佐野眞一のレビュー一覧

  • 沖縄戦いまだ終わらず
    沖縄戦そして集団自決から続く沖縄の現在。戦争孤児の悲劇から援護法の欺瞞、沖縄保守本流であった翁長知事が何故辺野古移設に反対するのかまでを、個々人を浮き彫りにしながら語る。
    日本人は沖縄の意思に対して意見を言えるのか?言える立場にあるのか?
    野中、小渕亡き後(野中さんは生きてるか)、日本と沖縄をつなぐ...続きを読む
  • 東電OL殺人事件
    東日本大震災の原発事故で、東電の体質についてクローズアップされたことをきっかけに、東電に興味を持って読み始めたのだが、とんでもない本だったようだ。
    そもそも、この事件について全く予備知識がなかったため、渡辺泰子のような女性が存在していたことに驚いた。事実は小説より奇なり、とはいうけれど。。もう亡くな...続きを読む
  • 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 上
    興味をそそられるタイトルに表紙の写真。しかも佐野眞一著となれば読まないわけにはいかないでしょう。

    しかし、読み始めはちときつかった。
    だって沖縄ヤクザの抗争なんてまったく興味がわかないんだもの。しかも読み始めたのはハワイの空の下。リゾートしながら読む題材ではないわね。能天気な観光客の知らない裏社会...続きを読む
  • 東電OL殺人事件
    被害者のWさんは幸せな家庭で育ち、慶応大学経済学部を卒業後、一流企業に総合職(エコノミスト)として勤めながらも、毎晩仕事帰りに渋谷に立ち寄り、4人もの客をとって売春をしていたという。週末も風俗店に勤務し、その後渋谷で呼び込みをしていたそうだ。
    彼女は渋谷区円山町、井の頭線神泉駅から目と鼻の先にある、...続きを読む
  • 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 下
    最終章を読みながら沖縄に行ってきました。何度か行ってる場所もこれまでとは違った目や感じ方が出来て良かったです。
  • 東電OL殺人事件
    昼はエリート社員、夜は街頭に立つ娼婦である女性の殺人事件。被告の冤罪をはらすべく徹底的に調べ上げた本書。丁寧な取材と熱意に敬意を表したい。
  • 誰も書けなかった石原慎太郎
    石原慎太郎の実像に迫るノンフィクション作品です。

    汽船会社で人びとの記憶に残る伝説を残した慎太郎の父・潔の生き様から、慎太郎・裕次郎兄弟の活躍、そして都知事になった石原を追い込んだ新銀行東京問題までを、緻密に追いかけています。

    「私の関心は、……石原慎太郎という男それ自体の存在もさることながら、...続きを読む
  • 東電OL殺人事件
    東電OL事件のルポ。ほとんど古典となっているが、やはり面白い。著者のフェティッシュと言っていいほどの被害者に対する思い入れ(おそらく性的なものが含まれている)。「遺族のプライバシーを尊重して」と断りながらも、実際はまったくそれを無視して暴きたい放題。東電OLに触発されて登場人物たち(著者も含めて)の...続きを読む
  • 東電OL殺人事件
    冤罪事件が確定した後、この本を読みたい読みたいと思っていたんだけど、ようやく購入。

    とても熱く書かれているんだけど、被害者及び被害者の父と原発の関わり、なぜ被害者が売春婦となってしまったのかのあたりの記述について、個人的には突っ込んでいないように感じられ、欲求不満。
    第四部第七章(被害者の周辺にい...続きを読む
  • 東電OL殺人事件

    知られざる事

    この事件が起きた当時、興味本位の、中には被害者を傷つけるような事を報じる雑誌や新聞があり、辟易した記憶がある。
    この本は、そのような事は無く、何故このような事件が起きたのかを事実を丁寧に調べて解き明かそうとしている。
    しかし、それでも疑問が残っている。
    これは被害者が持っていた闇があまりにも深かった...続きを読む
  • 東電OL殺人事件
    被害者のもつわからない力がとにかく強い。心理が全く想像できない、けどそれを他人事で片付けることもできなくて、不可解すぎてどんな感情をも寄せ付けさせない事件だ、私にとっては。

    弁護寄りの文でもあるけど、警察が腐敗している。事件の焦点が話とずれている点もあり、事件のルポタージュというより裁判のルポター...続きを読む
  • 東電OL殺人事件
    途中ネパールに行く所は間延びした感じがするが、東電と円山町、電力利権と被害女性のつながりを読んだ時は、ぞっとした。
    なぜ警察はネパール人G氏を犯人と決めつけたのか。単に検挙率を上げたいだけなのか、何かをかばっているのか。真犯人は誰なんでしょう?
  • 渋沢家三代
    近代日本の経済・産業界を創造した渋沢家の評伝。初代栄一が興した企業や組織は、第一国立銀行、朝日生命保険、東京海上保険、東京ガス、東洋紡績、清水建設、王子製紙、秩父セメント、新日本製鉄、キリンビール、アサヒビール、サッポロビール、帝国ホテル、東京証券取引所、東京商工会議所、東京都養育院、結核予防会、盲...続きを読む
  • 風化と闘う記者たち:忘れない 平成三陸大津波
    震災から2年たって、首都圏は何事もなかったようになっているけど、今もまだ戦いがおわってない。現地の新聞社の記者のレポート。
  • 旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三
    調査のため、日本を歩き訪ねて、73年の生涯で16万キロ。
    白地図の日本列島に彼の足跡を赤ペンキで塗ると真っ赤になる。
    彼が巨人じゃないなら、もはや巨人は存在しない。
  • 東電OL殺人事件
    タイトル通り平成9年に起きた、東電OL殺人事件を裁判の流れとともに追っていくノンフィクション。

    まず、実名が多いことにびっくりした。

    また、著者の取材のしつこさにも驚かされる。
    事件現場の円山町はもちろんのこと、被告人の故郷スリランカへも足を運ぶ。事件とはまったく関係ないと思われる被害者の生家、...続きを読む
  • 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 下
    ようやく……ようやく読み終わった!
    長かった。
    非常にボリュームもあり、中身も濃く、読みごたえのあるルポ。
    青い空・白い海の南国リゾート・沖縄なんかひとかけらも出てこない、
    沖縄の闇の部分を深く知ることができる。
    私がもつ陳腐な言葉ではこの本について何を言っても意味がない。
    機会があれば腰を据えて、...続きを読む
  • 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 上
    単行本で読んでるので、ちゃんとしたレビューは全部読み終わった後に。
    でも、上巻だけでも、報道だけでは絶対にわからない沖縄の黒い部分がよくわかる。
    沖縄は単なる犠牲者じゃない、
    犠牲者という枠組みの中に本土がはめ込んでいると教えてくれる一冊。
  • 渋沢家三代
     本書のテーマを見て、最初は「何故渋沢家三代なのか?」と感じたが、本書を読んでよくわかった。著者は、ノンフィクションライターとして「人間が主人公の物語をつむぐことが実にうまい」と思った。
     「渋沢栄一」は有名な人物であるが、本書の「公式伝記」などとは違う側面を赤裸々に描いた内容には実に驚いた。
     財...続きを読む
  • 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 下
     沖縄への旅行前から旅行中にかけて読み耽りました。

     いまや人気の高いリゾート地ですが、沖縄戦線や基地問題の歴史等

     について綿密な取材の元、まとめられています。

     また、尖閣諸島にも触れており、沖縄について深く考えさせられました。