岡本隆司のレビュー一覧

  • 「中国」の形成 現代への展望
    清の時代を中心に多元共存のシステムから「中国」としての一体化をめざす現代までを描いている。
    多元共存の国家の方が理想的に思えるけど、それがダメで清は潰えたわけだし。国の力を高めるには一体化なんだろうけど、今の中国の外交政策をみてると何だかなぁ。
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    気候の変化や、経済の裏付けと絡めた説明が分かりやすい。
    中国史の流れがよく理解出来た。平易かつコンパクトで読みやすい。
  • サクッとわかる ビジネス教養  中国近現代史
    カラーで絵もついてて分かりやすい。時代順に一つの事件や出来事だけを説明するのでは無く、流れや繋がりをひとまとめにして説明されていた。初めて中国史に触れたけどすんなり頭に入って面白かった。
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    引用元に不確かなものがあったり、解釈が作者の主観によるものが多い点が気になるが、中国史を西洋からみた視点ではなく、中国人が考える歴史として読み解ける良書。

    以下メモ。
    特に気候と、経済の視点から人口の増減、時の王朝の興亡に紐付けていく考え方は非常に面白い。
    気候変動により、漢の滅亡。遊牧民の南下。...続きを読む
  • 歴史で読む中国の不可解
    現代中国を理解するためには歴史理解が不可欠であるという観点から、沖縄領有権の主張の根拠、「反日」の起源、権力と腐敗の構造、国内の民族対立問題、そして最後に「「失敗の研究」としての日清戦争」などが論じられる。個人的には中国社会とテクノロジーとの相性の悪さを論じた部分(p.139-148)およびそれに関...続きを読む
  • 中国の論理 歴史から解き明かす
    中国史の概説を通して、現代中国の振りかざす論理を説明しよう、という内容の本。古代から話が始まるので、非常に持って長々とした展開になるが、原因が過去にある以上、そうならざるを得ない。最後まで読めば、納得のいく結論になっているはず。
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    ユーラシアでは、農耕をしながら定住する湿潤地域の人々と、草原を移動しつつ牧畜をする乾燥地域の人々で二分された。
    →この人々が混じり合う場所で、文明が発達した。
    また、文明が発達し、人々が交流すると契約が生じる→文字の出現

    中華とは、中心地、センターの意味。その外には朝貢国がいて、外側に行くにつれて...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    これからの国際関係を考えるにあたって、最重要の国ともいえる中国について、ひとまず歴史をざっくり俯瞰しとこうと思って読んだが、これはこれまでにない視点な感じがして面白かった。

    どこが新しいかというと、
    ・世界史全体のなかでの中国
    ・気候変動とそれにともなう放牧や農業地域の変化
    という大きなフレームの...続きを読む
  • 東アジアの論理 日中韓の歴史から読み解く
    日中・日韓の摩擦は歴史問題が絡むだけに難しいものだが、戦後70年以上たっても未だ尾を引いている現状を見るにつけ、外交論理のみではなく国民文化の違いに眼を向けざるを得ないと思っていたが、本書はそこをわかりやすく教えてくれている。
    一般向けの新書にしてはちょっと文章が硬い様にも思えるが、中韓の国民論理が...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    ・「明朝で官民乖離」(つまり行政の目が民間まで行き届いていない。権力が下まで浸透していない。)
    →以後の中国社会はずっとそう。(清朝で乖離拡大、日中戦争期の共産党で初めて権力が基層社会にまで浸透)

    ・「〜だと思う」等の言い方が多く、「それはあなたの意見??出典はあるの???」と思うことが多かったが...続きを読む
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史
    世界史の本に引き続き中国史の入門書を
    読んでみました。

    『一つの中国』『中華思想』というイメージが
    今の中国からは強く感じられますが
    この本を読んで、多様性国家・多民族国家・官民離反
    政治・経済・軍事・文化がそれぞれ統一されていない
    バックボーンを知り。
    なんとなく、中国の人の行動や政府の行動が
    ...続きを読む
  • 中国の論理 歴史から解き明かす
    歴史的アプローチから、一筋縄ではいかない中国の「論理」、すなわち理屈のこね方を考察。
    本書の中で特に、中国が西洋化を受け入れる過程においてみられた「附会」という「論理」の指摘が、初めて知ったことで、非常に興味深かった。「附会」とはひらたくいえば「こじつけ」の意味であり、西洋が中国と「異なる」とすれば...続きを読む
  • 李鴻章 東アジアの近代
    エピローグにある、旧式科挙官僚から実務官僚の第一人者にのぼりつめ、洋務の総帥として海防を主導し列強と渡り合う中で生涯を終えた、が李鴻章の一生を体現している。19世紀の中国を代表する政治家であることは間違いない。
  • 袁世凱 現代中国の出発
    反革命、皇帝を僭称したと何かと嫌われる袁世凱。彼の再評価 の動きもあるようだ。
    北洋軍の一員から始まり、朝鮮、天津とキャリアを積み上げていく。北洋軍の軍事力を背景に李鴻章に代わる実力者としてキャステイングボートを握る立場までのし上がる。ただ、清末・共和国草創期の混乱からすれば彼もまた時代の波に飲まれ...続きを読む
  • 近代日本の中国観 石橋湛山・内藤湖南から谷川道雄まで
    いま現在の中国理解を深めるためにも、困難な日中関係に苦悩し、中国をみつめつづけた(近代日本の)先人たちがどう中国を認識してきたかを探ってみることが重要との問題意識から、石橋湛山、矢野仁一、内藤湖南、橘樸、谷川道雄などを取り上げ、その著作を引用紹介しつつ、彼らの中国観を批判的に検討している。
    石橋湛山...続きを読む
  • 世界史序説 ──アジア史から一望する
    20190325〜0412 傍らに世界地図を置きながら読むとよいかも。頭の中の世界史地図が半回転位したような感覚で読んでいた。ソグディアナやイスファハンという地名を聞くとシルクロードシリーズ(漫画もNHKスぺも)を読み返したくなる。
  • 近代中国史
    中国史を専門とする学者による近代中国史についてまとめたもの。緻密な研究に基づく詳細な記述がなされている。特に統治や経済のシステムの分析は詳しく、説得力がある。極めて論理的かつ学術的な良書。
    「(日本に比べれば)中国は行政上の都市化率がはるかに低い。つまり権力のコントロールがゆきとどいていないのであ...続きを読む
  • 叢書 東アジアの近現代史 第3巻 日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか
    「叢書 東アジアの近現代史」の第3巻。江戸時代の日朝関係史を中心に16世紀末から20世紀初頭にかけての時期を対象として、日本人の朝鮮観がどのように現れ、推移してきたかを叙述。日本人の朝鮮観を固定的なものとして捉えるのではなく変化する(忘却されて再発見される)ものとして把握し、また地域的な偏差をともな...続きを読む
  • 叢書 東アジアの近現代史 第2巻 対立と共存の日中関係史――共和国としての中国
    「叢書 東アジアの近現代史」の第2巻である本書は、1904年の日露戦争直前から1972年の日中国交正常化直後までの日中関係が対立と緊張の関係にあった約70年間を対象とし、日中対立あるいは日中没交渉ととらえられがちなこの時期の中国史を憲法と憲政を補助線にした共和国の歴史として描き直すことを意図している...続きを読む
  • 叢書 東アジアの近現代史 第2巻 対立と共存の日中関係史――共和国としての中国
    徳治から法治、仁政から憲政へと、中国が近代国家を模索しながらも、結局成し得ていない歴史を辿っています。
    結局向かうべき方向が、共産党独裁という違った方向に行ってしまいましたが、西洋的憲政というのは、元々根付かないお国柄だったのでしょうか。
    一枚岩でない中国の歴史は複雑ですね。