幸田文のレビュー一覧

  • おとうと(新潮文庫)
    文章に人間味が表れていました。
    言葉には出なくても絶えず自分の中に流れてる感情が
    不足なく表されていた。

    弟想いで、いい姉です、げんは。

    家庭内不和とグレる弟がとーてーもー身近でいろいろ思わずにはいられませんでした(^q^)
    でもまだ碧朗はげんに対して素直な一面を見せる。
    それすら羨ましい。
    ...続きを読む
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    親子の繋がりというものはこんなに深いものなのか、と読み終わってため息。
    今の時代…と言っていいのか、そんじょそこらにはない繋がりだと思います。

    私は親をこんな風にして看取ることが出来るだろうか、と考え込んでしまった一冊。
  • きもの(新潮文庫)
    女にとって、着る物ってやっぱり大切ですよね。綺麗であればいいというわけじゃないし、TPOに合わせて、自分の気持ちに合わせて。お祖母さんの着物に対する考え方、生き方が素敵でるつちゃんが教わるように、私も一緒に教わった気がします。気になるのはるつ子の結婚のその後。結婚式当日からうまくいかなさそうな空気で...続きを読む
  • おとうと(新潮文庫)
    私の弟も非行っぽい少年なので大変に共感する部分が多かった。私は主人公のようにできた女の子ではないのでまたちょっと違うのだけれども。
    古きよき時代のお話で、ストーリーの切なさや文体の流麗さ、登場人物の感情描写の細やかさもさることながら、もう今の日本にはない過ぎた時代を眺めることの面白さを感じる。
  • さざなみの日記
     つましいながらもささやかなゆとりのある、母子ふたりの家庭の情景。
     そんな暮らしのなかにも、表題どおり「さざなみ」のような出来事が降りかかるわけですが、自身の自伝のような他の作品に比べると、角がとれて胸の痛む事件はほとんどありません。
     淡々と、賢く堅実。道を踏み外さない日々がいいです。
  • 雀の手帖(新潮文庫)
    私の中で彼女に勝るエッセイストはいねー!と思っています。武田百合子も好きだけどね。今回のものも日常の取り留めのないことを美しくかつ生活感を取り入れながら書いているから素晴らしい!
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    国語のテスト問題で抜粋されていた。
    「この文章、好きだ!」と思った。淡々としているけれど、日本語が美しい。
    内容もおもしろかった。父であり作家であった幸田露伴との思い出を綴る。
    「あとみよそわか」の章、父親から掃除の仕方を習っている場面だったと思う。
    たかが掃除ではない。作者も「掃除の稽古」と書いて...続きを読む
  • 雀の手帖(新潮文庫)
    この方の文章は綺麗ですね。
    文章が上手い、と言うか表現が独特。
    するりするり、と文章に取り込まれていく感覚がなんとも
    上手いなあと唸らされます。擬音も面白い。

    ただ、見開き2Pの文章がつらつらと綴じられているのでいっぺんに読む本じゃあないですね。連載されていたときのように一日一篇づつ読み進...続きを読む
  • 台所のおと みそっかす
    作家 幸田文の随筆や小説を孫である青木奈緒が編んだ一冊。岩波少年文庫として編まれたことに、まずは驚きました。中学時代にこの本と出逢っていたら、また別の読書世界に誘われたでしょう。
    倒木したえぞ松の上に新たなえぞ松が着床し芽吹き育つ様子や、都会の下水道や救急活動を見学するルポ的文章に死生観を感じます。...続きを読む
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    再読しました。幼い頃に父が急死したので、こんな送り方もあるのかと。父子の濃密な関係に羨ましかったり辛かったり。
  • 番茶菓子 現代日本のエッセイ
    私が好きな幸田文^∞^
    古本屋で初版を見つけてうっはうはだった
    初版はレトロな雰囲気でかわいいんです

    何故これかというと、あたしが虫歯で悩んでいるときに、この本に歯医者にまつわる話があったからです
    ただそれだけです笑

    ただ初版は旧字体で読みにくい!
    それだけが難点かな・・・
  • 雀の手帖(新潮文庫)
    日々の生活の中で心に留まった物事を、飾らず丁寧に掘り下げて描いています。言葉遣いも著者の生きていた当時の日常言葉をそのまま使っていたりしていて、独特のリズムがあり、味わい深いです。その時代を生きたという実感を強く感じさせる著者の随想に、心の深い所が揺さぶられます。
  • おとうと(新潮文庫)
    朝日新聞100年読書会課題本。昔、一度読んだのだが、この機会に再読。まずは文章がやわらかく美しい。この文章を綴るまでに、どんなものを読んでいたのだろう。幸田露伴の娘というだけではない、何かがあるのだろう。厳格な父。体の調子が悪く、父と不仲な継母。やや複雑な味気ない家庭で暮らす、姉と弟。年若い姉は学校...続きを読む
  • 雀の手帖(新潮文庫)
    書店で見つけたので購入。
    短編随筆集なのでちょこ読みしやすそう。
    台所に置いて読んでいこうかな。
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    父である幸田露伴との幼少時代の思い出から父の最期のときの思い出までを綴ったエッセイ集です。自分が親になったときに、父、露伴のようにに自分の子供をしつけることが出来るのだろうか。
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    全編通しての美しいリズミカルな日本語が印象深い。

    「父」はすこし読むのがつらい。
    「こんなこと」は、壮年の日の幸田露伴の、文子への折り目正しい家事指南と
    はっちゃけた愛情の注ぎっぷりがまぶしい感じ。

    時々読み返したくなる本。

  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    この人の繊細な言葉選びや描写が好き。『父』と『こんなこと』の二つが入っていて、両方とも著者の父親である幸田露伴について書いてある。
    父親で大作家の本当の末尾までしっかりと書き込まれた私小説。
  • 崩れ
    なんか読みたいなーと思いつつ、あんまり読めない今の私。とりあえず幸田文を購入。このひとの文章を愛してます。
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
     日記作品。明治を代表する人物「幸田露伴」、その寂しい晩年をみまもる娘の日記。だけどとてもみずみずしい。 「みずみずしい」なんて表現はきらいだけど、この文章には「みずみずしい」ってことばがとても似合っている。どの辺りがみずみずしいかって、作者のきもちがころころ変わっていくところ。たとえば死にゆく父を...続きを読む
  • 季節のかたみ
    文さんの季節の感じ方に共感したり、はっとさせられた。いいなぁ、文さんの文章。ページをめくって、季節が巡ると、ワクワクする♪