池内紀のレビュー一覧

  • カフカ短篇集
    カフカの短編はほぼ読んだことがなかったのですが、ドイツ文学者の池内先生の編訳になるこの一冊で、カフカの作品世界は深く、広いのだと実感しました。
  • カフカ短篇集
    特に印象に残った章を二つ。

    ・判決
    ゲオルグは父と話したことで、他者の視点による事実を知る。自分の見ていた現実がただの世界の一面に過ぎない事実を突きつけられる。
    階段を転げ落ちるようなスピードで急速に崩壊してゆくゲオルグの現実。

    ・流刑地にて
    ある流刑地にて犯罪者の処刑を行ってきた将校は、自分の...続きを読む
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    凄く面白かった! 老いるということ、自分がその立場にならないとわからないことが読める。また、理解し難かった年寄りの行動あるある、こういうことなのねーとちょっとわかった。

    カラダは老けても心は老けてない、というのは錯覚で、心は老けてないと思うこと自体がまさしく老化のしるし。心も老けるからこそこれまで...続きを読む
  • カフカ寓話集
    世界一好きな短編、「皇帝の使者」が収録されているという一点で迷わず購入。他のものもカフカらしさ満載で満足です。
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    77歳の池内紀さんが書いた、老いに向き合う本。
    『老いに「抗う」のではなく、老いに対して誠実に向き合うこと。老いの中で起きる面白くないことも、目を背けたり、すり替えたりしない。』
    カッコいいですねぇ!しびれました!
    私も今年で68歳、なんとなく、75歳で一区切りかな、と思っていたところなので、あと7...続きを読む
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    1940年生まれ、独文学者、エッセイストの池内紀(おさむ)氏の「すごいトシヨリBOOK」(2017.8)、面白かったです!70の時、77の時には自分はもういないと思い、あれをしよう、これをしようと思ったそうです。(決断がしやすくなる)満期が来たら3年単位で延長してるそうです。また、お金を意識しないで...続きを読む
  • 魔法の学校 エンデのメルヒェン集
    この本に入った短編を一つ一つの読み終えるたびあったかい気持ちになる。
    読者を引き込む文章力もあるんだけど、大人が読んでも童心に返させてくれる話の発想や言葉選びが素敵。
    基本的に子供が主役の話が多いんだけど、彼等をあたたかく見守り、時折光の方向に導いてくれる大人たちの目線もいいなと。

    個人的に一番最...続きを読む
  • カフカ短篇集
    2009年4月1日~2日。
     これだよこれ! と思わず大声で叫びたくなるのは、数日前に読んだ「カフカ寓話集」の面白味の無さに呼応してのこと。
     この「カフカ短篇集」を読むと「カフカ寓話集」は残りものを集めたんじゃないの? って疑問すら湧いてくる(強ち外れているとも思えないが)。
     各作品の面白...続きを読む
  • ドイツ 町から町へ
    読書の楽しみは
    居ながらにして 異なる国へ
    居ながらにして 異なる時代へ
    居ながらにして 異なる思考へ
    連れて行ってもらえることです

    ドイツ文芸はむろんのこと
    この世の出来事に博覧強記の
    池内紀さん
    その池内さんの「ドイツ紀行」
    その風景はむろんのこと
    建物、川、町、路地
    そこにまつわる
    歴史、...続きを読む
  • 散歩本を散歩する
    【目次】
    Ⅰ 水の都 東京
    幸田 文『ふるさと隅田川』
    鈴木理生『江戸の橋』
    竹内正浩『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩』
    村松 昭『多摩川散策絵図』
    陣内秀信+法政大学陣内研究室『水の都市 江戸・東京』
    幸田露伴「水の東京」『一国の首都』

    Ⅱ 江戸の面影
    江戸いろは会『「江戸」を歩く』
    池波...続きを読む
  • カフカ短篇集
    カミュに言わせれば、カフカの作品は極めてファンタジーであると言うが、決して単なるお伽噺に過ぎないというそういう侮蔑ではないと思う。カフカの想像は、人間の想像の限界を超えられないというところで超えてしまっている。
    決して近未来や未知のテクノロジーだったりそういう類の想像ではない。いつも等身大の生活の中...続きを読む
  • カフカ寓話集
    同じ訳者の「カフカ短編集」が面白かったので、こちらも読んでみる。

    「寓話集」といっても、カフカがこれは寓話でこれは短編と仕分けた訳ではない。タイトルは、「カフカは現代の大人のための楽しい寓話である」という訳者の解釈から来たものだろう。

    「短編集」を読んだときは、「そうはいっても、やっぱり暗い...続きを読む
  • カフカ短篇集
    仕事は忙しいし、官僚的なわけのわからいないプロセスのなかで、なにをやっているのか分からなくなる。

    という状況のなかで、これってカフカ的だなと思い。仕事の合間に、短編をパラパラと読む。

    すると、これがすごい。カフカって、幻想的というイメージだったのだが、これは、全くリアル以外の何ものでもない。...続きを読む
  • 永遠平和のために
    高校生くらいからでも読めるが内容は決して空虚ではない。
    モラルと政治は一致しない現実を踏まえても、永遠平和は空虚な理想ではない。
  • カフカ短篇集
    切れ味抜群の文章。奇妙な寓話の世界へ引き込まれます。カフカの世界を覗かせてもらった不思議な体験でした。
  • カフカ短篇集
    カフカは難解だ。しかし、それでも読者惹きつける何かが間違いなくある。その点でカフカ世界を、五感と想像力をもって感じられたから良かった。

    「掟の門」
    「判決」
    「流刑地にて」
    「夜に」
    「橋」
    「町の紋章」
    「プロメテウス」
    「喩えについて」

    解釈を急がず、カフカ世界に入っていく。
    そして、そのま...続きを読む
  • 今夜もひとり居酒屋
    東海林さんの丸かじりシリーズのエッセイをいくぶん学術的にして新書にまとめればこうなる。日本の居酒屋文化を、店のしつらえ、店主、客、酒、肴それぞれに着目し、適切な分析により愉快に考察する。確かに、こだわりを強く持ち、料理も店構えもきっちり仕上げた店があれば、工夫もやる気も欠落した店主が惰性でやっている...続きを読む
  • なじみの店
    歩く速さで思考するというのは
    池内さんのような方のことを言うのでしょう
    普段の何気ない
    どこにでもあるような
    どこにでもおこるようなことを
    わかりやすい言葉で 
    さりげなく ひょい と とりあげて
    こんな風に 考えてみると
    ほら と 新鮮な発見に気づかされます

    気持ちよく 脳のマッサージをしても...続きを読む
  • 永遠平和のために
    220年前の警世の書。いま書かれたかのようです。
    カントの提言は、わたしたち一市民に、平和のために行動せよ、権力者の戦争好きにブレーキをかけよ、と語りかけてくる。偉大な哲学者の、平和への提言に、乾杯。
  • 永遠平和のために
    世界中の人、とくに先進国の政治家に読んで欲しい。
    これが書かれたあとに起こった世界的な戦争のことを思うと胸が痛い。