阿津川辰海のレビュー一覧

  • 入れ子細工の夜
    短編集でも満足!!
    阿津川辰海の本はミステリー好きにはワクワクが止まらない。作中に出てくる本とか、ベタベタな本格ミステリーっぽい演出が好き。
    タイトルになってる入れ子細工の夜がやっぱりいちばんドキドキした、形勢逆転の連続。でも犯人当て入試で自分の回答が大学の正式回答で、「一番ありがちでつまらない」っ...続きを読む
  • 阿津川辰海 読書日記~かくしてミステリー作家は語る〈新鋭奮闘編〉~
    ネットで連載されていた読書日記がまとまった。著者の作品は未読で、他の作家の作品もほとんど読んだことがない。それでも、例えば、ヴァランダーやショーン・ダフィに対する熱量で読ませる。ジャック・リーチャーやハリー・ボッシュのシリーズを「普段づかい」というのは、絶妙な表現。
  • 星詠師の記憶
    特殊設定ミステリって、「何でもあり」にならないために、「普通の」のミステリより、緻密に論理的に、世界の境界条件を定めなくてはならないので、非常に難しいんだなって、改めて。
    最近何かと話題なジャンルだけど、一方で、ラノベ的とか、お花畑とかってバカにした評を聞いたことあるけど、まずは本書を読んでみてから...続きを読む
  • 星詠師の記憶
    最近の作家らしく、本格物と言っても超変化球。
    未来を予測できる人々(星詠師)を中心とした組織内で起きる殺人事件。当然、証拠として未来を予測した動画が犯人を示している…、という凝った設定。

    他の作品と同じく、錯綜した謎が整然と解決されるラストは圧巻だが、あまりにも精緻すぎてややこしいレベル。なんとい...続きを読む
  • ベスト本格ミステリ2018
    小説が10本、評論が1本のテンコ盛りだが、表題の「ベスト本格ミステリ」の名前にはややそぐわない感じだった.特に面白かったのは『透明人間は密室に潜む』だった.内藤謙介・彩子夫妻を軸に透明人間病の話が展開されるが、川路昌正教授が開発しようとしている非透明になれる薬を阻止する彩子の行動が楽しめた.
  • 名探偵は嘘をつかない
    SFが入っているが、話の大きな山が3つも4つも盛り込まれた読み応え抜群の1冊。
    オチはなんとなくわかりやすく、これでもかというくらいにきれいに伏線を拾ってくれるので、初心者にも楽しめるかも。
    なかなかエグい内容ではありつつ、ラストはハッピーエンドっぽく終わるのもよい。
    キャラも個性的でよかった。
  • 非日常の謎 ミステリアンソロジー
    面白かった!
    人が死なないミステリーを求めて勧められて読んでみたけど、確かに人が死なないミステリーになっててよかったです。大抵死んじゃうんですよね、ミステリーって。
    特に好みだったのは凪良ゆうさんのお話。
    城平京さんは、リアタイで虚構推理見てた自分としてはニヤニヤしちゃったけど、原作知らない人からし...続きを読む
  • 新世代ミステリ作家探訪
    既読作家のインタビューは面白く読めたが、それ以外の方のは上滑りする感じで読んだ。しかし、作家さんたちや、書評家の方々は本当に本を読み込んでいるのだなぁと思う。澤村伊智と阿津川辰海は読もうと思っていた作家で、更に早く読まねば、と思った。あと、大学のミステリ研で、ミステリーよりも「ジョジョ」「カイジ」「...続きを読む
  • 非日常の謎 ミステリアンソロジー
    どの作品も、それぞれ趣向が凝らされていて面白かった。特に芦沢央さんの短編には衝撃を受けました。普段は手に取らない人の小説を読めるのがアンソロジーのいい所ですね。

    辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」
    ほろ苦く心温まるストーリー。主人公の不安や苛立ちが丁寧に描かれていて、共感しやすい内容でした。

    凪良ゆう...続きを読む
  • 名探偵は嘘をつかない
    阿津川氏の作品は数作読んで、どれも凝った設定で楽しめた。このデビュー作はなんとなく装丁が子供っぽくて読んでなかったのだが、作品が無くなってきて今回読ませてもらった。

    ジャンルで言えば緻密なロジックで殺人事件の真相を追いかけるわけだから本格モノになるが、この凝った『探偵』と言う職業の設定に始まり、二...続きを読む
  • 新世代ミステリ作家探訪
    言い回しや考え方にそれぞれの個性や人柄を感じられ、同じ本をあげていても視点が違ったりする所があったりしたのが読んでいて楽しめた。
  • 非日常の謎 ミステリアンソロジー
    がっつりミステリーと思い込んでいたら、「日常の謎」の非日常編。いや、そのままなんだけども。タイガお馴染みの作家さんで全部面白かった。すみれ荘は未読なので気になる。九郎先輩出てきたのは嬉しかった。芦沢さんのは何目線で読めばいいの?
  • 非日常の謎 ミステリアンソロジー
    とにかく作家がとても豪華!!さすがにどれもハズレなしで楽しめました。中でも木元さんの「どっち」は女性の裏の顔というか、それこそどっち??私ならそんな疑惑があったら怖くてその先一緒に居れない。城平さんの「これは運命ではない」はたまたま漫画で虚構推理を読んだので九郎が出てきて嬉しかったし、辻堂さんのはお...続きを読む
  • 名探偵は嘘をつかない
    2021年1冊目。
    スピーディーでテンポの良い展開で、600ページ弱を1日で読めた。探偵と密室、本格のセオリーを踏まえつつ、ミラクルも繰り出されて、行き先がわからないジェットコースターのようだった。
    デビュー作でここまで楽しませてもらえるなんてすごい。次も楽しみ。
  • 名探偵は嘘をつかない
     警察庁の補助機関として探偵機関なる組織が存在する世界。その世界における名探偵,阿久津透が,その特殊世界でも初めてとなる探偵弾劾裁判に掛けられる。「探偵機関」,「探偵弾劾裁判」という2つの特殊設定に加え,もう1つS Fじみた特殊な設定として「転生」が加えられる。あるペンダンドを身につけて死ぬと,誰に...続きを読む
  • 名探偵は嘘をつかない
    探偵助手となった女性は、兄を見殺しにしたとその探偵を恨んだ。
    その探偵は、幼少期より探偵としての才能を開花させ、ある事件の容疑者となったのち、潔白を主張。果たして、真犯人xなる人物を創出し、見事無罪となった。
    ところが、その時、取り調べをした刑事は汚名を着せられたため、真実を求めて奔走する。
    果たし...続きを読む
  • ベスト本格ミステリ2018
    様々なアンソロジーで読んだものもあったが、改めて面白い。虚構推理は次から次へと推論が出てきた上で結局は、というのが楽しい。
  • ベスト本格ミステリ2018
    昨年発表された本格ミステリ短編のベスト集。
    同じ趣旨の『ザ・ベストミステリーズ』(こちらは広義のミステリ短編)と比べられがちだが、ここ数年は後者の方がバランスが良くて面白かった。だけど、今作は数年の不振を一掃する位に傑作が揃った。本格好きとして大いに喜ばしい。
    特に大山誠一郎さんの作品は凄い。犯人が...続きを読む
  • 黄土館の殺人
    新作を楽しみにしていました。
    あまり何も考えずに読む私でも犯人は分かってしまった。ただ、いつも思ってしまうのは飛鳥井は性格悪い。助けを求めておいて殺人事件が起こってもその態度?!と。
    偶然が重なりすぎる事やライフルって上手い人はそんなことできるの?と疑問は多々ありましたがなんだかんだ言いつつも楽しめ...続きを読む
  • 蒼海館の殺人
    今度は水没する館。田所が相変わらず「探偵とは」と悩んだり、葛城がウジウジしてるのには辟易したけれど、2作目とあってキャラに愛着も湧きだした。葛城がヒロインすぎて女の子のほうが良かったのでは?と思ったりしたが、彼が目指したのはヒーローだった。

    前作もそこが惜しいなと思っていたのだけど、推理の根拠が乏...続きを読む