佐野眞一のレビュー一覧

  • 東電OL殺人事件

    読み応えあり

    この事件は結構インパクトのある事件として記憶していたので、どこまで掘り下げられているのか興味が湧いて読んでみた。なかなか奥の深い色んな組織の思惑までも暴露していく内容に感心しながら読ませてもらいました。
  • 渋沢家三代
    攘夷から幕臣に転じ、明治維新以降の偉業を成し遂げた渋沢栄一についてはそれなりに知るところではあったが、その子である篤二と孫の敬三についてそれぞれ激動の人生であった事については初めて知っただけにその驚きは大きかった。
    あまりにも壮大な一族の繁栄から没落までの流れはただただ感嘆するばかりで、一言では語れ...続きを読む
  • 渋沢家三代
    渋沢栄一だけでなく、息子の篤二、孫の敬三までの三代を記したドキュメンタリーで読み応えあり。
    渋沢栄一とは激動の時代を生き抜いた偉大な人だったと改めて感じるとともに、偉大な父や祖父を持つ息子や孫の苦悩や、家を繁栄し続けることの難しさもひしひしと感じ入った。
    親や家のことなどあっても、とにかく一人ひとり...続きを読む
  • 渋沢家三代
    次回大河ドラマの主役渋沢栄一、その息子で廃嫡される篤二、民族学で名を残す敬三。渋沢家の三代を通じて見つめる日本近代史。

    渋沢栄一だけでなく、その子、孫。さらに一族本家まで俯瞰した新書としては守備範囲の広い意欲作だろう。

    何代かに渡って一族を眺めると、勤勉と遊蕩の血が交互に出てくるのが面白い。渋沢...続きを読む
  • 旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三
    超絶感動。コロナ終息後の最初の遠距離旅は山口県に決めた。宮本常一が生まれた周防大島行ったあと祐三ラーメン食うんです。
    やっぱり「普通から生み出されるパワー」が「異常」となる景色のすさまじさよ。そこに絡むのが華麗なる元財閥でニコニコと没落する日銀総裁・渋沢敬三。なんというドラマ。
    そして一番驚いたのが...続きを読む
  • あんぽん 孫正義伝
    値が上がるとヤフーの株を売ったり、下がると買い戻したり。一方で巨大ソフトバンクグループを率いる孫正義。

    このずるい手法を用いる一方で、抜群の成果を上げてきた孫正義はいかにして生まれたかを深く解き明かした作品。

    川の氾濫で糞尿が浮くような豚小屋で育ったも同然な孫の出自を丹念に取材。これまでの軌跡を...続きを読む
  • 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 上
    著名なジャーナリストである佐野眞一が沖縄を余すことなく取材した結果をまとめた本。

     上巻では、①(昭和)天皇や米軍を巡る沖縄県警の動向、②沖縄ヤクザや密貿易といった沖縄におけるアングラ勢力の動向、そして③國場組といった沖縄経済四天王や米国留学組、などをまとめている。
     文献的な調査もさることながら...続きを読む
  • 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 下
    著名なジャーナリストである佐野眞一が沖縄を余すことなく取材した結果をまとめた本。

     下巻では、①軍用地主、②尚市などをまとめている。
     上巻に引き続き、文献的な調査もさることながら、キーパーソンに対する詳細な取材が裏付けるリアルな沖縄が垣間見えてくる。文句なしに5つ星。
  • あんぽん 孫正義伝
    この本で読んでふと思ったことは、
    孫正義と言う人は、
    自分が在日であることに、
    異常なまでの「コンプレックス」を抱いて生きているんだな思った。

    また、その「コンプレックス」を隠すのではなく、原動力としている。
    原動力というか、感謝といっても良いと思う。

    少なくない人間が様々なコンプレックスを持っ...続きを読む
  • あんぽん 孫正義伝
    佐野眞一と言えば、数年前、橋下徹をハシシタと呼び出自を侮蔑する事で悪名を上げたが、本来はバリバリの実力派ルポライターで、私は里見甫を取り上げた戦前の満州阿片利権の書により、彼の取材力の高さ、その魅力に取り憑かれた。その彼がハシシタ騒動以前に書き上げたのが、この孫正義伝。ライター大御所としてのプライド...続きを読む
  • だれが「本」を殺すのか
    本が書かれてから、電子書籍がだいぶ普及してきている時代になりました。携帯もスマホへ。でも、今でも十分説得力のある本。
    「本」の業界全体の構造的問題の根深さを感じます。今更どうしようもない状況になりつつあるのでしょうか。
  • 沖縄戦いまだ終わらず
    著者の佐野眞一氏の作品は前作の「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史(上)(下)」をも読んだが、この作品もノンフィクション作家である佐野氏の真骨頂の一冊である。
    第1章から第5章までは戦中から戦後の詳細な調査とインタビュー等をとおして孤児たちのその後から集団自決の真実などを細かく調査し、最後の第6...続きを読む
  • 《当事者》としていかに危機に向き合うか:震災復興の政治経済学を求めて2
    原発問題を契約理論で描く一章、意思決定問題として描く二章、そして政治学として描く三章、いずれも興味深い!特に三章のぶった斬り感は秀逸!
  • あんぽん 孫正義伝
    今や日本を超え、世界的経営者となった孫正義氏の、生い立ちから両親、祖父母の血脈、どのようなバックボーンが稀代の経営者の人格形成に影響を与えたかなど、綿密な取材に基づいた作者渾身の一冊だと感じた。
    「孫正義という人間は何となくうさんくさい」という、作者の目線が、批判でも賞賛でもない独自の深みを醸し出し...続きを読む
  • 津波と原発
    メルトダウンに続いて読んだ、先の震災関連書。行動力と、参考文献数に驚嘆した。震災の内容もさることながら、原発事故以降の国内の様子について、主に政治的視点から記述している。未だ解決を見ない状況にいらいらしつつ、すでに忘れてしまったかのように自宅で普通に電気使いまくっていた自分にはきつかった。まさに我に...続きを読む
  • 東電OL症候群(シンドローム)
    326.23
    続編の本書から読んでしまったが、被害者である渡邊泰子さんが摂食障害であったなどの背景も興味深い一方、元東京高裁裁判官である村木保裕の少女買春については全く無知だったため後半かなり引き込まれて読んだ
  • 渋沢家三代
    先日論語と算盤という本を読んだ際に、気になった本です。

    非常に面白かったです。
    栄一という近代日本資本主義の父の実の子たちに降りかかる重圧。
    それを女性であったり、学問に救いを求めたり、とにかく厳格に、
    渋沢の家の人間という事を誇りに思い、重視したりと
    何かバランスを崩してでないと生きていけないよ...続きを読む
  • 東電OL殺人事件
    「東電OL殺人事件」の詳細を確認したくて読んだ。今年ビゴンダさんの無罪が確定したのを機に曖昧な知識をもう少し自分に納得のゆく形で留めようと思って読んでみた。
    予想は其れを遥かに超える作品だった。事件の経緯や事実関係だけでなく、被害者、渡辺泰子に著者が必死に
    迫ろうとする姿がこの作品を作っている。...続きを読む
  • だれが「本」を殺すのか
    2001年の本なので情報がやや古いが、業界を知るには十分な内容。10年経って、出版業界の衰退が更に進んでいることが分かる。
  • 旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三
    後年まで定職に就かず日本中をフィールドワークして歩いた民俗学者宮本常一と、それを物心両面で援助しつづけた実業家かつ民族学者渋沢敬三の評伝である。最初は宮本だけの評伝として構想されたが、渋沢の存在の巨きさに気がつき二人の評伝というかたちになったという。二人への著者の畏敬の念がが素直に出ているが、ノンフ...続きを読む