池内紀のレビュー一覧

  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    1940年生まれ、独文学者、エッセイスト。タイトルが少しダサいですが、池内さんが、70歳の時、「こういうことはこれまでなかった」「これぞ年寄りの特徴」とか、日々、気がついたことを記録するための、「自分の観察手帳」をつくりそのタイトルがこれだっんだそうです。何歳まで生きるか想定しにくいので、とりあえず...続きを読む
  • となりのカフカ
    カフカというと奇妙な作品の「あらすじ」や「要約」は知っている。

    何か後ろ向きの人生という印象が強い。だがその人生の内容は、逃げ・回避・躊躇・取り消しと、後ろ向きというよりも単なる逃避なのかも。
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    ドイツ文学者である著者が、ご自身の事を絡めて老いについてお書きになっています
    誰にでもやって来る老いを心構えとともに考えを述べてらっしゃいます
    確かに著者の様にお金にも心にも余裕を持ってトシヨリライフを楽しめるなら老いも楽しみに思える一冊です
  • 戦争よりも本がいい
    ドイツ文学者でエッセイストの池内紀(おさむ)さんの「戦争よりも本がいい」(2014.11)、タイトル、確かに(^-^) 129冊の本の紹介とコメントです。馴染みのない本、昔の本、専門的な本が多いですが、著者の造詣の深さだと思います。あらゆるジャンルの本が紹介され、私も読みたい本が10冊ありました。木...続きを読む
  • 東京いいまち 一泊旅行

    東京の旅行紀

    東京以外の著者の旅行エッセイも読んでいるが、この作品は東京の居住者が一泊して東京を散策するというユニークなもので興味深く読了した。著者は東京大学のドイツ文学の教授という経歴のためか、文章が論理的であり、しかも簡潔な文体で、私自身、氏の文章を参考にさせて頂いている。近年はこれらの新作が発表されておらず...続きを読む
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    人生の先輩方たちの生き方を学ばせてもらうのも好きですね。「あ。。そういう感じになるのか?」的な学びがあった時は、嬉しい。
    最近、日増しに時間の流れが速くなってきているので、どんどん学んでいき、「あの時、あれをしておくんだった・・」というような思いは少なくしていきたい。

  • 永遠平和のために
    カントが生きていた時代はおびただしい数の戦争が起こっている.今ほど通信環境が整っていない時代だったと想像するが,それでも様々な情報を入手していたのだろう,第一章は取っ付きやすかったが,第二章はやや難解.解説で当時の状況が詳しく説明されているの非常に参考になった.気になった語句が多かったが,特に"厳密...続きを読む
  • みんな昔はこどもだった
     幼い人生の始まり。最初の一歩が行く末をそれとなく暗示している。(はじめに―こどもといういきもの)より抜粋。

     手塚治虫、向田邦子、幸田文、野坂昭如、他それぞれの幼少期を資料や回想などを交えて語られた短篇集。

    手塚治虫のペンネームに纏わるエピソード、向田邦子の『父の詫び状』など興味深い。
  • 新編 みなかみ紀行
    沼津にある若山牧水記念館に行く機会が出来た為、お共に連れて行くべく手にした一冊。以下ミーハー感想文。


    冒頭「枯野の旅」の散文詩からしてグッとくるんですが、頁を捲った先に北原白秋画若山牧水の似顔絵がバーンと載っているところで笑ってしまうやないかーい!

    驚くのは4合瓶位なら提げて草鞋履きで山歩きし...続きを読む
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    年寄りになるというより誰もがなってしまうのだが。自分はまだまだ若いと思い込みたいが、年を取れば年寄りになるのだ。認めることが大事なのだ。
  • 聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇
    表紙がアニメなので子ども向けの小説と思っていたら違っていた。ヒットラーが出てくるのは、「蜘蛛の巣」の小説のほうだった。
  • カフカ寓話集
    カフカの残した30の寓話。そもそもカフカの作品は寓話なのだから前出の「カフカ短編集」と対を成す必要もないだろうと感じたが、なるほど本作は寓話性が高い。

    孤高の作家カフカ。謙虚な作家カフカ。

    そんなイメージを持っていた。

    しかし、池内氏の解説にあるように虎視眈々と己の時代がやってくることを待って...続きを読む
  • カール・クラウス 闇にひとつ炬火あり
    世紀末から戦間期にかけてヴィーンで活躍した批評家、カール・クラウスの生涯をたどる一冊。雑誌『炬火』を軸として、何者にもとらわれない自由な言論活動を広げたクラウスの生涯が、彼の印象的な言葉とともに、分かりやすく叙述されている。
  • となりのカフカ
    カフカ好きなので軽い読み物としてとてもよかった。特許関係の仕事で機械の仕組みに詳しく、それが流刑地の機械のデザインに生きているというのは説得力がある。
  • 聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇
    『蜘蛛の巣』
    1923年に書かれた本作は、既にナチの脅威を的確に予知しています。ロートは予言者であり、シャーマン。アル中ゆえでしょうか。もしくは時代を感じとる神経過敏さがアル中へと繋がったのでしょうか。またこれがウィーンで新聞連載だったというのが凄い。
    ヨーゼフ・ロートの何が凄いかまとめると、
    ・1...続きを読む
  • ちいさなカフカ
    カフカに関して、その作品や遺された手紙、知人の記憶などちょっとした手がかりから、分かりやすく道案内してくれる一冊。
    カフカがより身近に感じられ、作品の理解をより深めるにも最適な一冊です。
    最初の「手紙の行方」には、裏に潜む悲しい犠牲もちらついて、ひどく胸が痛みました。
    久しぶりに作品の再読をしたくな...続きを読む
  • カフカ短篇集
    カフカの長編だと何となく冗長な気がしてしまうので、電車に乗っている僅かな時間でスッと読めるのが良い。ほの暗いシュールさが後を引く。
  • カフカ寓話集
    "メシアはやってくるだろう――もはや必要なくなったときに。到来の日より一日遅れてやってくる。最後の日ではなく、とどのつまり、いまわのきわにやってくる。"
  • 新編 みなかみ紀行
    たまに読みたくなり、読むとでかけたくなる。

    牧水さんが、関東近郊に出掛けた紀行エッセイ。
    その土地を知ってるから、楽しさも倍増、なのだが、とにかくアホっぽいのがとても楽しい。
    子規の「病状六尺」も、患って寝ている子規の大食漢ぶりがアホっぽくておもしろいが
    牧水も全く高尚な文化人を微塵もみせず(笑)...続きを読む
  • カフカ短篇集
    カフカを読む時は心身の調子が悪ければ悪いほど楽しめる。余分な装飾がこそげ落とされた文体は疲れた頭にも容易に染み込み、その世界観は理解できなくとも生の不条理が刻み込まれたこの身体が反応する。時に一、二頁で終わるその作品達はどこか不穏な空気を纏っているものばかりなのに、それでも不思議と安心感を感じられる...続きを読む