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「東京一泊旅行はまた、『記憶の忘れもの』をひろっていく小旅行だ。日常だと気づかないものが、「一泊」という余分の時間のおかげで、ふと見えてくる。」(「はじめに」より)品川宿、上野、十条・王子、赤坂、築地明石町、牛込界隈、かっぱ橋道具街、赤塚、木場、小菅、関口、千住、丸の内、明治神宮、豊島園、檜原村、蒲田、青梅、八王子、神田・日本橋。これまで幾度も通りすぎてきた「東京の20の町」との新たな出会いの記録。
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東京の旅行紀
東京以外の著者の旅行エッセイも読んでいるが、この作品は東京の居住者が一泊して東京を散策するというユニークなもので興味深く読了した。著者は東京大学のドイツ文学の教授という経歴のためか、文章が論理的であり、しかも簡潔な文体で、私自身、氏の文章を参考にさせて頂いている。近年はこれらの新作が発表されておらず...続きを読む、新たな発刊を期待したい。
Posted by ブクログ
近所ながらもホテルに宿泊し、決してメジャーではない場所も含めて旅する紀行文。 軽妙な文章に乗せられて、ちょっと風景を確認しに現地まで行ってみたくなった。
書店でたまたま見て購入。 著者が東京のいろいろな街を歩き、歴史の薀蓄とともに語るエッセイ。 自分の家の近所でも、この人が歩くと興味深く見えるのだろうな、と思った。 今度、近所を散歩をするときは、歴史や地名の由来を調べてから歩いてみよう。
"新幹線や航空チケットに大金を費やす必要がない。近くで一泊こそ、こよなくゼイタクな旅ができる。"というコンセプトが面白い。特に『一日静養・蒲田』が気に入った。歴史の話が多くて文章にはのめり込めなかったけど、こんな旅行の愉しみ方もいいなぁと思った。 "未知という点では電...続きを読む車で30分であろうと、飛行機で10時間であろうとおなじこと。期待と不安であって、しばらくキョロキョロしながら佇んでいた。"
東京に住んでいながら、ひとりで東京に「一泊旅行」する。自由気まま、足の向くまま。ああ、こういう散歩もいいな、と思わせるのは、池内さんの見栄を張らず物事にこだわらない人柄と文章のためだろう。宿選び、食事の店選びなど、旅慣れた人ならではの薀蓄もあり。
池内さんが気になった都内の面白どころを一泊で訪ねる。 泊まる必要は全然ない距離ですが、何が何でも泊まる、自宅に帰ったほうが早い、と思っても泊まる。
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池内紀
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