三羽省吾のレビュー一覧

  • 共犯者
    久々の三羽省吾は、勢いノリノリ系じゃなく、社会派ミステリー系の小説。岐阜の山奥で発見された死体遺棄事件を追う三流週刊誌の記者宮治。独特の嗅覚で「何かある」と感じた宮治はこの事件を執拗に追ううちに、兄弟と家族を巻き込んだ真相に迫っていく。ミステリーと書いたが、核心は兄弟妹や家族の在り方を問うところ。犯...続きを読む
  • 厭世フレーバー
    本屋さんに並べてありました。久しぶりに夜更かししました。どんなに頑張っても、家族の一面しか見えません。他人となると、もっとですね。
  • 警官の目
    有名作家さんたちが書く短編警察小説。
    [消えたホトケ 今野敏] 密室の事件現場からの死体消失の謎に三課窃盗捜査係の萩尾が挑む。プロの窃盗犯を相手にする刑事だからこその視点が面白かった。
    [汚名 五十嵐貴久] 所轄の警務課員の千田と刑事殺しの罪を背負う元警察官の父のお話。父と子それぞれの思いが苦しかっ...続きを読む
  • イレギュラー
    なんだ、これ⁈
    元々野球の話だし、面白いだろうとは思っていたが、ストーリーも、泣かせどころも笑わせどころも、ぜんぶどハマりした。もう、今年はこれ以上の本は読めないような気がする…
  • 警官の目

    今回も👍

    「警官の貌」に続くアンソロジー集。
    前作がとても良かったので、早速こちらも読んでみましたが、さすが期待を裏切りませんでした。

    今野敏氏:好きなシリーズの短編
         萩尾警部補もの、特に短篇は人情味アッ
         プで◎

    五十嵐貴久氏:私にとってはお初の作家さん。
           途中、あまりに...続きを読む
  • 警官の目
    今野敏、五十嵐貴久、三羽省吾、誉田哲也による警察小説アンソロジー第2弾。独立した四編の、趣きの異なる作風が楽しめます。
    今回は三羽省吾氏のみ初見で(^_^;)
    前作は軽めが多い印象でしたが・・・今回は読みごたえ充分!特に五十嵐貴久「汚名」と誉田哲也「裏切りの日」は実に楽しく、切なく読みました。
    しか...続きを読む
  • 厭世フレーバー
    とにかくいい。家族って一筋縄でいかないけど、みんなそれぞれの想いがあって、人と人とのつながりを感じられる。
  • 刑事の血筋
    また良い作家さんを見つけました。三羽さんの他の作品も読んでみたいですね。子供の頃から確執のあった兄弟が警察官になり事件を解決。ちょっとモヤモヤッとする解決ではあったけど…警察官の家族の物語としても読める作品でした。三羽さん本人が警察官の家族だとと知って納得です。警察官の奥さんもそれなりの覚悟が必要な...続きを読む
  • 警官の目
    どの作品も「ぶっちぎりのおもしろさ!」Top of the Top の警察小説!に偽りなしでした。誉田哲也さんの作品はこれから出るという『背中の蜘蛛』を是非読んでみたいと思いました。
  • イレギュラー
    おもしろかった〜!!!
    実は読むのすごく時間かけてしまったのですが、野球のテーマは元々すきだし、水害にも関わる話ということで、色んな感情も渦巻きながら読みました。
  • ヘダップ!
    サッカー小説ということしか知らなかったけれど、これは面白かった。

    高校を卒業して家を離れ、JFL所属のクラブチームでプレーをすることになった桐山勇。
    プロ契約ではないので、生活の糧はスーパーで働くことによって得ることになる。

    J1やJ2のチームと違って、J3やJFLのチームはプロとアマの選手が半...続きを読む
  • 路地裏ビルヂング
    雨で道がぬかるめば、人の行き来がままならず、立ち止まって譲り合わねばならぬほど狭い路地に建つ“辻堂ビルヂング”。ビルジングではなく、ビルヂングです。築半世紀は経っているであろう、6階建てのくせして隣りの5階建てより小さい雑居ビル。そんなおんぼろ辻堂ビルヂングのフロア毎に1章ずつ、6章から成る連作小説...続きを読む
  • 太陽がイッパイいっぱい
    土方のバイトを始めた三流大学の男子学生イズミは、次第に大学にかようことをアホらしく思うように。バイト先である解体業者“マルショウ”にスカウトされて、大学を休学します。

    マルショウのメンツのオモロイことと言ったら。加えて、舞台が関西。芦屋に始まり、宝塚、千林大宮など、知った地名が次々に出てくるもので...続きを読む
  • イレギュラー
    水害に遭った蜷谷村の人々は、仮設住宅で避難生活を余儀なくされています。練習もままならない蜷谷高校の野球部の投手コーキと捕手モウは毎日ダラダラ。監督の大木は練習場所の提供者を探していますが、なかなか見つからず。町には野球の名門である圭真高校、通称K高があり、そのK高監督の結城は大木の教え子。大木は結城...続きを読む
  • ヘダップ!
    サッカーは全く分からない。ちゃんとやったことがないし、入れ込んで観戦した事もない。
    ポジションの名前すらうろ覚えで、どうなったらオフサイドになるんかとかすら不明瞭。だからサッカー小説としての出来は分からない。

    ただ、一つのボールを追いかけることについてこんなにも熱くなれて、こんなにもクレバーになれ...続きを読む
  • Y.M.G.A. 暴動有資格者
    待ってました!久々の三羽作品。
    この人が書くブルーカラーの若者はパワーがみなぎっていて好きなんよねぇ。読んでる俺まで元気もらえる。

    で、本作。なんと近未来SFになってるよ。戸籍のない地下住民が最下層にいて、経済的根幹を謎の企業体PRNが仕切っている、相変わらず政治はダメダメという、経済カーストが著...続きを読む
  • タチコギ
    祖母の訃報を受け、不登校の息子を連れて30年ぶりに帰郷した柿崎信郎。甦る少年の頃の出来事と現在の境遇が、父として息子に伝えるべき何かを生み出す。
    子供だからといって楽しいことばかりじゃない。大人だからといって世の中を上手く渡れる訳でもない。人間が生きていくには、何かしら背負うものがある。その重さに耐...続きを読む
  • イレギュラー
    2015/4/2
    これはもう文句なく。
    めちゃくちゃおもしろかった。
    ゲラゲラ笑いながら泣いた。
    これこそずっと読んでいたい本だと思ったよ。
    1回ボツにした編集はセンスねぇな。
    悲しい顔がツボにはまりまくりで思い出して何回も笑ったわー
    めっちゃ好き。
    ホントに彼らの成長をずっと追いたい。
    サヨナラ試...続きを読む
  • 路地裏ビルヂング
    2015/2/15
    連作短編。いちいちグッと来るとこがある。
    そうそう、私も同じ。
    サナギマンなんてクリティカルヒットだ。
    ひとつの編を読み終わったら本を閉じてかみ締めた。
    でもあくまで楽しく温かく描かれているから説教くさくもないし最後まで楽しく読んだ。
    酒井君とか何してんのかな~?
  • 路地裏ビルヂング
    路地裏に佇む古いビルを舞台にした連作短編集。
    店子の従業員たちが抱えるそれぞれの事情が人情とユーモアを交えて描かれており、厳しさを笑い飛ばすセンスが絶妙です。
    お馬鹿な若者たちが交わす会話のセンスも秀逸で、心から楽しんで読むことができました。