幸田文のレビュー一覧
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姉と名のつくものは共感して止まない話ではないだろうか。しかも、ちょっと生きるのが下手な弟を持つ身には特に。冒頭の、雨の中傘をささずにぐんぐん歩いて行ってしまう弟の描写からもう引き込まれていった。
ゲンが碧郎を思うときの、可哀想と可愛いが絡み合って、胸がぐっとつまる感じ。いたたまれない。
可哀想に思っ...続きを読むPosted by ブクログ -
文さんの文筆デビューは43歳と比較的遅い。
おそらく当時の読者は文さんに、父・露伴を描いた作品を過度に期待したはず。彼女も当初は随筆で、亡父の面影を公けにしていたが、この小説で“満を持して”自分の家族について世に出した観がある。しかし、世間の期待をわざと少しはぐらかすかのように、主人公は父ではなく、...続きを読むPosted by ブクログ -
「洗いざらい云いつくさせてあげて、そのかたからいやなことばを抜いて、お見送りするんです」姉さんへ語る看護婦の言葉。心しておきます。「持っているだけの悪たいをつかしておあげするのがこの職業」とも。心にささります。脳梗塞で倒れ入院しました。自暴自棄で家族に辛く当たったことがあります。心で詫びながら口から...続きを読むPosted by ブクログ
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NHK番組「グレーテルのかまど」で紹介されていた幸田露伴と幸田文の関係を見て興味を持ち読みました。
露伴が亡くなった時の話から始まり、思い出を回想する形式なので、本全体を通してお父様を懐かしむような寂しさと愛おしさが感じられました。丁度自分の父親の病気が発覚したタイミングで読み進めたため、より一層...続きを読むPosted by ブクログ -
最後でようやくタイトルに合点がいった。
が、あとがきにもあるように、ピーチクパーチクおしゃべりに見えて、学ぶ所は非常に多かったように感じる。
日常のように、取り留めもないこと、と油断していると、大事なことを見落としそうだ。Posted by ブクログ -
いただいたお寿司(それもおそらく巻物)を全部食べられなくて勿体ないからと食べてくれる人を探して右往左往する幸田文さんがこの時代の一般の人の姿だったのか、当時としても珍しいくらいの凛とした方だったのか?凛とした人であることは異論はなくとも、おそらく前者だったのではあろうなぁ。
昭和すら遠くなりにけった...続きを読むPosted by ブクログ -
この作品を読んで、幸田文さんが好きになりました。
だいぶ前に読んだ本なので内容はうろ覚えですが、雰囲気はとても良く覚えています。
いつか読み返そうっと。Posted by ブクログ -
【本の内容】
幸田露伴の死の模様を描いた「父」。
父と娘の日常を生き生きと伝える「こんなこと」。
偉大な父を偲ぶ著者の思いが伝わる記録文学。
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[ POP ]
家事全般に人づきあい、果ては男女のことまでも、あらゆる作法を父・幸田露伴から習ったという著者。
「こんなこと」に書...続きを読むPosted by ブクログ -
潔くってそれでいて懐深い。
日々のこと、まわりのこと、そして思うことをただ書き連ねる。ドラマチックでもなんでもないけど、文才あってできることだ。
強さは、ただ強いってだけではないんだよ。Posted by ブクログ