岡本隆司のレビュー一覧

  • 腐敗と格差の中国史
    唐宋変革というのが単に君主独裁制への変化でなく、士と民、官と吏の二層社会への分化ということがわかりやすく書いてある。
    国民国家というモデルに向けて近代中国は努力してきたようだが、この広大かつ多数の人民を掌握できるのか。
    むしろ弊害を除きつつ中国モデルを作るのが妥当な気がする。
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    日本の歴史を中国との歴史との関連という点から捉えた一冊。本書の目的は中国史・世界史のひろがりの中で、日本とその歴史を体系的に捉えなおすこと、著者も述べています。
    歴史をいろいろな視点から見ることのできる本は積極的に読もうと思っていますが、これもその一環です。
    日本にとって中国は、古代から大きな影響を...続きを読む
  • 李鴻章 東アジアの近代
    蒼穹の昴を読んで李鴻章に興味を持った。

    李鴻章といえば歴史の授業では日清戦争後の下関条約の全権だった、くらいの知識しかなかった。
    しかしその生涯は実に数奇なもので、斜陽の清王朝時代に生まれ、沈みゆく大国の舵取りを外交面でなんとか支えていた人物と言える。

    彼のキャリアは太平天国の乱の鎮圧に始まり、...続きを読む
  • サクッとわかる ビジネス教養  中国近現代史
    清王朝から現代まで、イラスト入りでわかりやすく解説されている。中華思想がキーワードとなっている。天津条約や、日中修好通規など不平等条約について、朝貢体制をしいていた清朝からは、押し付けではなく、ことをおさめる手段と考えられていたというのが驚いた。
  • 悪党たちの中華帝国(新潮選書)
    思い出しました。
    大英帝国もそうでしたが、筆者は講談調で書いているように思いました。漢字の使い方も、表現も少し捻っているというか、独特です。好き嫌いもあると思います。
  • 曾国藩 「英雄」と中国史
    湘軍を率いて太平天国の乱を平定したことで知られ、世界史の教科書にも載っている曾国藩の評伝。
    傑物ではあるが、失敗もし、地味で真面目な曾国藩の等身大の生涯を実証的に、かつ洗練された筆致で綴っている。世界史の教科書ではあっさりとした記述であるが、曾国藩の湘軍が太平天国軍を破るまでに、かなりの一進一退の攻...続きを読む
  • 曾国藩 「英雄」と中国史
    太平天国の乱を鎮圧した人物として知られる人物だけど、その事実しか知らなかった。軍人だと思っていたし、その後の軍閥に繋がっていく人なのかな、と。
    てんで違うのですね。科挙にも合格している高級官僚だし、そも実戦で直接指揮して勝ったことがない。江南の漢の人だったのですね。そして李鴻章の上司でもあった。近代...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    かなりおもしろかった!!
    中国史を何一つ知らないので、全てにおいてなるほど〜!と思えて好奇心が満たされた…。
    歴史的出来事を羅列していくのではなく、気候や西洋・日本の動き、世界情勢と絡めて広い視野で話が進んでいくためとても面白いし分かりやすい。中国はその領土の広さゆえ、東西南北で格差が生じ多元化・複...続きを読む
  • サクッとわかる ビジネス教養  中国近現代史
    アヘン戦争から現在までの中国の歴史を初心者にも分かりやすく書かれていると思います。アヘン戦争や太平天国の乱、アロー戦争、第一次国共合作などの単語は知っているが実際どのようなものか簡単に説明することが出来ませんでしたが、この本を読んで大まかなことは理解出来ました。
    しかし中国史をある程度学習してき...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    地球の寒冷期に中国も欧州も乱世となり、存亡掛けた戦いに全てが投じられるため一般人の生活もテクノロジーの進化も停滞するという。つまり寒冷期に文明が後退するという主張だ。一方で温暖期は食料が満たされ、政権も比較的安定し、生活の安定がテクノロジーの発展に寄与しやすいという。

    ーーでは現代はどう見ればよい...続きを読む
  • 袁世凱 現代中国の出発
    辛亥革命で清を裏切り臨時総統となる節操のない権謀術数、俗物政治家というのが当時の日本人が持った袁世凱のイメージ。梟雄、マキャベリストという印象を持たれる。
    清朝の名門出身。科挙は受からず。軍で朝鮮半島の反乱壬午変乱の鎮圧に従事。
    西太后が死に宣統帝溥儀即位後、軍政から放逐される。辛亥革命で各省が独立...続きを読む
  • 世界史序説 ──アジア史から一望する
    アジアから見た世界史、あるいは西洋にある意味簒奪されたアジアの歴史を改めて世界史として語り直す。歴史についての知識が少なすぎて、半分も理解できてないけど、刺激的だった。
  • 腐敗と格差の中国史
    中国の腐敗と格差について、制度的の歴史から考える。
    わかりやすい言葉で書かれていた。
    私は公務員なので、現在の日本の形や組織についてと比較しながら読めて、非常に興味深かった。
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    日本が中国から影響を受けているのはそうだよなという感じだったが、近代になって日本が中国に与えた影響もあるというのが興味深かった。国民や憲法という言葉は、西洋から日本経由で中国で広まったらしい。
    日本はもともと為政者と一般ピープルの壁があまりなく、中国は完全に分断されてたから国民国家の目覚めも日本の方...続きを読む
  • 教養としての「中国史」の読み方
    統一と分裂、異民族支配が織りなす中国の歴史はダイナミズムがわかりやすく解説されています。
    中国との付き合い方について考えさせられる一冊です。
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    前著「世界史とつなげて学ぶ中国全史」が面白かったので、読んでみた。

    最近、昭和史の本を読んで、どうして日本は中国や米国との戦争に向かったのかというところを学んでいて、一つ一つの事件に含まれるなかなかに現実の複雑性を味わっているところで、いわばかなりミクロの視点を見ていたところ。

    で、この本は、「...続きを読む
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    <目次>
    まえがき
    第1章   日本史は中国の”コピー”から始まった…【古代~平安時代】
    第2章   アジア・システムからの離脱…【平安時代~鎌倉時代】
    第3章   「日本全体が入れ替わった」時代…【室町時代~戦国時代】
    第4章   「国家」の成立…【江戸時代~元禄・享保時代】
    第5章   「凝集」...続きを読む
  • 歴史とはなにか
    中国史とオスマン帝国史との比較の視点から、日本とはどんな国で、どんな歴史を歩んできて、そしてこれから歩んでいくのか、という、ものすごくスケールの大きな対談が展開されている。これを消化するにはあと数回は読まなければならないなと感じた。良い本。
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    おおむね、序盤1/3が奈良時代から江戸時代まで、中盤の1/3が江戸時代、終盤1/3が明治から第二次大戦まで
    細かい知識の羅列はなく、著者の考えが分かりやすく展開されているので、読みやすい

    序盤1/3の記述はあっさり 遣隋使、遣唐使を通じて中国の知見を積極的に取り入れてたんじゃないの? 日本の仏教文...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    遊牧民族と農耕民族との関係を軸に、中国の歴史を俯瞰する
    大学受験の時に勉強した事件や制度の名前、人物名の説明が少ないので、大まかな流れは分かり易い 受験勉強とは全く違う視点で中国史を理解できる気がして、とても面白かった

    宋代の三大発明とそのヨーロッパにおける影響は、有名すぎてあえて外したのか?

    ...続きを読む