吉本隆明のレビュー一覧

  • 定本 言語にとって美とはなにかII
     1に続いて、前半は各論。詩や物語や劇などが(それこそ宗教の儀式の前の発生の所から)どういった構造で生まれて、発展してきたかを確実に説明してくれる。
     自分がこういう本を読まないせいもあるかも知れないけれど、言語や芸術についてここまでとてもとても考えられない、極みまで明らかにしてしまっているので全く...続きを読む
  • 定本 言語にとって美とはなにかI
    一巻。まずは言語について、え そこからですか…?ってくらいのところ(それこそ原始人が叫んでいた頃から)から、本当に確かか丁寧に丁寧に固めながら、言葉の意味とは、価値とは、音韻とは、比喩とは、正に冒険と言う感じに根本から問い直して、答えを出してくれる。凄くエキサイティングだし説得力があった。
    後半は、...続きを読む
  • 15歳の寺子屋 ひとり
    この本を購入した理由は2つ。

    ①糸井重里さんが吉本さんをリスペクトしているばっかりに、
    どんな考え方の人なんだろう?と興味をもった

    ②思春期真っ盛りの妹にプレゼントするのにステキな本を探していた

    こどもたちから相談された悩みに、
    吉本節でこたえていく問答集。



    ①の理由がわかり、
    そして②...続きを読む
  • 15歳の寺子屋 ひとり
    2011年1発目。
    「15歳の寺小屋」シリーズのうちの1冊ということで、
    32歳の私が読むのはどうかとも思いましたが、
    いやはや深い話でした。

    才能なんて関係ない。
    「手」を動かせ。
    「手」を動かせばなりたいものになれる。
    「手」を動かさなきゃだめだ。

    まったくもってそのとおりだと思います。
    ...続きを読む
  • 定本 言語にとって美とはなにかI
    作家や文学研究に携わる人でなくとも、読書好きな人なら「文学とはなんだろう」という疑問を抱くことがあるだろう。しかしその疑問も私たち一般読者は、作品を読み重ねていくうちに独自の文学観なるものが形成され漠然した答えが導き出されることで解消されてゆくように思う。それは大抵、自分の「好み」がはっきりすること...続きを読む
  • カール・マルクス
    彼は千年に一度の偉大な巨匠だが。現実の世界ではきわめてありふれた生活人である。そうそう。ではなんでそう思うかってこと。ボク等は生まれたときから何らかの条件つきで生涯それらがつきまとう。フムフム。なるほど。だから結果としてボク等が何々であったということは意味がない。意味があるのは何々であった何々になっ...続きを読む
  • 吉本隆明初期詩集
    あまりに有名すぎる著者であるが、初期の詩作(思索?)に触れる人は、今や少ないかも知れない。若き孤独なる精神の、「世界」との葛藤を巡る、研ぎ澄まされた「言葉」は、ある種の精神を抱える現代の若者にも充分に訴えるものであろう。
  • 吉本隆明初期詩集
    「ちいさな群への挨拶」を収めている詩集を探しましてこれを選びました。私が持っているのはこれではないけど。難解だけど若い頃読んでおいてよかったなと思うもの。わかんなくてもわかんないからこそ何度も何度も口に出してみる。詩はそうやって味わうのが好きです。是非!
  • 改訂新版 共同幻想論
     「共同幻想」とは、人間が個体としてではなく、なんらかの共同性としてこの世界と関係する観念のあり方を指す、と著者は定義する。それをふまえたうえで、国家とは何か、また自分と国家はどのような関係を持っているのかを考えていく。そこで出た答えとして、国家とはいわゆる共同の幻想で誕生したものだと結論づける。
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    ひきこもれ、
    というと社会に出てる人らに対しても
    ひきこもりを推奨しているようだが、
    そうではなく、ひきこもってもいいんだよ
    的なニュアンスだと思った。

    病気に関してはプロに任せるべきといいながら、
    自論を述べるあたりは少し矛盾を感じたし、
    ひきこもりの話から
    いつのまにか、死や戦争、老いの話まで...続きを読む
  • 13歳は二度あるか~「現在を生きる自分」を考える
    13歳は二度あるか 吉本隆明 大和書房

    タイトルに惹かれて手に取ってみた
    2005年小泉内閣直後に書かれた
    子ども向けの啓発本
    第一章新聞を読む時代をつかむ
    第二章社会と関わる自分を生きる
    第三章宗教とはなにか法律や国家は
    どう成立したのか
    第四章犯罪と死について考えてみる
    第五章戦争というもの自...続きを読む
  • 「すべてを引き受ける」という思想
    言いたいことは分かるような、分からないような。
    茂木さんのあとがきの切り取り方が心に残った。感情は個人に収まりきれない宇宙を理解するために生まれたもの、と言う茂木さんに、分からなくもないが僕はその考え方は好きではない、とはっきり伝える吉本さん。それに胸を打たれる茂木さん。
    清々しいし、仰る内容にも納...続きを読む
  • 真贋
    北海道文学館の展示鑑賞後、何か一冊と思い、書店で平積みされてたのを購入。
    文学であってもどんな職業であっても毒と利があり、どういう毒が自分に回っているか自覚的にならねばいけないということは職業人生の中盤にさしかかり始め、本を読むことを趣味とする私には深く刺さった。
    一方で人格形成を思春期までの母子関...続きを読む
  • 定本 言語にとって美とはなにかII
    ー わたしたちが立場というとき、それは世界をかえようという意志からはじまって世界についてさまざまな概念をかえようとするまでの総体をふくんでいる。文学(芸術) についてのさまざまな概念をかえるためにも、立場はなければならないし、またどうしてもあることになってしまう。文学(芸術)についての理論は、すべて...続きを読む
  • 改訂新版 共同幻想論
    在野の思想家という意味では戦後最大と思われる著者の主著のひとつ。共同幻想ー対幻想ー個人幻想という概念は知っていたが,時代性を考慮しなければその価値はよく分からないでしょうね。
    対幻想という概念が独特だと思うのだが,これは性であり家族であるということなので,性の多様性と家族の変容を見る現代においてどう...続きを読む
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    人と話すことが第一の言語だとすると、
    自分との対話をするのが、
    第二の言語であると作者言ってます。

    この第二の言語を通して自分の価値を広げていく。
    孤独や引きこもりは大人の言語を深め自分の価値を広げるために必要なのだとわかりました。

    しかしただ引きこもっていればいいと
    言うことではなく
    他者に違...続きを読む
  • 定本 言語にとって美とはなにかII


    下巻しか買っていない本

    吉本隆明 「 言語にとって美とは何か 」 文学の言語美を論じた本。


    言語を 自己表出と指示表出の区分している。わかりにくいので 下記のように読んだ
    *自己表出=内在するもの=価値、言語の必要性
    *指示表出=指示するもの=意味、実際 他人に伝える


    言語の自己表出と...続きを読む
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    ・言語には2種類ある。他人に伝える言語と、自分にだけ通じれば良い言語。
    ・引きこもり、考え、得たものは「価値」と呼んで良い
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    1924年生まれの著者は、自分の父母よりさらに10歳年長。ひきこもりは時代を超えて存在していた。ひきこもりを肯定的に表現した書名に惹かれた。しかし、21世紀の今、著者が言うようにひきこもりの人が深く考えて生活しているか? 昼夜が逆転し、ネットやゲームの世界に逃避する若者が多くはないか? 本書が、ひき...続きを読む
  • フランシス子へ
     昔、吉本隆明という詩人がおりまして、ネコのわたしと、女房と娘と一緒に暮らしておりました。やたら、こだわる人でした。なにせ、ほととぎすは、とか、親鸞は、とか。いい年をして気になったら止められない、しようがない性分で、ネコのわたしは、あほらしいので取り合わないようにしておりましたが、それはそれで気にか...続きを読む