竹本健治のレビュー一覧

  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    綾辻先生以外のお話は読んだことがなかったので、どっぷりと楽しめました。今邑彩さんと小池真理子さんのお話はどっぷりホラー。福澤さんのはラストが不気味。何より初岩井志麻子さん。いや、こんな硬派で素敵な文章を書かれる方だと思わなかったのでわびっくり。他の本も読んでみたくなりました。こうした編者がテーマに沿...続きを読む
  • 涙香迷宮
    蘊蓄部分はよく分からず、流し読みしました。しかし、日本語ってすごい。こういったものを作れる言語センスが素晴らしく、信じられない。
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    依って件の如し、良かったなぁ。
    読んでいるだけで灰色の空とじっとりとした空気を感じられる作品でした。
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    澤村伊智、岩井志麻子、鈴木光司さんの作品は既読だったので、それ以外の作品を。こういう感じの怖さか、という作品が多かったけど、中では鳥の話が面白かったです。短編は手っ取り早く面白くていい。
  • 新装版 匣の中の失楽
    第4の奇書と呼ばれる本作。
    いつものように内容を全く知らずに読み始めました。
    解説には「ミステリーとアンチミステリーを両方兼ね備える作品」とあります。

    真剣に推理を巡らせながら犯人を当てよう!と意気込んで読むのではなく、どちらかと言うと、謎を疑問に思いながら頭の中に記憶しておき、流れに身を任せ騙さ...続きを読む
  • 狐火の辻
    手掛かりから推理を経て、謎が解き明かされるという、一般的なミステリ的な手順からは外れている。何せ、クライマックスは肝心の名探偵(牧場智久)抜きで進行するのだ。けれども意味不明な出来事の意味が、あるとき腑に落ちる、その快感はミステリでしか味わえないものでもある。巻末の解説によると、作者はロス・マクドナ...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    表題「再生」は伊藤潤二の「富江」のような不気味さがあり、
    それを受け入れてしまう語り手もまた気持ち悪すぎる。

    「鳥の巣」の結末にもひんやりとさせられた。

    「依って件の如し」
    「ぼっけぇきょうてぇ」でも読んだけど
    今読み返しても岩井志麻子の作品はこの作品集のなかでも圧倒的だと思う。

    明治時代(?...続きを読む
  • 涙香迷宮
    竹本健治の涙香迷宮を読みました。
    囲碁、将棋、トランプ、匣、涙香と5冊目になります。
    どれもハズレがありませんでした。
    まだ未読未入手のものを読みたいと思うばかりです。
  • 腐蝕の惑星
    前半部のオチは大方の予想通りのはず。後半はぶっ飛んだことに、「エイリアン」ばりの、スペース・ホラー・アクション・エンターテインメントと化す。これが面白い。後半部の舞台設定やら、怪物の正体やらは、おおよそ三〇年前の作品だが、劣化速度の速いSFとしてはまったく古びていない。その一方で女性キャラの話し言葉...続きを読む
  • 涙香迷宮
    なんといっても空前絶後のいろは歌暗号に尽きるでしょう。あとがきによると、本作のために用意されたわけではなく、作者さんが趣味で作っていたいろは歌暗号が先にあって、ということのようだけれど、それはそうだろうね。どこかで作中でのいろは歌に対する賛辞、つまり自讃が過ぎるというような批評を目にしたのだけれど、...続きを読む
  • 涙香迷宮
    完全に主役は「いろは歌」。その狂気じみた圧倒的ボリュームに呆然。
    黒岩涙香については山田風太郎作品で触れた程度の知識しか持ち合わせていなかったので、その多芸ぶりと破天荒な経歴に驚いた。
    冒頭の殺人事件と涙香といろは歌。とても自然な流れなのに、おそらく配分の問題だろうか、奇妙なアンバランスさを感じてし...続きを読む
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション
    前回のベストセレクション「再生」よりもこっちのほうがずっと好み。
    であるが故に、過去に読んだ話が半分くらい…
    平山夢明氏と小林泰三氏が一冊に入ってるアンソロジーだから買って後悔はない。

    背表紙の著者名が小林泰三氏になってて、新しく本棚に氏の本が並んだのも嬉しい。
  • 新装版 匣の中の失楽
    再読。最初に読んだのは高校生の頃だったのでそれはもうこの小説に酔っていた。数学、物理、量子論、虚数、トポロジーに、心理学、精神病理学、占術、魔術などなどなどのめくるめく展覧会。この小説を読むだけでこの世界というものの一端を知った気になれた学生時代。乾くるみさんが解説というか「蛇足のようなもの」で書か...続きを読む
  • 狂い壁 狂い窓
    かつて産婦人科の病院としてつかわれていたアパート「樹影荘」に暮らす六組の住人たちの身のうえに、次々に奇妙な出来事が起こります。やがて住人の一人である梅本という男が、樹影荘近くの不見地蔵のもとで首をくくって死亡しているのが発見されます。

    こうして、楢津木という刑事が登場し、樹影荘にまつわるさまざまな...続きを読む
  • 囲碁殺人事件
    竹本健治を『涙香迷宮』から読み始めたので、これが牧場智久初登場作品かー、という感慨を持って読んだ。12歳の智久くんはちょっと生意気な、まさに小学生といった感じで、涙香迷宮の大人びた高校生の感じとは違うねえ。

    暗号は棋譜が出てきた時点で投げてしまったけど、ミステリとしてはかなりオーソドックスで、ウロ...続きを読む
  • これはミステリではない
    いやあ、これは参った!
    ラストの「マサムネ」の台詞に大爆笑。
    どうしよう。笑いが止まらん。お腹痛い(笑)。

    そもそも、爆笑の理由は、もう不条理の極みですよ。ネタバレは、全てが台無しになりそうなのでしませんが、これもアンチミステリか、メタミステリになるのだろうか? タイトルがタイトルだけに。

    いや...続きを読む
  • ウロボロスの純正音律(下)
    面白かった。
    『基礎論』読んで『虚無への供物』を読みたくなり、『純正音律』を読んだら『黒死館殺人事件』を読みたくなる…

    ミステリ作家たちの推理合戦を読んでると、『虚無への供物』を直前に読んだ気持ちが蘇り、最後とんでもないしっぺ返しを喰らうのではとドキドキしたら、オチがあれで「えええええー?!」とな...続きを読む
  • 涙香迷宮
    涙香のことが知りたければこの本を読め!!
    というくらい、2/3 は涙香のことが詳しく描かれている!!

    物語のはじめに起こった殺人事件
    から
    涙香の秘密の山荘へ辿り着き、
    天才(超天才!!!)涙香が残した最高難易度、日本語「いろは歌」の暗号解読から
    殺人事件の犯人を暴き出す!!

    江戸川乱歩が好きで...続きを読む
  • これはミステリではない
    しばらくの間思考が止まった状態になった。確かにゴールテープは切ったはずなのに辿り着いた感覚になっていない。加えて心がざわざわしている。とにかく凄いとしか言えない。
  • 狂い壁 狂い窓
    『ウロボロスの偽書』に続き、竹本作品六作目。初めから薄々、夢Qぽさを感じてはいましたが…終章で確定しました。この作品の中で、正常な人はどれだけいたでしょう…。キ○ガイのオンパレードでしたw 人間の底無しの狂気が溢れたトンデモ作品。星四つ。