徳とは何か、どういう性質で人に教えられるものかどうかを探ります。
今回ソクラテスと対話するメノンは傲慢なところがなく好感が持てる青年です。
この話の中では、魂が既に学んだことを「想起する」という考え方が出てきます。
ソクラテスは言います。
「知らないものは発見することもできなければ探求すべきでもな
...続きを読むいと思うよりも、我々はよりすぐれた者になり、より勇気づけられて、怠け心が少なくなるだろうということ、この点についてはもし僕に出来るなら、言葉の上でも実際の上でも大いに強硬に主張したいのだ」
正しいか正しくないかはともかく、想起説を信じる方が実践において有益であるというこの考え方は好きです。
また、知だけでなく「正しい思惑」も人を正しい行為に導くものであると言う。
ソクラテスらは徳は知では無さそうだという結論を出しているから(これはプラトンの意見のようですが)、この「正しい思惑」が徳と密接な関係がありそうです。
そしてこれは神の恵みによってもたらされるのだろうと推測しています。
個人的には徳が何であるかより何であると信じるかが大事だと思うので、判断を神にゆだねるというか、神の意志を反映するような自分の直感や良心にまかせるのが良いのかなと思う。