岡本隆司のレビュー一覧

  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    1725

    262P

    岡本隆司(オカモト タカシ)
    京都府立大学教授。1965年、京都市生まれ。現在、京都府立大学教授。京都大学大学院文学研究科東洋史学博士後期課程満期退学。博士(文学)。宮崎大学助教授を経て、現職。専攻は東洋史・近代アジア史。著書に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会・大平正芳記...続きを読む
  • 悪党たちの中華帝国(新潮選書)
    第一章 「中華帝国」のあけぼの 大唐帝国
    1 唐の太宗 名君はつくられる
    2 安禄山 「逆臣」か「聖人」か

    第二章 カオスの帝国 五代
    3 馮道(ふうどう) 無節操の時代
    4 後周の世宗 最後の仏敵

    第三章 最強の最小帝国 宋
    5 王安石 「拗ね者宰相」
    6 朱子 封建主義を招いた「道学者先生」...続きを読む
  • 近代日本の中国観 石橋湛山・内藤湖南から谷川道雄まで
    内藤湖南を軸に戦前戦後の知識人の中国観を辿る本書のモチーフは、彼らの中国へのアプローチが、意識的にせよ無意識的にせよ、いかに西欧的な枠組みにとらわれていたかという問題意識である。それは西欧の物差しではかった自己の理想像を中国に投影してきた結果でもある。西欧が我々の到達すべき理想であるならば、中国は克...続きを読む
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    日本は客観的にみてどうだったのかがわかる。
    島国発展遅い。文字を使うようになったのは6世紀ごろかぁ。いまもIT化もろもろで遅れをとっている。

    日本が中国をコピーし、中国が日本をコピーする。

    日本がバルブ崩壊後、中国もコロナ後くらいに崩壊している。日本もかつて鎖国をしたが、中国も情報を遮断している...続きを読む
  • 「中国」の形成 現代への展望
    ようやく五冊目終わり。「大分岐」でなぜアジアがヨーロッパに遅れをとったように見えるのかに興味がある。思っていたより中国は多元で、それを一元化しようとしているのが今の中国なのだと理解した。
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    一般大衆のために分かりやすく書かれていて、ありがたかった。娯楽として歴史を楽しむのに最高の本。

    人々の生活は、環境によって大きく変わるんだなと思えた。
    農耕民⇔遊牧民、気温の急激な変化、大事。
    宗教、金、権力などだんだん複雑化していく...。

    ギリシャ・ローマ→中国→日本の順番で新しいものが来た...続きを読む
  • 中国の論理 歴史から解き明かす
    中華思想の源流が孔子の教えにあること、史書や科挙を通じてより強固かつ偏狭に固められたこと。非常に納得感のある解説。
  • 曾国藩 「英雄」と中国史
    「曾国藩 英雄と中国史」岡本隆司/岩波新書/2022年/880円/卒読。2億弱だった人口の7000万人が死んだ14年続いた内戦-太平天国の乱を清朝側から指揮した政治家。清末の科挙制度、清朝内部、西洋からの侵略と交渉、内戦の発生から終焉まで書かれていて面白かった。袁世凱と李鴻章も読みたくなった。
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    オーディブルで聞いた2冊目の本。
    高校で習った世界史は部分ばかりでつまらなかったが、世界の繋がりを意識できて、面白かった。2.5倍速で聞いたら、速すぎたので、眼でも読み直したい。
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    コンパクトにまとめたが故に、見えてきたものが興味深い。日本列島という地理的条件下にある日本人たちの学習の軌跡とも言える。

    中国や朝鮮と対比すると明確なのは、支配が隅々まで行き届いたまとまった社会であり続けた。特に戦国時代以降その傾向が強まった。
    一方中国は清の時代に下層の人口が膨れ上がった。社会の...続きを読む
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    今では政治的にも経済的にも不可分な日本と中国。
    ただその関係は常に複雑で、私自身は妙な「しこり」を感じていましたが、本書によって、しこりは大いに小さくなりました。
    日本史・世界史と二分化し、学校教育の中でも不人気になりがちな学問も、このように整理されれば、とても面白く学べると思うのですが…
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    日本の歴史を大変緩やかに大きな時間軸で捉える良書。

    冷静に、日本国民が広く西洋を意識し出したのは、江戸時代後半の蘭学以降の、ここ最近のことだし、それが急激に強まったのは、第二次世界大戦以降のアメリカの属国になってのことだ。

    地政学的には、中国・朝鮮半島・沖縄の方が死活的に重要なのは言うまでもなく...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    人名はあまり出てこず、政治体制や経済などについて書かれている。中国史は一応知っているつもりだが、本書のような見方に出会い、目から鱗が落ちた。元を評価していておもしろい。本来中国は多元的な世界だったと。清のくだりは少なかったが、おもしろかった。
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    アジアの東西は繋がって、寒冷化・温暖化→農業生産性の増減、民族の移動を同様に繰り返し社会構造が変化。中央アジアの遊牧民が中国の歴史の重大なプレーヤー。モンゴルの力ではなく商業的交流によるグローバリゼーション。次は逆張りの明の漢民族純化。清の超小さな政府。南北の差から東西の差へ。地域分業・地域割...続きを読む
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    非常に面白い。中国史と相対化されていることで、日本の形成され方、特徴がより立体的に見えてくる。細かい差異にこだわらず、ざくっと大きく時代をくくっているのもいい。歴史の流れに集中して理解できる。
  • 中国の論理 歴史から解き明かす
    漢字を使い、その他文化も一見日本に似ているように見える中国だが、実際は全く違う論理をもとに動く国である。その論理を歴史から解き明かそうというもの。
    まずは史学から始まる。儒教は諸子百家の一つだったが前漢時代に勢力を広げて一種の国教となった
    中庸を重んじるように常識的であるため、一定以上の合理主義が育...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    黄河文明から現代までの中国史を大掴みできる良書。
    明朝を契機とする多元化と官民の乖離が、現代中国まで及ぶ構造的課題であると理解した。そして、漢人・満洲人・モンゴル・チベット・ムスリムそれぞれの在地在来システムをほぼそのまま活かして統治を行う、清朝の「因俗而治」というのはなかなかの知恵だったのだと思う...続きを読む
  • 腐敗と格差の中国史
    宋のあたりから構造的に!続いてきた格差と腐敗であれば、そんなに簡単には片付かないのも納得ではある。でも、それでうっかり納得しているわけにもいかないのがスマホを持った民衆ではあろう。スマホはどっちに向かって効くんだろうか。国民総背番号制と行儀のよい中国人というのは、数百年ぶりの解かも。さて、そうなると...続きを読む
  • 「中国」の形成 現代への展望
    清朝から現代へ。「清朝なかりせば、東アジアの多元勢力をとりまとめ、平和と反映をもたらす事業はかなわなかった。」しかし、清朝滅亡後、中国の一体化に向かって突き進むが、「一つの中国」は実現せず、多元共存にも程遠い。今の中国は混迷の只中にあることがよくわかる。
  • 「中国」の形成 現代への展望
    p105の図が衝撃的。私たちが「国家」というと、近代の国民国家を想定してしまうが、清が達成した盛世はそれとは全く違った社会であることがわかる。未だに、明が直面した課題に中国は格闘し続けているのだなぁと掴むことが出来た。清の「成功」は、「因俗而治」で、緩く統合することに成功し、平和を達成したこと。そこ...続きを読む