池内紀のレビュー一覧

  • 新編 みなかみ紀行
    まなかひに奈智の大滝かかれどもこころうつけてよそごとを思ふ
    -熊野奈智山-

    ひとり飄々と旅をする姿を想像していたら、実際は、結社の仲間をうきうきと訪ねたり、別れ難くなった友人と予定外の滞在をしたり、人の匂いのする旅人だった。ルックサックを背負ってね。

    また来むと思いつつさびしいそがしきくらしのな...続きを読む
  • 森の紳士録 ぼくの出会った生き物たち
    人間の紳士と言うとどんなイメージだろうか?森にいる著者が出会った生き物たちの中の紳士とは、いったいどうゆう生きものなのだろうか?ワクワクしながら読んだ。
    なるほど、人間のイメージとは全く違う。ムササビ、ヒグマ、キノコ、ぶな、果てはオオカミまでもこのリストに入っている。興味深く、そして愉快な文章で別世...続きを読む
  • カフカ寓話集
    「断食芸人」と「歌姫ヨゼフィーネ、あるいは二十日鼠族」、「最初の悩み」、そして未完のままに終わっている「巣穴」がよかった。

    「巣穴」の主人公は未知なる外敵に怯え、完璧に作り上げた彼の巣穴をめちゃくちゃに掘り返しはじめる。
    しかし読者には、静謐な巣穴をこの上なく愛するこの「私」が誰なのか、いった...続きを読む
  • となりのカフカ
    カフカの人となりを、家族、プラハ、当時の状況、作品に触れながら、講義の形で記述。読み物として面白く、最終章のプラハ案内を読んだら、プラハに行きたくなってきた。写真豊富。
  • 無口な友人
    カフカの訳者で有名な池内先生のエッセイ。
    パーティーきらいなところも、他人との距離感の持ち方も共感する分多し。ただ一本気の通ったところはずっとうわて。
    特に銭湯セットがいつもバッグに忍ばせてあって、喫茶店代わりに銭湯はいるところとか、なるほど!その手があったか、とかおもった。
    これから先の人生、池内...続きを読む
  • カフカ寓話集
    カフカの書くものはなかなか難しい。けどこれは寓話で短いのばかりなので読みやすい。
    カフカのみょうちくりんなえがかわいい。
  • ひとり旅は楽し
    旅先の風景をつづりつつ、ひとり旅の楽しみと心得をとく軽妙なエッセイ集。寡聞にして知らなかったのだが、著者の池内紀さんはこの手のひとり旅エッセイでは有名な人らしい。

    学生時代には長期休暇のたびにでかけていたひとり旅も、就職して自由になるお金ができてからは今一つまらないものになってしまい(著者曰く、旅...続きを読む
  • 富の王国 ロスチャイルド―ロスチャイルド一族の歴史から学ぶ上手なお金の生かし方
    名前を聞いたことがあっても、どんな一族だか知らないロスチャイルド。大富豪でありながら、目立たない。フィクサーに徹する。多くの慈善事業も宣伝しない。とても興味深いです。
  • ドイツ 町から町へ
    もともとは新聞の連載記事だったらしく、1つの町がだいたい2ページ半くらいで収まっていて、とても読みやすい。全部で50以上の町や地域を紹介しているが、読んでいると頭の中にその町の風景が浮かんでくるような、分かりやすい文章で書いてある。内容は町の様子や雰囲気が書いてあって、あとはその町の歴史的な小話が中...続きを読む
  • となりのカフカ
    カフカってどんな人?単純に言えば、こんな疑問に答える本。難しいことは一切抜きで、等身大のカフカを語ることに注力している。カフカはどんな人生を送り、どのような執筆生活を送っていたか、またそれがどんな風に彼の作品に活きているか。そういったことが読みたければぜひどうぞ。
  • カフカ寓話集
    やはり独特の悪夢っぽさが目に付きます。不条理さと唐突さの中にも何故か引き摺り込まれてしまう。個人的には「柩」が一押し。
  • 山の本棚
    山にまつわる本の読書案内。山しばりでこんなに紹介できる著者の読書量がすごい。また読みたい本が増えちゃったなあ。
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    池内紀(1940~2019年)氏は、東京外語大外国語学部卒、東大大学院人文科学研究科修士課程修了、神戸大学講師、東京都立大学助教授、東大文学部助教授・教授等を経て、早期退官後、文筆業・翻訳業に従事。カフカを中心にドイツ文学の評論・翻訳が専門ながら、旅行記ほか、幅広く文筆活動を行った。毎日出版文化賞、...続きを読む
  • ひとり旅は楽し
    標題に惹かれ、なんとなしに購入。徒然な紀行文、エッセイ。筆者の旅への思いが伝わり、自分の旅心もくすぐられる。思い切って、家族に「ひとり旅をしてきてもいいか」と切り出してみようか。
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    歳をとってからの老いに対する向き合い方、時間の使い方、身体の衰えへの対処のしかたなどをエッセイ風に軽快に書いていておもしろかった。
  • ひとり旅は楽し
    旅の究極の愉悦は、やはりひとり旅に収斂されるのであろうか。一人で旅することが、旅というものの本質を最もよく実感できるのかもしれない。
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    著者は、かなりマメな人である。メモを取るにしても、コレクションをするにしても、それらを自分で楽しみながら実践されておられる。老いを楽しむ一つのヒントは、マメになることなのである。
  • すごいトシヨリ散歩
    『望星』という雑誌で2016年9月号から2019年9月号まで連載されていた対談がまとめられています。対談が行われていた当時のお互いの仕事についても語り合われているのですが、池内さんが、のちに『ヒトラーの時代』としてまとめた仕事について語っているところは、その後の成り行きを知っている今から読むと切なく...続きを読む
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    すごいトシヨリBOOK
    トシをとると楽しみがふえる

    著者:池内紀
    発行:2017年8月15日
    毎日新聞出版

    有名なドイツ文学者だった彼は、冒頭で自分がいなくなる予定を三年ずつ延ばして、延長した時間の中で人生を生きていく、と書いている。2017年夏にあとがきを書いているが、他界したのが2019年夏...続きを読む
  • 魔法の学校 エンデのメルヒェン集
    物語の中へようこそ。

    ミヒャエル・エンデの世界を存分に楽しめる短編集。お気に入りは表題作「魔法の学校」です。

    「魔法の学校」魔法を使えるようになるため「望みの国」の子どもたちの中で才能のある子は、魔法の学校に通う。招待を受けて魔法の学校を見学した「わたし」の報告。

    「レンヒェンのひみつ」両親の...続きを読む