幸田文のレビュー一覧
-
美しい日本語の中に、力強さがある。
どんな不良になっても、弟はやはり弟である。
おとうとを愛するが故にとってしまう行動、そして生まれる哀しみを身にしみて感じた。
ひとはあたたかい。Posted by ブクログ -
とても丁寧な文章で書かれた随筆です。
幼いときからせまく細く生きてきた、だなんて謙遜だと思った。
四季の移り変わりや、生活のほんの身近なことに目を向けていることのほうが、むしろ視野が広く、おおらかなことではないかと思う。
だから、この文章を読んでいると、心穏やかな、落ち着いた気持ちになれました。Posted by ブクログ -
私にとって初めての幸田文本。情景が浮かぶような美しい文章。とても女性らしい細やかな描写。文章そのものがキラキラ輝いている印象。自分と弟に重ね合わせ、胸が詰まった。古い映画も素敵。Posted by ブクログ
-
幸田文の文章にはほんとうに何度も頷かされるが、今回は特に「夜長ばなし」になるほどなあと思わされた。
・「(映画と違い)物語は耳からはいって眼の底で立体化され、立体化された人物たちはまことに静かにじわっと心の奥へにじみこんでくるのです。話にはスローテムポの浸みこみかたがあっておもしろいものです。」
...続きを読むPosted by ブクログ -
幸田文による〈ちゅんちゅん、ぺちゃくちゃと自分勝手なおしゃべり〉百日の手帖、西日本新聞連載(昭和34年)連日連載百回分。改めて…いやはやお見事!日に一編これほどのものが書けるんだ、でもそれは雀のおしゃべりなんだ……。ほんとうに、今あらためて、つくづく読み返したい。雀つながりで、タイトルからして「動物...続きを読むPosted by ブクログ
-
幸田文さんと言えば、幸田露伴のお嬢さん。 ず~っと昔、幸田露伴の「五重塔」を読んだ直後に、そのお嬢さんである幸田文さんの「父・こんなこと」を読んでみようとしたことがあるのですが、当時の KiKi にはどことなく古臭く感じられる一切合財(特に露伴さんのあれこれ)が何となくうざったくて、なかなか前へと...続きを読むPosted by ブクログ
-
初めて読んだのは中学の時です。難しい話ではないけれど、古い言い回しや物の名前等、分からない部分も結構ありました。
でも時にたゆたい、時に蕩々と流れる文章のリズムが心地よくて。
何度も読み返し、少しずつ腑に落ちて、そのたび味わいが増すように思います。Posted by ブクログ -
淡々としているのにあまりに美しく力強く迫ってくる文章に心がふるえます
読み始めてからずっと感動しっぱなしでした
これが100年前の人の文章なのか あまりの新鮮さに戸惑いますPosted by ブクログ -
この本は幸田文の父、幸田露伴の最期を刻々とつづった作品です。露伴がだんだんと老い衰え病みそして帰らぬ人となるさまを文の書く文章を通して感ずるとき、私は同時に露伴ではなく、私の父との別れを思いました。いずれもう二度と会えなくなるときがくるのだと幹事、切なく胸が苦しくなりました。全くの他人の話なのに不思...続きを読むPosted by ブクログ
-
エッセイ・随筆を読むと、幸田文サンがとてもキチンとした、丁寧な女性だというのが伝わってきました。そして小説を読むと、幸田文サンをとても好きになりました。小説に出てくる人物の丁寧さ、素直さ、暖かさ、姿勢にはハッとなります。Posted by ブクログ
-
見開き1ページのエッセイ。
他愛のないことをどうしてこの人はこういう風に表現できるんだろう。
何回読んでもおもしろいエッセイはそんなにない。
寝る前のお供としてベッドサイドに置いてます。Posted by ブクログ -
弟を中心として家族4人の関係を描く。家族とは良いとか悪いとかではなく、とにかくそこにいるもの
はじめは少しくどい心理描写に退屈するかとも思ったが、文章自体の歯切れが良いのにも救われ、読むにつれ引きこまれた。ストレートで胸に迫るPosted by ブクログ