岡本隆司のレビュー一覧
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単なる嫌中本とは一線を画す労作。中国近代化の過程で伝統的な中国の観念がどのように変容したか、あるいはしなかったか、という点が類書にはない点と思います。中国と付き合う上では必読。Posted by ブクログ
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古代から日中戦争まで両国はどのような関係にあったのかを辿る。歴史を知ったうえで両国関係を認識する必要がある。
好き嫌いといった感情論だけで語るべきではない。教養を身につける意味でも良書と思う。Posted by ブクログ -
予想外に面白かったな。
中国という国のようで国でなはい文明を理解するのに、歴史を辿るのは正しい視点だろう。中国の歴史を勉強してきた人には当たり前のことかもしれないが、なるほど感がある。
なぜ中華思想なんてものが生まれて、社会主義市場経済なんてものが成立するのか。
日本て、本当に怖いところにあるよ。Posted by ブクログ -
非常にわかりやすい。
中国の立場から歴史をひもといてみれば、現在の中国の有りようがよくわかる。
西洋的尺度で見ると、中国は巨大なガラパゴスであって、現在でもそれは色濃く残っている。Posted by ブクログ -
著者の岡本隆司氏は、中国近代史を専門とする歴史学者。
我々日本人にとって一見不可解な中国(人)の思考・発言・行動に通底している論理について、「いわゆる理屈のこね方・論理のパターンは、一朝一夕にはできあがらない。時間をかけて身に染みついた、いわば歴史的な所産である。目前にあらわれる言動から観察するより...続きを読むPosted by ブクログ -
袁世凱という人物については当然あまり良い印象がなかったのだが、この本を読んで好き嫌いは別に中国現代史の「鑑」であることがよくわかった。つまり、本書は袁世凱その人の評伝というよりは、袁世凱を通じて見た激動の中国現代史の本であり、非常に面白い本だということ。勉強になった。
2箇所、キャスティングボート...続きを読むPosted by ブクログ -
100年前の1914/5/9袁世凱政権は対華21ヶ条要求を受け入れた。袁世凱はこの弱腰な態度に加えその翌年に自ら皇帝になろうとしたことなどから中国でも嫌われている。著者の岡本氏にしてから「まだ若いころ、少し知って、嫌いになり、立ち入って調べて、いよいよ嫌いになった。」と述べている。
当時の日本から...続きを読むPosted by ブクログ -
日中関係が難しい局面にある現在において、過去の日中関係を振り返り、中国に対する「完全な認識」を得ようとすることは意義あることであると思われる。その点で、本書は、古代から近代までの日中関係の歴史を大局的に把握できる良書である。ただし、本書ではあえて1920年代以降の日中関係に触れていないので、その部分...続きを読むPosted by ブクログ
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袁世凱というと、辛亥革命の結果を簒奪したということぐらいの知識しかありませんでしたが、彼がどのようにしてその権力を握るに至ったかの過程を知ることが出来て面白かったです。
もう少し、袁世凱という人物の性格まで掘り下げて知りたかったという点でマイナス1点ですが、新書という形式上これ以上のページ数は難しい...続きを読むPosted by ブクログ -
袁世凱を通した清末民国初期史として非常に秀逸。文章も格調高い。中国での中央と地方のせめぎ合いという現代にもつながる問題がよくわかった。ただ、実直な官僚だったという著者の指摘にはうなずくものの、袁世凱自身が結局どういう人物だったのかというのはあまりよく伝わってこなかったという読後感ももった。Posted by ブクログ
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東アジアの国際政治を朝鮮半島を中心とした視点で解説した本。冒頭は16世紀の明朝との朝貢に基づく宗属関係の解説。従来は「夷狄」であった北方民族による清朝が成立したあとの清との関係を詳述。さらにロシアの南下、日本の大陸進出により、清・ロ・日のせめぎ合いの中心には常に朝鮮半島があったことが書かれている。ま...続きを読むPosted by ブクログ
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近代世界に入る清朝の困難な舵取りをした政治家・李鴻章(1823-1901).旧式の科挙官僚だった彼は,太平天国の平定に貢献することで実務官僚の第一人者に登りつめ,「洋務」と「海防」を主導する.そして外国列強と渡り合うも,敗北を強いられる.清朝末期の時代と社会とともにその生涯を描き出す評伝.Posted by ブクログ
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李鴻章を通じて清末を記した一冊。
清朝から見た対外、対内政策が分かりやすくまとめられており、
当時李鴻章が果たした役割の大きさに驚かされる。
特に明治維新時の対日観、日清修好条規に込められた狙いなど
大変興味深く、視点の高さを感じた。Posted by ブクログ -
朝鮮と清朝の関係は陸続きで国境を接しているだけに微妙である。隣国とはいえ我が国と両国との関係とは大差がある。
朝鮮王朝が清朝に対していかに苦労したかが見えるようにわかった。「属国自主」を掲げ、朝鮮は清に対して儀礼的朝貢はする「属国」であるが、政治的には「自主」であることを貫こうとする。それに対し...続きを読むPosted by ブクログ -
動乱の清朝末の大政治家で、日清戦争後の講和条約の全権大使をはじめ、この時期のほぼ全ての対外交渉に関わり欧米列強からは「世界稀有の一大人物」とも称されたという李鴻章について。時代背景を丹念に書き込みながらも論点がすっきり整理されており、著者の語りの巧さとともに読ませる本だけれど、どちらかというと人物そ...続きを読むPosted by ブクログ
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高校までの歴史授業で必ず暗記する名前ですが、実態はいまいち知られていない李鴻章。そんな彼の伝記です。
「日本史」の中で下関条約の全権大使として名前が登場する彼ですが、「世界史」における清末の重大事件にことごとく関わっている彼の業績をたどると衰退したとはいえ広大な領土を統治していた清のパワーの内実が...続きを読むPosted by ブクログ -
岡本隆司『李鴻章』(岩波新書 1340)
李鴻章の伝記的な本。
知っているようで知らない(二人目 笑)李鴻章の本です。
日本の近現代史を勉強していると、否が応でも目に入ってくる人ですが、どういう人物なのかはまったくといっていいほど知りませんでした。
日中近代史を少し囓った事もあり、新書な...続きを読むPosted by ブクログ -
●内容
・京都府立大准教授の歴史家による評伝
・李鴻章は清代末期の中国の政治家で、外交と海防の実力者。
著者はかれを“落日の孤臣”とし、中央の西太后による院政「垂簾聴政」と、地方軍閥への権限委譲「督撫 重権」を噛み合わせ、安定に導いたと評価。一方で、彼が権勢を失うにしたがって、中央と地方との対立が...続きを読むPosted by ブクログ