大石圭のレビュー一覧

  • 自分を愛しすぎた女
     タイトル通りです。

     32歳の自己愛だけで生きてる女性の半生と結末(?)かな。

     まあ、彼女が歪んでいくのは、結局のところ両親であり家庭のせいなんだろうけどね。
     「家族は愛憎を煮詰める大釜」ってジョナサン・ケラーマンの小説の一説がずっとぐるぐるしていたよ。

     スポイルする父と祖父母...続きを読む
  • 人でなしの恋。
     若く美しい義母を介護する青年。
     大石圭なので、本当に人でなしです。

     義母への歪んた愛の結果、彼は罪を重ねることになるのだけど。
     義母も義母で…。
     この辺の美人だけど、性格が、っていうのはステレオです。

     もっとも、このステレオなのが大石圭の魅力なのであって…。
     うむ。
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  • きれいなほうと呼ばれたい
    大石圭 著「きれいなほうと呼ばれたい」、2015.6発行です。168cm、21歳、とても美人とはいえない容姿の星野鈴音と、彼女を一目見てダイヤモンドの原石と知った38歳の美容整形外科医、榊原優一の物語、手術前と手術後で構成されています。整形の話では、自らが整形を選択してゆく田淵和子を描いた百田尚樹氏...続きを読む
  • 殺人勤務医
    初めての大石圭作品。
    たしかに主人公の行動は社会的に許されるはずもないが、何というか彼の考えも根底のところでは理解できてしまうという不思議な感覚を覚えたのも実際のところである。
    私自身にもひょっとしら、根底には彼のような思想が埋め込まれているのかもとも思うが、それはきっとこの先も一生表には出てこない...続きを読む
  • 人を殺す、という仕事
    面白かった。精神異常者の話かと思ったら、案外ゾッとするオチ。
    そして主人公頑張れ、とか思っちゃう…。
  • 人を殺す、という仕事
    殺戮小説の傑作。ロジック無視で、ただ殺す。殺して続ける。ラストの殺戮劇は映像化しほしいくらいエンタメ性があるのだが、結果のみが書かれている。ここを書いてしまうとこの小説の静かで哀しい雰囲気が壊れそうなため、書かなくて良かったと思う。
    主人公は元々は善良な市民なんだが、殺人をせざるを得ない理由がある受...続きを読む
  • 蜘蛛と蝶
    出会い系サイトで知り合った若い男(実は結婚詐欺師)にひかれていく三十路女の話で、ラストも思ったような展開で終わる。
    なのに、心が揺すぶられた。
    しょうもない男だとわかっていても、好きになる時ってこういうもんだよ。
    この後の瑠璃子と航平が上手くいかないとしても、この決断が間違っていたとは思いたくない。...続きを読む
  • きれいなほうと呼ばれたい
    女性なら誰もが追求するもの。それは美なのかもしれない。美に囚われ、どんどんと破滅へと向かうシーンはとても怖かった。美貌を手に入れても必ずしも、幸せになるとは限らないという事だろう。グロテスクなシーンは皆無だが、歪んだ愛や大石圭らしさは健在の作品であった。
  • 60秒の煉獄
    60秒間だけ時間を止められるなら、というお題で11編。一気読みでした。それぞれのお話しよりも『自分だったら、どうする?』と考えてしまう自分が怖い。
  • 邪な囁き
    読みながら自分の中の「邪な囁き」を何度も考えていた。
    昔、駅のホームで電車を待っている時、液体を積んだタンンクのみの重厚な列車が轟音で通り過ぎるのを眺めながら、ホームから一歩踏み出せばそこには明確な死が待っており、生と死がとても身近にあるものだと一種の恍惚感のようなものをよく感じていたものである。そ...続きを読む
  • 女奴隷は夢を見ない
    なんか、ありそうで怖い・・・。
    あと、奴隷になっても誇りを失わず第二の人生をかけた樹里や春菜が・・・奴に売られるあたりエグい・・・。
    自分の今いる世界に小さな不満があっても、超幸せじゃんと
    考えさせてくれる一冊。。
  • 甘い監獄
     いろいろな夫婦を題材にした短編集。
     っても大石圭なので、一筋縄ではいきませんが。

     ともあれ、夫婦は互いを映す鏡っていうが、どの夫婦もその相手じゃなかったらもうちょっと違った人生だったかもと思うのである。いや、そのパートナーであったとしても、そこにあるぬかるみに足をつっこみさえしなければ「物語...続きを読む
  • 殺さずに済ませたい
     天才人形師の青年、実は…。

     毎度の大石圭氏ですww
     このステレオが快感っていうのが、不思議です。

     で、今回も主人公に幼児期のトラウマがあるのかと思ったら…。
     とはいえ、普通に育ったわけじゃなし、お姉さんの状況が、淡々と説明しているだけに、かえって哀れなのである。
     
     タイトル通りなん...続きを読む
  • 躾けられたい
     女子大生が、オッサンにいいようにされてMになってしまう話。
     
     と、書くと身も蓋もないが、本当にそうなんだものww
     
     とはいえ、間に彼女の生い立ちをはさみこむことで、人の<業>はどこからくるのか、なにから発生するのか、みたいなことを考えさせれるから、さすがに大石圭なのである。
     が、最近ステ...続きを読む
  • 地下牢の女王
    ストーリーは、とある売れっ子作家とその熱烈なファンの物語‥
    所々に、作者の他の作品が出てくるんだけど、本編とは若干ストーリーが異っててなんだか得した気分に(^^)
    衝撃の結末まで目が離せませんでしたw
  • 女が蝶に変わるとき
     離婚後訪れたホテルで、彼女は新しい出会いをする。

     大石圭にしちゃ、エロ度は低いですww
     ま、ちょっとエグいけど。つか、○が苦手な人は、逃げた方がいいよ(表紙で危険を察してください)

     なんか、気負いがあるなって思ったら、デビュー2作目を書きなおしたそうな。
     …2作目にして、すでに作家とし...続きを読む
  • 女奴隷は夢を見ない
    平等なんて幻想に過ぎない。

    平和とか、平等とか愛とかを私は日常で語りたい。
    語るために、色々な視点が見える小説は重宝している。そんな重っ苦しいこと抜きにしてもこの本は一気に読んでしまった。
    素晴らしく感動するシーンもなかった。ただ、そこにはなにもなかった。

    絶望、金、支配欲、性欲
    そんなものがあ...続きを読む
  • 水底(みなそこ)から君を呼ぶ
    私は許さない(大)
    私は許さない(中)
    私は許さない(小)
    の帯に惹かれて購読。

    「わたし」と語る女性が誰なのか、中盤まで分からないままに引き込まれました。
    華やかな美女・美奈子の性格の悪さが物語を引き立てています。
    そりゃあ、同情できないわ。
    読後感は良いものではないけれど、「愛」の物語としては...続きを読む
  • あの夜にあったこと
     なにはともあれ、帯見てびっくり。

     「甘い鞭、映画化決定」ですってよ。
     
     わ。よりにもよってあれか。すんごい悪い予感がひしひしするんですけどね。なんつ-か、大石氏の魅力ってある意味現実感のなさ、生活感の希薄さなんだと思うんだよね。が、邦画ってこれでもかって、リアリティとか生活感出すもんなぁ。...続きを読む
  • 殺人鬼を飼う女
     大石圭らしい面白さがありました。最後まですらりと呼んでしまうことができました。
    終わり方も良かったです。