渡辺淳一のレビュー一覧

  • 失楽園(上)
    あの名作を再読。

    性の規制緩和とか、今読んでも爆笑表現が満載。

    上巻の最後、栃木から帰れなかった日。
    お昼前に東京について、そのまま仕事にもいかずに
    ダラダラと部屋で過ごして、何となく夜の10時になってしまうという
    一日がいつの間にか終わる感覚、ここは好きだ。
  • 鈍感力
    なるほどと思った一冊。確かに、神経質で生真面目な人が心的病に倒れるような気がする。気にしないという度量が必要だと感じた。が自分がそうできるかは別問題であるなー。
  • 冬の花火
    自然と導かれていく行き先・・・
    それは、狂気と化した愛と歌、死への恐怖による愛欲と
    自己表現、自己確立、自己存在のための歌えの逃避。

    自己存在の確立、としての愛欲、歌への繋がりである。

    一つの生き方である。

    本書の解説で金沢碧の言葉が心に響く!
    「私は乳癌になったとき、この作品が真っ先に頭に浮...続きを読む
  • 遠き落日 下
    野口英世の善悪両面に迫った評伝。
    お子さま向けマンガ伝記でか軽く流される「金遣いが荒い」エピソードや、渡米後の様子が詳しく描かれる。

    英世の研究振りについて。

    (引用)

    ・(英世は)実験をして疲れたら、靴を履いたままベッドに横になる。横になった途端もう眠っている。そして2,3時間で目が覚めると...続きを読む
  • 鈍感力
    親から進められた本。
    他の本でも言っていることが書いてあるが、鋭敏よりも鈍感である方が強いとのこと。確かに不要な心配や、流せばいいことで気をもむ必要はない。
    したたかに生きる術が書かれている。今の自分に必要な能力。
  • 泪壺
    こういう話&作家、好き。医療関係の話の部分は難しかったけど、泪壺、よかった。何とも言えない気持ちなった。
  • 失楽園(下)
    2012/08/28

    なんて淫靡で,究極を求めた空前のベストセラー小説でした.”性度”の高い人間を描いたという.

    あぁ,箱根にも軽井沢にも行きたい.

    ・しずこころなく,心の静まる暇もなく
    ・修繕寺 源頼朝が幽閉
    ・男の濛々しさなど,沼の表面で跳ね返る魚のようで瞬発的
    ・夭折(ようせつ) 若死に...続きを読む
  • 失楽園(上)
    2012/08/28

    役所広司と黒木ひとみが出演してるくらいしか知らなかったので,なんとなく手に取った.そして,深みにはまってゆく...通勤電車で.

    ・その経過を確認することで満足し,納得する.
    ・軽恋愛,軽音楽と同じように重くしない.
    ・そのハンディキャップを埋めるために,男はこれらの付加価値...続きを読む
  • 欲情の作法
    男と女の根源的な違いを理解すれば恋愛はもっとうまくいく、と力説する著者が医師としての視点と自らの体験とを織り交ぜて綴った恋愛講座。
    生物学的知見に基づいた総論的な内容が多いなという印象を受けたので、実践に即生かせる具体的なハウツー本を求めている読者向けではないかも知れない。
    ああ、やっぱりと思うよう...続きを読む
  • 流氷への旅
    たしか小学生の時に読んだ本。私が本書のキスシーン(接吻と表現されているのを記憶)を読んでたら、同級生の男の子に「こいつエロ本読んでるぜー!」とか言われた記憶。大人の恋ってこんな、ヒッソリと、でも唐突なんだなって漠然とした感想を持った。紙谷さんの何考えてるかわからない感じがちょっとステキ。
  • 遠き落日 下
    美談の中に生きる偉人としてではなく、ちゃんと一人の人間としての野口英世を知った気がします。

    コンプレックスと数多くの欠点を抱えながらも、前のめりに激しく生きた野口英世は尊敬に価すると思います。
  • 遠き落日 上
    野口英世の伝記小説です。

    一般的に野口英世のイメージは清貧で努力家。幼い頃の火傷により、左手が不具になったが、一生懸命勉強し、ハンディキャップを克服したという、二宮金次郎的な印象が強いと思います。

    この本を読んでそんなイメージとのギャップにびっくりした。

    エゴイスティックで周囲の人間から借金を...続きを読む
  • 遠き落日 上
    野口英世はまじめな努力家のイメージだったけど、努力する天才、でも生活能力ゼロ、というマンガみたいな人だったのね。でも研究に対するエネルギー、探究心、枯渇感、みたいのがひしひしと伝わってきて、良かった。
  • 愛の流刑地(下)
    愛する者に殺して欲しいと願った冬香の気持ちが今でも印象に残っています。
    これは殺人といえるのか、それとも・・・?
    深く考えさせられる作品でした。
  • 遠き落日 上
    上下、一気に読む。小さい時に伝記で野口英世を読んだことがあったが、イメージががらっと変わった。努力家ではあるが、借金の天才、強い自己顕示欲、かなり変わった人だったようだ。

    まわりの人を騙し借金を続ける英世に、はじめはどうしようもないやつだな、と思いながら読んでいたが、最後は自らのコンプレックスをエ...続きを読む
  • 幸せ上手
    自分の体は頑張っていることに改めて気づかされました。
    自分磨きのため、楽しい人生を過ごすために積極的に色々体験したいと思いました。自分のいいところをもっと発見して、伸ばしていきたいですね☆
  • 愛の流刑地(下)
    上巻はこの下巻への布石だったのだ。

    菊治の冬香を愛するあまりの行動。

    殺人罪か。

    幇助か。

    法廷という得意な環境の中で裁かれる菊治の苦悩、そして行き場を失った冬香への思い。

    愛とは、人とは、
    渡辺ワールド全開のとてもいい本だと思った。

    人をここまで愛せるのは罪か、
    それとも愛せないのが罪...続きを読む
  • 遠き落日 上
    渡辺淳一氏の作品は何と言うのか色っぽい作品が多いですが私が読んだことのあるこの方の作品は「花埋み」が最初だったので反対に「失楽園」などの作品にびっくりした記憶があります。
    「花埋み」は日本で初めて女医さんになられた方のお話でした。
    この本は野口英世の話です。

    ちょっと前に星新一さんが自身のお...続きを読む
  • 遠き落日 下
    得体の知れない感動のようなものが最後にはふつふつ込み上げてきた。ここまで一人の他人(誰からしてみても他人なのだ)を解剖して、書き上げることができるのだという驚愕。
    野口英世が特殊な人間だったことですら、もう後半、忘れてしまっていたような気がする。
    とくに往年は、野口にとっても苦悩と不安の波だったから...続きを読む
  • 遠き落日 上
    この本を読んで、野口英世=偉人の一人というという単純な認識が変わった。英世という人が実はどういう人間だったかということが描かれているのが興味深い。また野口英世の研究に関する見解なども、さすが医学博士でもあるこの作家ながらだと思った。