竹本健治の長篇ミステリ作品『将棋殺人事件』を読みました。
『涙香迷宮』、『囲碁殺人事件』に続き、竹本健治の作品です。
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謎々を拾った者が、次第に心を病み、墓地で死体を掘り返す――六本木界隈である怪談が広まっていた。
そんなとき静岡で大地震が発生、土砂崩
...続きを読むれの中から二つの屍体が発見される。
屍体と怪談との類似点に注目、調査を始めた天才少年棋士・牧場智久が到達する驚愕の真相とは?
書き下ろし短編「オセロ殺人事件」収録。
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1981年(昭和56年)に刊行された、IQ208の天才少年囲碁棋士・牧場智久と大脳生理学者・須堂信一郎が探偵役として活躍するゲーム三部作シリーズの第2作です… 文庫特典として『オセロ殺人事件』が併録されています。
■序奏
■趣向
■収束
■オセロ殺人事件
■文庫版あとがき
■解説 巽昌章
駿河湾沖を震源とする大規模な地震が発生し、各地に被害をもたらすなか、土砂崩れの中からふたつの屍体が発見された… 六本木界隈に蔓延する奇怪な噂「恐怖の問題」をなぞったかのような状況に興味を覚え、天才少年・牧場智久は噂の原型と発生源を調べ始める、、、
すべてが五里霧中の展開に眩暈を覚える異様な力作長編… 少年探偵・牧場智久、第二の事件。
謎々を拾った者が、次第に心を病み、墓地で死体を掘り返す――という、女学園から拡散した都市伝説『恐怖の問題』、詰将棋の問題創作における盗作疑惑、大地震による土砂崩れで発見された二つの屍体、屍体発見現場近くの墓地で何かを探していた女性の殺害… そして、5年前に20人近い死者を出したバス事故、、、
これらのバラバラと思われた事象が、詰将棋というキーワードで繋がり、真相へ近付いていく展開が愉しめました… 真相は、あまり好みのパターンじゃなかったですけどね。
『涙香迷宮』では連珠、『囲碁殺人事件』 では囲碁、本作では将棋と、ゲームに関する歴史や蘊蓄が凄かったですねー 勉強になります。
併録されている『オセロ殺人事件』は、容疑者3人に偽造した駒を見せて、その反応で犯人を当てるシーンが印象的でしたね… こちらは、オセロと源平碁の歴史や蘊蓄を知ることができました、、、
源平碁の駒は赤/白なんですねー 初めて知りました。
以下、主な登場人物です。
牧場智久
IQ208の天才少年囲碁棋士
須藤信一郎
大脳生理学者
牧場典子
智久の姉。大のミステリー好き