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僕のもとにある日届き始めた一通の手紙。そこに書かれた指示に従うことで、僕の人生は驚くほど順調だった。手紙のお陰で、今後も幸福な人生が続くと信じていた。それが「殺人」を命じるまでは。従わなかった結果――母が死んだ。次は妻や娘たちの番だというのだ。あどけない少女、臨月の妊婦……僕は次々と手を血に染めていく。邪悪で美しい、傑作「暗黒小説」!
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Posted by ブクログ
10歳の夏のある日、謎の人物から届いた手紙。 その手紙に書いてある通りに行動することで、受験も結婚も、順調すぎるほど順調な人生を歩んできた主人公。 だがある日、その手紙が命じた行動は・・・「殺人」 従わなければ母を殺すと言われ、従わなかった結果…母は死んだ。 妻と二人の娘を守るため、次々と殺...続きを読む人を繰り返していく。 ホラー小説を読むのは初めてでしたが、ホラーとは少し違うような気がしました。 もし自分が主人公だったら・・・ もし自分が主人公の妻だったら・・・ 愛する人のために他人を殺すのか、愛する人のために愛する人が殺されるのをただ耐えるのか。 自分のために愛する人が殺人者になるのを認めるのか、愛する人を殺人者にさせないために自分の命を捨てるのか。 どれを選んでもだめですよ。 愛する人は失いたくない。 だけど愛する人が殺人を犯すのを喜ぶわけもない。 遺される悲しみを愛する人に背負わせたくもない。 結論なんて出ないですよね。 各章の始めには、人間によって絶滅させられた動物のことが書かれていて、命のこと…いろいろ考えさせられます。
大石圭ワールド全開。 Cが何を基準にして殺される人間を選んだのか、それだけが疑問。人類を絶滅させるための人選ならば、将来幾千もの人間の命を救う敏腕の医者を殺すなり、巨大客船や飛行機に爆薬を仕込ませるなりすれば良いのに。
あなたも私も心のどこかに持っているかもしれない妄想を形にした物語。 もしかしたら、「声がきこえた」「私は選ばれた」と、言い訳のようにしか聞こえない台詞で 自分の行為を話すあの人たちは、本当のことを言っていたのかもしれないとも思わせる。 いろんな矛盾を感じたし、自分の中の暗い部分、不思議ちゃんの部分、...続きを読む いまだに夢であってほしいと願う失敗なんかをグルグルと思い返してしまった。かなり好き。
タイトルとあらすじに惹かれて買った一冊。結構量もあって面白かったです。 善良な一般市民である父親が、ある人物から送られてきた手紙の指示に従って人を殺していく。指示に従われなければ、母親と妻と同じように、愛する娘が殺されてしまう。 人を殺したくない、けれど愛する娘を守るためには仕方がない。もしも「人を...続きを読む殺せ。そうしなければ、お前の愛する者が死ぬことになる」と言われた場合、私ならどうするか……考えさせられる一冊でした。 主人公に指示を出していた人物が本当はどういう人物か、というのが最後まで曖昧でした。 でも全体的に面白かったので星五つ。
大石さんの作品にしては珍しく、愛に溢れている作品です。 とにかく展開が気になって、読むのがやめられなくなりました。 ラストも大石さんらしく、とても好きな作品のひとつです。
スラスラと読みやすくてそれなりに面白かったけどミステリーのつもりで読んじゃうとかなりモヤっとする。殺される人たちってなぜ選ばれたのかとかいろんなところになんでってところが残されたままだった。 長女が犯されるシーンとかあまりにも悲惨すぎて必要だったのかなぁとか思うし神様が人類に罰を与えるのに七夕祭りで...続きを読むたったの30人以上殺せとか、だったら大洪水とか起こせよ。 皆さん書いてますけど各章の冒頭にある絶滅動物の話はほんと考えさせられました。
殺戮小説の傑作。ロジック無視で、ただ殺す。殺して続ける。ラストの殺戮劇は映像化しほしいくらいエンタメ性があるのだが、結果のみが書かれている。ここを書いてしまうとこの小説の静かで哀しい雰囲気が壊れそうなため、書かなくて良かったと思う。 主人公は元々は善良な市民なんだが、殺人をせざるを得ない理由がある受...続きを読む動的殺戮者であり、狂人にもなりきれない。そんな切なさがまた良い味である。
古本屋で見つけて、最後の方の台詞とCの手紙の文に惚れて買いました。 人を殺すシーンを比喩表現に走らずに(読者にとっての)ギリギリまで細かく書いてあって、最初は食わず嫌いで軽く飛ばしてしまいました…。でも、何回も読んでいると食わず嫌いもなくなってむしろそこだけ繰り返し読んでしまいました^^ 人...続きを読むを殺すシーンが一番(主人公が)いきいきと書いてあったように思います。プラス思考のいきいきじゃなくてマイナスの意味で、ですが。 私は主人公のしたことが悪いことなのかわかりません。殺された人が良い人だったのかわかりません。でも、唯一わかることはCは何時でも私達を見てるんだなあってことでした。
たまたま手にして、初めてこの人の作品を読んだ。最初の方は殺人の様子が結構生々しく、「うっ、よく見たら俺の苦手そうな呪怨とかの人じゃん」と若干後悔しながら読み始めた作品。 自分の課せられた運命というか、天の声というか指令に従って次々に人を殺していく主人公の話。 最後はどうなるのか少しハラハラしたが...続きを読む、結局のところ主人公に指示していたものは何者だったのかいまひとつ納得するような終わり方ではなかった気がする。まぁ星3つ以上、4つ以下かな。
すごく不思議な内容やった。 自分に手紙が届いて その通りに動いたら なんのトラブルもなく人が殺せるなんか、絶対にありえへんし・・。 なんしか・・・不思議な内容やった。 でも、とても好きな本。
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