岡本隆司のレビュー一覧

  • 近代中国史
    Ⅰ.ステージ、Ⅱ.アクター、Ⅲ.パフォーマンス、Ⅳ.モダニゼーション の四部構成で中国社会の環境、社会構造、そして明清代の「伝統経済」の実態、最後になぜ中国の近代化がヨーロッパや日本と異なる形になっていき、今日の中国社会を形成していったかについての展望が示される。

    全体を通じて「官と民」、「士と...続きを読む
  • 李鴻章 東アジアの近代
    明治初期の東アジア情勢を説明するとき、常に朝鮮半島や琉球をバッファーゾーンとすべく立ち振る舞う日本の観点から見ることが多い。その一方で本書は朝鮮半島や琉球を清から奪う日本という形で、李鴻章から見た東アジアの姿を描く。
    そこには日清で条約を結びながらも、一方的に琉球を編入し台湾に軍事動員をする倭寇のよ...続きを読む
  • 近代中国史
    少々堅苦しく言えば、大変勉強になりました、という本です。でも、表現や記述はそれ程堅苦しくありません。「近代中国史」という表題ですが、近代中国経済史の観点から整理した中国社会構造の変遷と近代化の特質、とでも言ったような内容です。商業が古くから発達していたにもかかわらず、自然条件、地理的条件に制約された...続きを読む
  • 李鴻章 東アジアの近代
    清代、清末の中国を知らねば、現代の中国を理解することは不可能である。そして、その時代の巨人、李鴻章その人を知ることは、東アジアの近代を理解するに不可欠である。本書は新書というコンパクトな書物ながら、この李鴻章という知られざる巨人の生涯を辿りながら、中国が近代化の道を歩み始めた19世紀後半の東アジア世...続きを読む
  • 物語 江南の歴史 もうひとつの中国史
    中国の歴史は長く、地域も広い。
    “江南”という地域を限定しても、やはり通史概論的にならざるを得ない。

    この本では、現在の地名でおもに「四川」「江蘇 安微 広西 浙江」「福建 広東」「湖北 湖南」の四つの地域でまとめてある。
    その為か何度も同じ時代が地域を替えて出てくるなど、なかなか読み込みに力がい...続きを読む
  • サクッとわかる ビジネス教養  中国近現代史
    アヘン戦争から現代までの中国の歴史を、イラスト付きでタイトル通りサクッと160ページ程度でまとめている。

    先日読んだ「AI監獄ウイグル」や今読んでいる「三体」を読む上で中国の近現代史を知っておきたいと思い手に取った本。

    現代も続く思想の背景などの説明もあり、分かりやすかった。大まかな流れは知るこ...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    中国の地域で数多くの国の栄枯盛衰があり、次第に現代の中国が形成されていく過程を追うのが面白い。塩、茶。中国の名の由来。
  • 悪党たちの中華帝国(新潮選書)
    隋唐から中華民国までの「中華帝国」史上、ほぼ同じ時代ごとに6組の「対」、12名の「悪党」というべき人物を取り上げ、その「悪党」ぶりを検討し、それぞれの人物像を描きなおすとともに、「中華帝国」を構成する時代相の見直しも試みる。具体的に取り上げられる「悪党」は、唐の太宗、安禄山、馮道、後周の世宗、王安石...続きを読む
  • 物語 江南の歴史 もうひとつの中国史
    漢民族の目は概して北に向いていた。太古の長城の時代からソ連との対立の時代まで。

    しかしソ連は解体し、ロシアもライバルからパートナーへと力が落ちて来た(=中国が強大化した)事により、ここ30年の間にすっかり南方(江南)が中華となった感がある。沿岸部の経済発展然り、香港・澳門の返還然り、台湾への攻勢然...続きを読む
  • サクッとわかる ビジネス教養  中国近現代史
    サクッと、基本的なこと、基本的な流れは理解できる。
    普通の社会人として、とりあえず十分といえるくらいの知識は得られたので満足。
  • 物語 江南の歴史 もうひとつの中国史
    中国の歌やゲームで江南を題材にしたものがあり、江南は特別な場所であるという認識をしていた。江南だけに焦点を本は日本には少ないと個人的に思っていたため、本著にとても興味があった。

    結果的にやはり、中公新書のこの著者の本は、一般大衆向けではないように感じた。まあそれは当然のことかもしれない。中国の首都...続きを読む
  • 李鴻章 東アジアの近代
    清末の政治家である李鴻章を描いた歴史書である。個人がタイトルになっているが、個人の頑張りよりも李鴻章が活躍する背景となった清末の社会情勢に着目している。

    清末は皇帝の個性よりも李鴻章ら臣下の存在が重要になる。それは清末の皇帝が能力的に劣ることを意味しない。人口の増大や経済の拡大によって皇帝の個人的...続きを読む
  • 中国の論理 歴史から解き明かす
    中国人の考え方を探るための入りが儒教。
    史記や正史などが出てくるけど、そういった歴史的書物の微妙な違いや位置付け、定義などを読み誤ると置いてけぼりになる...。
    中国人と円滑に接するために、そういう考えのアプローチの仕方もあると思っておくことにする。
    学者的なアプローチ。
    考えてから行動するタイプに...続きを読む
  • 教養としての「中国史」の読み方
    歴史を通じて中国を理解するものになっています。
    なぜ中国は一党独裁なのかもこの本読む理解できますし、実は日本の漢字が中国に逆輸入されたというのも驚きました。
    中国を理解することは結局、韓国の理解にもつながりますので、今後を日中韓の関係を考えるうえでも良書だと思います。
    さらにこの本の考えをベースに中...続きを読む
  • 国際平和を歴史的に考える
    国際平和をヨーロッパを中心とした時間軸とアジア史と比較した文化軸で解説。講演が基になっており、平易な口頭文で書き下ろされているのでわかりやすい。
    しかもYou Tubeで講演動画も公開中。本を読んでから動画を聞くと内容がより頭に入ってくる気がする。素晴らしいサービスだと思う。
  • 世界史序説 ──アジア史から一望する
    日本の歴史は東アジアよりも西欧の歴史に近似。封建制。日本は儒教を学問として受け入れたが、中国・朝鮮のように体制教学とはならなかった。戦国の下剋上により、下層から成りあがった領主たちが、僧侶・公家など旧来エリートを排撃し、軍事・政治を独占した。織豊から江戸初期にかけて仏教の従属化とキリシタン禁圧により...続きを読む
  • 日中関係史 「政冷経熱」の千五百年
    日中の歴史を、双方の視点から描いた一冊。

    特筆すべき内容はないものの、極力客観的に分析してた。
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史
    以前から日本史を理解するには、中国史との関係を探るのが一番ではと思っていて、この本のタイトルを見た時、これが求めていた本だと思った。
    古代から近世までの中国王朝と日本の関係は想定内だったが、何より今まで脈々と続く、近代日本と中国の関係こそ、この本の真骨頂と言える。
    国民国家になる素性を持っていた島国...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    「あなたは中国が好きですか?」

    この質問に答えづらい日本人は多いのではないだろうか…
    中国の歴史や多くの遺産に魅力的なものが多いのも事実なのだが、実際感情面ではどうだろうか
    しかしながら中国はもはや国際社会の中で避けて通れない大国である
    どこかの政治家のセリフじゃないが日本は中国から離れるために引...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    我々は西洋の価値観で中国を見てしまうので、彼らの言動に違和感を感じてしまう事があるが、中国には中国なりの歴史に基づく価値観があることを理解しておく必要がある。
    島国の日本とは異なり、大陸の一部である中国は、絶えず他民族からの影響を受け続けながら、これまで成り立ってきたということを知る事ができた。