある、という《哲学者のすすめ》の意味をもつ書。
    そう考えると、「真善美」を扱うわけだから、「美について」という伝統的な副題は誤りというべきかもしれない...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    政治思想のレポートのために読破。思想系のものは難しそうというイメージがあったがとても面白く読みごたえがあり、視野が開けたかんじ。
  • ソクラテスの弁明
    活字が大きく、文体も読みやすいです。他の訳の多くが「だ・である」調になっているのに対し、本書は「です・ます」調で書かれており、この違いだけでもソクラテスに対する印象がだいぶ違ってきます。また、本文の前にある「訳者まえがき」と本文のあとの「解説」も素晴らしく、読み方や考え方のヒントを提示してくれていま...続きを読む
  • 国家 上
    人間に正義はないが、国家は、みんなが分業して暮らしているので、利害調整のために正義が必要だ。正義は人間のためにあるのではなく、国家のためにある。政治は私利私欲のない、暇な人が、善意でやるべきで、そういう人じゃないと正義の守護者になれない。正義にみられるのではなく、正義であることが国家の正義の本質だ。...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    池田さんが魂を考えるにあたって、いつも語っていたため。
    ソクラテスが毒杯を仰ぐちょうどその日。彼は死にゆくことについて最後のことばを紡ぐ。
    生と死。当たり前に人間に与えられた、紛うことない事実。そして、それを考えていけば、どうしたって「ある」「ない」という「存在」に辿り着いてしまう。果てのない堂々巡...続きを読む
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~
    「人間の徳(アレテー)は、教えられるものなの か?」「ソフィストとは、そもそも何者か?」。若 くて血気盛んなソクラテスは、アテネを訪問中の プロタゴラスのもとにおもむき、徳をめぐる対話 を始める。しかし、議論は二転三転。次第に哲学 的色彩を強めながら、やがて意外な結末を迎える ことになる。プラトン対...続きを読む
  • パイドロス
    プラトンの著作で僕が一番好きな本。

    この本の題名になっているパイドロスとスーパーおじいちゃん(ソクラテス)との対話編。

    「自分に恋している人ではなく、自分に恋していない人に身を任せるのがよい。」そんな恋愛論からこの本は始まります。

    恋についての3つの説話から派生して、魂について、弁論術について...続きを読む
  • 国家 下
    プラトン最大の対話篇。
    正義から始まり、国家、真実在、教育、芸術、魂を対話によって哲学する。
    2000年以上たっても何も変わっていないのだなあとつくづく感じる。イデアはどこか天上界にあるのではない。洞窟の比喩が間違って解釈されてしまっている。イデアは、見るー見られるの関係と同じく、知るー知られるの関...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    ソクラテス先生 最後の授業の巻。

    ソクラテス四大福音書の一つらしい。
    死後の魂についての議論だが、
    話はこの世界の成り立ち全般に及ぶ。

    「人間という存在は魂と肉体により成り立っている」
    という古代ギリシア人の考えが前提条件になっているが、
    科学の発達により当時より解明が進んだ現在となっては、
    ...続きを読む
  • 饗宴
    ソクラテス先生 飲み会で友人達と愛について語り合うの巻。

    ソクラテス四大福音書の一つらしい。
    他の三つと違って友人の家で飲み会をし、
    愛について語り合うという何とも楽しい内容だが、
    大正時代に訳された原稿を50年前に書き直した物なので、
    難しい言葉が多く、読むのはなかなかしんどい。

    「愛とは不死...続きを読む
  • 饗宴
    池田さんの影響。1971版。読めない漢字が多くて大変だった…
    こんな風にギリシアのポリス市民は宴会をしていたのだと思うと、こんな素晴らしい宴会はないと思う。
    倫理か何かの教科書だったか参考書に、この本について「同性愛か異性愛どちらがすばらしいかについて対話している」みたいなことが書いてあったが、全く...続きを読む
  • 饗宴
    プラトンの饗宴、これは愛についての対話だ。

    あまりに多忙で感想を書く時間すらなかったこの1週間。
    ようやく簡単な感想を書きます。

    愛とは異性への愛だけだと思っていただけど、
    プラトンのいうエロス(愛)は異性への愛はもちろん、家族愛、自然愛、
    博愛などものすごく広義の愛をエロスと言っている。

    ...続きを読む
  • 国家 上
    この時代に、ここまで考察している事に驚きを感じます。
    これは紛れもなく、良書です。
    今の政治家全員に精読していただきたい本ですね。
  • 国家 下
    「その国において支配者となるべき人たちが、支配権力を積極的に求めることの最も少ない人間であるような国家、そういう国家こそが、最もよく、内部的な抗争の最も少ない状態で、治まるのであり、これと反対の人間を支配者としてもった国家は、その反対であるというのが、動かぬ必然なのだ」(p109-110)

    ・この...続きを読む
  • 国家 上
    ・「熱でふくれあがった国家」(p141)を「理想国」に浄化するための方法を考察することが本書の中心テーマ。

    ・良い国家を作るためには良い教育が必要で、教育に悪影響を及ぼすものは徹底的に排除されなければならない。さらに、病弱な者は治療せずに死んでいくに任せ子孫も残してはならない一方で、有能な男女間に...続きを読む
  • メノン
    「なんであるか?」(本質)と「いかなるものであるか?」(属性)の区別は重要。
    例となるものをどんどん出していく。
    例をだして、それとも君は違うと考えるのか?
    話に飛躍がない。一つずつ進歩して行く。
    人間には、知っていることも知らないことも、探究することはできない。知っていることであれば、人は探究しな...続きを読む
  • ゴルギアス
    ・今回のソクラテス先生は、ゴルギアス、ポロス、カリクレスの3人を相手にして、弁論、徳、善悪、正不正といったプラトン哲学を語るうえで欠かせない重要な論点について対話を繰り広げる。

    ・まず「弁論術とは説得をつくり出すものだ」と主張するゴルギアスを、続いて「不正を行うよりも不正を受けることのほうが害悪で...続きを読む
  • メノン
    哲学の入門書として「ソクラテスの弁明」と同じ程優しく読めると言われるプラトンの著作。

    「徳は教えられうるか」というテーマで対話がすすめられています。
    そして、魂の不死や想起についても触れられています。

    「人間は、自分が知っているものも知らないものもこれを探求することはできない。というのは、まず、...続きを読む
  • ゴルギアス
    弁論術についてのソクラテスとゴルギアスの対話篇。
    話は魂を良く生かすこと、正と不正、幸福について…といった話に変わっていく。

    で、カリクレス曰く、
    「いい歳になってもまだ哲学をしていて、それから抜け出ようとしない者を見たりするときは、ソクラテスよ、そんな男はもう、ぶん殴ってやらなければいけないと僕...続きを読む
  • メノン
    「徳は教えられるか」を主に話しているが、一番面白かったのは、想起説。

    ソクラテス:ぼくは徳とはそもそもなんであるかということを、君と一緒に考察し、探究するつもりだ。
    メノン:なにであるかわかっていないとしたら、どうやってそれを探究するおつもりですか?もし、探り当てたとしても、それだということが...続きを読む