吉本隆明のレビュー一覧

  • 家族のゆくえ
    もしも将来、自分が子どもを授かることがあったのなら、本当に、心から愛して育てたいと思った。そのくらい、母になるという責任はとても重く、お腹に宿した命に対して、まっすぐによりそってあげなくてはならない義務があると思った。
  • 13歳は二度あるか~「現在を生きる自分」を考える
    13歳は2度あるか 吉本隆明
    を、読んだ。

    京都の恵文社で買った文庫本。
    どの棚にあったかは忘れたけど、そのタイトルと目次に惹かれて買った。

    13歳の少年少女のために書いたとするが、
    実際には誰が読んでもためになるし、誰でも読める本だと思う。
    文章も読みやすく、難解な単語や言い回しもなく、しかし...続きを読む
  • 定本 言語にとって美とはなにかII
    後半部分は、「共同幻想論」につながっていくようなモチーフがみられる。

    おそらく、
    個人には、架空の言語空間への接続があると考えられているが、
    それは具体的な形象を持った空間ではない。
    そこから個々の内観を通して、共通性への架橋がなされるのである。

    その個々が持っている空間を、「共同幻想論」では
    ...続きを読む
  • 高村光太郎
    吉本隆明の、初期作品。
    これは、彼が自身が体験した〈戦争〉という出来事に向き合おうとしたもの。

    その出来事の代理が高村光太郎であった。
    最後、高村の最後の作品「生命の大河」が引用されているのは、
    偶然だろうけど、示唆的。

    ――原子力の解放は
    やがて人類の一切を変え
    想像しがたい生活図の世紀が来る...続きを読む
  • 読書の方法~なにを、どう読むか~
    一部、難解で飛ばしてしまった。

    知の巨人もいいところで、その思想は太洋のように広く、しかも海溝のように深い。ここまでくると、呆然とするしかない。

    そんな人が何故「ストップ!ひばりくん」なのだろう? なんて、へんなところで引っかかった。
  • 「すべてを引き受ける」という思想
     率直で、素直な感想になるが、やはり吉本隆明というのは巨人だったのだなと考えていることや、言葉のチョイスからびしびし伝わってきた。氏の『共同幻想論』を貪るように読んで感動を覚えた人も決して少なくないはずである。残念ながら、亡くなられてしまったが彼の思想自体は僕たち若い世代に受け継がれ生き続けるだろう...続きを読む
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    偶然にも、いじめ問題などにも言及している本だった。引きこもりは気質であることもある、それを認めるべきだというのは大賛成。不登校、引きこもり、子供の自殺についてのお考えも、全て賛同するわけではないけれどとても参考になった。
    装丁は、字が大きめ&行間広めで、さくっと読めます。
  • マチウ書試論 転向論
    とりあえず「転向論」は読み終わった。
    日本という環境が生み出した「田舎インテリ」が忘れかけ、いやほとんど忘れてしまったと言ってよい日本の封建的な制度という優性遺伝子の存在に足元をすくわれるという話。日本という国は日本人にとって離れようと思っても離れられない。そんな国で我々は生きていくのだ。ということ...続きを読む
  • 15歳の寺子屋 ひとり
    吉本さんの本をちゃんと読んだのはこれが初めて。
    今までどうしてこの人はこんなにも崇められているのかなと思っていたけど、わかった気がした。
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    人は皆一人でいるのは寂しいものだと思う。

    その前提から出発して、そうは言っても一人でしかいられないのは仕方ない、一人でいるのも悪くないよ、と説くのは説得力がある。

    一人は寂しくないと説かれても説得力はない。

    一人でいるとき、その使い方が問題だ。テレビを見ていたり、ネット上でつながっていたりする...続きを読む
  • 今に生きる親鸞
    追悼・吉本隆明コーナーからチョイス。
    親鸞って女犯とか肉食とかやりたい放題の破戒僧。いや、もはや僧ですらない。たぶん自分でも認識していたのでしょう。
    親鸞がスゴいのは、自分が修行しまくって菩薩になって救済するっていう、これまでの僧侶たちの常識を覆したこと。現実現場目線で今必要な教えをシンプルに実践し...続きを読む
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    世間では、ひきこもりって響きは、マイナスのイメージばかり。
    でも、吉本隆明さんは、かなり肯定的に捉えている。

    ひきこもりの人は、明るくて社交的ではないかわりに、考えること、感じて自分で内密にふくらませることに関しては、人より余計にやっているのです。それは、毎日毎日、価値を生んでいるということなので...続きを読む
  • カール・マルクス
    決して読みやすい本ではないし、自分がどれだけ理解できたかは全く覚束ないが、それでもマルクスの思想のエッセンスが目の前に差し出されていることだけは感じ取ることができた。
    実際にマルクスの著作に触れながら、その都度また読み返してみたいと思う。
  • 15歳の寺子屋 ひとり
    この学生さんたちがうらやましいな~
    一年にわたり、4人の中高生と吉本さんが膝を突き合わせて
    いろんなことを考える「寺子屋」の記録。

    自分の中にもちゃんと「わるいこと」を思う心あり。
    沈黙もまた言葉なのだ、とも。
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    引っ込み思案の気質を持て余すとき、病的なものと区別するためには
    「大勢の中の孤独」に安堵するといいと作者は言う。
     その例として、銭湯と神社のお祭りをあげる。
     これは、すごく面白いと思う。

     僕は、自分ならば、そこに秋葉原と映画館と場外馬券売り場を加えたい。大勢の中の孤独って心地いいと、改めて納...続きを読む
  • 15歳の寺子屋 ひとり
    中学生向けです。中学生の問いに吉本さんが答えられています。
    ガラスの40代の(笑)おれにはとてもいい内容でした。
    才能じゃなく手をどれだけ動かしたかなんだとか、とても説得力のある内容でした。

    吉本さんの言葉は好きですが、本はおれには難しくなかなか読めませんでしたが、これはすらっと読めました。
    中学...続きを読む
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    ひきこもりを善悪の軸で考えてはいけない。引っ込み思案は駄目で、とにかく社交的な方が良いという価値観が潜在的にあるから、ひきこもりは良くないとされているが、一人きりで、分断されないひとまとまりの時間を持つということは、価値のあることなのだ。
  • 15歳の寺子屋 ひとり
    16日に亡くなられた吉本隆明さんの本です。
    児童(中、高校生)向けの哲学書です。
    この本の言葉は優しくて分かりやすく、そして子どもにも大人にも届く言葉で語りかけてくる。
    生き方、考え方、人生、恋愛。それらについて語っています。私は思いついた様に時折この本を読みます。
    目に見える事、瞬発力が重視されが...続きを読む
  • 今に生きる親鸞
    親鸞ってすごい。
    だけど、親鸞のいう他力本願って究極すぎて、自力本願の小乗仏教の修行よりもむずかしいのではないだろうか?
  • マチウ書試論 転向論
     日本における戦後思想の巨人とも言われる吉本隆明(最近はむしろ娘さんの吉本ばななの方が有名だけど)。彼の立ち位置を簡単に言うとするなら、「お前ら、戦争体験というものをきちんと考えているのか」「知識人とかって観念的な事を適当に言ってるけど、本当に現実を見た上で言ってるのか」という感じか。とはいえ、詩的...続きを読む