母親に愛されたいだけなのに叶わず行き場のない感情を元に幾つものトラブルを引き起こす春男。
「必ず迎えに来る」という言葉を残して、来る気配のない母親からの手紙を健気に待ち続ける静。
体調がなかなか優れず長期入院した母親の健康を祈って四葉のクローバーを集める純助。
恋愛に奔放な母親とアルコール依存症を持
...続きを読むつ怠惰な父親に挟まれ、幼いながら自由と自立を願う研二。
両親を事故で亡くし、自分一人で幸せになることに対して罪悪感を感じてしまうめぐむ。
星の子であることに劣等感を常に感じるきい子。
そして、宛てもなく自己を探しては彷徨い続ける牧男さん。
画面の中で、絵の中で彼らは苦しんで叫んでいた。
どうして自分じゃ駄目なんだろうか、
どうして愛してもらえない、どうすればいい。
外から見たら星の子園そのものが
安全な場所で、愛をもらえる場所で家族なのに。
それは彼らが子どもだからじゃなくて、
親から期待する愛を貰えない全ての人が抱く
願望のようなものだと思う。私もその一人。
幸せな環境に気付いていないわけじゃない、
それでも、それでも家族という血の、
名前の、縁の繋がりを崇高に今日も思う。
最後が、最後だけが本当に曖昧だった。
溢れんばかりの愛情を受けても星の子では
『更生』できなかった春男。
それを、寂しいと思うのは園長の言うように
他人のエゴなのだろうか。そして、
更生は必ずしも正義なのだろうか。
みんなそうして大人になっていく、なんて
あまりにも味気なくてさみしすぎる。
それが、大人になるということなのだろうか。