熊谷達也のレビュー一覧
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「マタギ」がテーマのネイチャー系小説を予想していたが、完全に裏切られた。いい意味で。もちろん期待していた「自然との共生」もテーマの一つではあったのだが、それ以上に物語としてとても面白かった!昼ドラ的ドロドロの愛憎劇あり、官能的な濡れ場あり、ホラー映画のごとくグロい熊との対決シーンあり…かなりの長編だ...続きを読むPosted by ブクログ
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こういう書き方をされると、他の小説家が書きにくい。
どういう書き方かというと、綿密に調べ上げた膨大な資料の元に書いているからだ。
今回は日露戦争から満州事変にかけての、東北における「またぎ」の世界を詳しく描いている。
ついでに銅山で働く「炭鉱夫」の実態も微にいり細にいり描写されている。
イン...続きを読むPosted by ブクログ -
自伝なのかフィクションなのか?大人になって子供を振り返るスタンスで描かれる作風には読者として安心して読める雰囲気がある。悔しさも悲しさも誇らしさも甘酸っぱさも経験し大人になったからこそ振り返れる当時。
あの頃があったからこそ今の自分に誠実に向き合えるといった作風は凄くいいな~と思う。Posted by ブクログ -
邂逅の森に比べると物語としての物足りなさはあるけれど、得られるものは十分にある作品だと思う。
『自然との共生』と言った言葉は近年よく聞くが、人間が人間の都合で語るのであれば自然を置き去りにした話になってしまう。
人間が上位にあるのでは無く、自然と対等でなければ共生も共死意味を成さないんだろう。Posted by ブクログ -
桓武天皇の時代
東北地方に住む蝦夷の制圧が行われた
蝦夷の族長として闘ったのが英雄アテルイ
そのときの征夷大将軍が坂上田村麻呂
蝦夷のお話は
いたたまれなくなる話が多いが
アテルイが「英雄」のまま了している
よかったよかった
--追伸--
「火怨(高橋克彦著)」の方が良い。Posted by ブクログ -
「森」シリーズの完結編の主人公はまさかまさかの矢一郎。
第一部でチラっと登場した主人公のお兄さんです。
第二部があまり満足のいく作品ではなかったので今回は大満足!
すべてを凍り付ける極寒の地で、自分自身の心も凍てつかせる矢一郎。彼の心を溶かす朝焼けの空がまぶしい。Posted by ブクログ -
狩りをしているしているシーンよりは、女性ライターの目を通して自然との関わり合いを表現している方が多い作品ですが、それもまたアリかなと思いました。
最後のシーン、どうなったのかなぁ。Posted by ブクログ -
「荒蝦夷」とともに、東北に住んでいる人間なら読んでおかねばと思い手に取った一冊。地元が多賀城ということもあるし。
東北地方が一致団結して、何かムーブメントを起こしたら面白いだろうなぁと思いながら読んでました。単純な読み方ですね。
僕としては「荒蝦夷」の方が好きかも。Posted by ブクログ