永井路子のレビュー一覧

  • 北条政子
    北条政子を主人公とした歴史小説。北条政子は悪女イメージが強いが、愛に生きた人と描かれる。北条政子の生き方は現代人にも刺さる。大姫の存在は現代人のメンタルヘルス問題にも通じる。

    木曽義孝を殺されて心を閉ざした大姫を見て源頼朝は「大丈夫か」と尋ねる。政子は「わかりません」と答える。どう見ても大姫は大丈...続きを読む
  • 炎環
    三浦義村は公暁(善哉)の乳母夫です。源頼家にとっての比企能員と同じ立場です。善哉を将軍にする野心を抱いていそうです。実朝暗殺も義村を黒幕とする説があります
  • 炎環
    梶原景時がかっこよかった。
    義経のことで告げ口ばかりしたという認識っだったので、勉強になりました。
    しかし、頼朝、こわ〜い‼️
  • 炎環
    【きっかけ・目的】
    令和4年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」関連で永井路子の著作の広告が出ていたので思わず購入してしまう。
    【感想】
    連作短編にとなっており、頼朝挙兵からその死、承久の乱までを主役を変えつつ時系列に物語が展開している。
    今まで源平合戦の時代を注目することがなかったのであまりに大河ドラマ...続きを読む
  • 炎環
    いい時期に読むことが出来ました。
    「鎌倉殿の13人」で阿野全成最期が放送されたこの時期に読めて良かったです。

    なるほど、阿野全成と若狭局のイメージは、これまでこのようなイメージだったのか。と思いました。

    私はてっきり北条政子が主役の作品だと思っていたので、"脇役"だったのは意外でした。あと人物造...続きを読む
  • 源頼朝の世界
     NHK大河ドラマ「鎌倉殿と13人」に刺激を受け、3冊目の永井路子を手に取りました。相当「吾妻鏡」を読み込んで、この時代の人物、相関関係を研究されてる方なので、読んでて安心感があるし、何よりめちゃくちゃ面白い。歴史って楽しいな〜と、思わせてくれる。
     頼朝が鎌倉幕府を作ったわけではなく、坂東武者の力...続きを読む
  • 炎環
    鎌倉殿の13人が面白くなるための小説。違う角度で登場人物を照らしてくれるが、史実は覆せないので共通したイメージも強い。昭和40年の直木賞作品がこんなに新鮮だとは。
  • 炎環
    今放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(三谷幸喜)はこの小説をベースにしてつくられているのではないかと思える程、史実や想像・創作の細かい微妙なところまで整合している。
    しかし、頼朝・政子に最も近い全成と安子夫婦の心の動きを深く抉った「悪禅師」と「いもうと」はドラマでは決して表現できない凄みがあり、作...続きを読む
  • 炎環
    おもしろかった!
    大河ドラマはみていないが鎌倉時代当初についてをよく理解することができた。
    登場人物全員が時代に翻弄されている。正解が何かが端からみてもわからない。
    諸行無常の響きありとはよく言ったものである。


    50年以上の前の作品だが古さを全く感じない。時代小説の魅力だなあ。
  • 炎環
    悪禅師 で頼家に詰め寄られるところでゾッとして、そこからずーっと怖かった。気になってどんどん読めるけれど、ドロドロしていて怖い。特に女性陣…


    怖い怖いと思っていた鎌倉殿の13人。
    この本に比べたら、兄弟姉妹が互いとその家族を心の底から思いやっている時点(5月時点)で、もはやあたたかいドラマに見え...続きを読む
  • 源頼朝の世界
    「鎌倉殿の13人」の勉強用に。
    思ってたよりがっつり深く書かれていて本当に面白かった。大河ドラマを観ながら何度も読み返しそう。
  • 炎環
    大河ドラマに出遅れたタイミングで読み始め、ドラマを途中から見つつ読破したが、ドラマのイメージの相乗効果でそれぞれのシーンの解像度が上がった気がする。鎌倉は美味しいお店のある観光地で源頼朝といえば鎌倉幕府を開いた英雄みたいな印象を持ちがちだが、それは何も知らないと同じであの場所はとてつもない人々の怨念...続きを読む
  • 炎環
    ★3.5のおまけ。
    大河に触発されての再読、全然覚えていない。でもこれからの大河進行に向けて格好でした。内容も面白いし、この作家と大河の脚本家の見方の相違がこれからもっと出てくるだろうし。
    いやいや、こういうのは読書の愉しみのひとつですわ。
  • 北条政子
    大河ドラマの影響で、北条政子その人に興味を持った。
    政子の心の動きを細やかに捉え、鮮やかに描いている。
    時代の波が容赦なく政子を悲しみに陥れる。
    果たして本当に彼女は悪女だったろうか。
    この本では政子を悪女としては書いていない。
    一人の女、一人の妻、一人の母、一人の祖母として書かれている。
    妬みや恨...続きを読む
  • 北条政子
    北条政子。まさに波乱万丈の生涯であった女性の物語である。夫である頼朝、大姫、三幡、頼家、実朝、そして公暁と次々と身内をなくしていく。
    母であり、女である政子は、最後には尼将軍として、京の都に対抗すべく、坂東武者の世の中を支えていく。
  • 炎環
    全成、梶原景時、阿波局、北条義時、を主人公にした短編小説です。それぞれの主人公から見た頼朝や政子が、新たな視点で描写されていて、この時代の理解が深まった感じです。
    それにしても、幸せって何なのかと、頼朝や政子は幸せだったのかと・・・、思ってしまいます。権力は得ても、疑心暗鬼ばかり、身内が身内を滅ぼ...続きを読む
  • 北条政子
    教科書に記載されてる退屈な字面以上の意識しか無かった鎌倉時代が、政子の嫉妬や愛情、後悔など生身の人間感を通して一気に立体的に色がついたイメージに変わった。

    おかげで、鎌倉時代からそれ以前の時代物も興味を持てる様になった。

  • 北条政子

    大河ドラマの予習で

    歴史小説と言えば花形である、戦国時代の武将の作品は色々読みましたが、源平や鎌倉時代は実はこれまで、あまり興味が無かった時代。
    今回、大河ドラマの影響で読んでみることにしましたが、武士社会のさきがけの葛藤、苦悩、それらに恐怖と切なさを改めて感じました。
    血縁者が血縁者を葬り去ることが普通に行われる...続きを読む
  • 北条政子
    日本3代悪女と言われた北条政子だが、本当は自分に素直で情が深い人だったんだと思いました。その情から生涯悲劇を招いたようですね。ふと思ったのが、夫の源頼朝が長生きしたら悲劇が繰り返され無かったのかも。また、頼朝の浮気癖がかわいい。
  • つわものの賦
     そろそろ来年(2022年)の大河ドラマに向けた読書を、ということで、まず本書を読んでみました。

     小説ではなく論考です。『吾妻鏡』を中心に、『源平盛衰記』や九条兼実の日記『玉葉』など、さまざまな史書を読み込んで、歴史小説家ならではの想像力を駆使して導かれた、この時代の歴史の見方、捉え方にはとても...続きを読む