吉本隆明のレビュー一覧

  • 真贋
    この人の本は以前から読みたかったのだが本気の本は内容がまったく理解できそうになさそうで敬遠していたが、書店で見つけたこの本はとてもライトで書かれた時代も10年くらい前のものでしっかりと頭に入ってくるので購入。
    著者の考え方がはっきりとしているのですべてに共感できることではないが
    ・あらゆるものに利と...続きを読む
  • 日本語のゆくえ
    梶原しげる『ひっかかる日本語』(新潮新書)を買うつもりで書店に行って、たまたま見つけた一冊。どっちにするか少し迷ってこちらを買った。
    内容は、吉本隆明の芸術論・文学論をやさしく説いたもの。日本語の使い方云々という内容ではなかったので、そもそも『ひっかかる日本語』と比較する本ではなかった。
    のっけから...続きを読む
  • フランシス子へ
    とても静かで淡々としているけど、あっという間に読み終わってしまった。
    フランシス子という吉本家の猫と吉本隆明さんとの何気ない日々と吉本さんの感じるままに記されている本でした。
    本文の後に長女ハルノ宵子さんの「鍵のない玄関」という文章が添えられている。そこには「ああ…こんなきれいな家だったのか」と述べ...続きを読む
  • 家族のゆくえ
    問題のない家庭はないということや、親子関係、夫婦関係への著者ならではの考察に感心するとともに励まされました。子供への眼差しや、凶悪事件のニュースへの洞察などは視野が広がります。老いに対する考察も、科学ではうまく説明できないニュアンスを見事に描写していると思います。
  • 「ならずもの国家」異論
    「ならずもの国家」と、きつい物言いのタイトルだけど、返す刀で日本をも斬る。
    アメリカの言いなりの日本。
    国が決めたことには無条件で従う国民性。
    根っこは同じだ。

    ”国家なんて自国の国益を優先的にかんがえるものです。したがってアメリカが自国の国益に反してまで日本を守るはずがない。”
    同盟を結んでいる...続きを読む
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    ひきこもるのは悪いことじゃない。人付き合いが苦手な人は、無理に他人に合わせて軽く生きていくよりも、引きこもって自分の時間をしっかりと持つべきと説く。無理にひきこもった人を社会に出そうとしたり、ひきこもった人たちだけを集めて社会を作ろうとするのは逆効果。引きこもって内面が醸成された人は、いつかそのうち...続きを読む
  • 真贋
    吉本隆明氏(2012年逝去)の晩年にインタビューに基づいて書籍化され(2007年)、2011年に文庫化された。
    私は全共闘に影響を与えた時代の吉本氏は知らないが、氏が晩年に記した著作やインタビューから、多くの示唆を与えてもらったように思う。
    本書では、1.善悪二元論の限界、2.批評眼について、3.本...続きを読む
  • 15歳の寺子屋 ひとり
    吉本隆明氏が15歳の男女を前に語った言葉の数々。
    「行きがけの道」を歩きながら、道中見える景色や生まれる感情を噛みしめながら生きていくのが人生なんだろう。
    正解なんて最後までわからないし、存在すらしないものだと思うと、諦めのような気持ちが生まれるけど、だからこそ人生には意味があるんだろうなというよう...続きを読む
  • 真贋
    p180
    赤ん坊から全思春期までの間柄にその人よ性格がきまる。そのなかでも重要な期間が2つある。
    乳児期、もう1つは全思春期にちかい十代なかばである
  • 真贋
    生き方や考え方,子育ての仕方などについて吉本先生の「考えてきたこと」が書かれている。押しつけがましくもなく,あくまで私はこういう考えたでいますというスタンスで書かれているので,なるほど,こういう考え方もあるのかと納得させられてしまう。
    生まれつきの性格は前思春期までに形成され,その後は自らの意思で変...続きを読む
  • 真贋
    書かれている内容は、一節ごと分かりやすく、良識と言えるものばかりで、ほぼ全てうなずくことができるものだった。
    マルクスの考え方らしいが、人間が手を加えたこと(仕事)は必ず付加価値があるというような文書があり、妙に深く考えさせられてしまった。自分が行っていることに対して卑屈になる必要はないが、責任を持...続きを読む
  • カール・マルクス
    マルクスの挫折と転回  -2008.08.06記

    何と、何を?
    われはあやまたずつきさす
    血に染む剣を汝のたましひにつきさす、
    神は芸術を知らず、神は芸術を尚ばず、
    芸術は地獄の塵の中より頭に上り、
    遂に頭脳は狂ひ、心は乱れる、
    われはそれを悪魔より授けられた。
    悪魔はわがために拍子をとり、譜をし...続きを読む
  • 超恋愛論
    悩める子羊wなので、購入><

    三角関係とかの変化球や、文学とからめるぐらいまではありがちだけど、
    法律や宗教にまで発展させて論を広げるって、
    知識や考えが広いし、深いなぁ。

    著者の他の作品も読んでみたけど、
    こうした自分なりの思考を深めてる人って、
    人間の厚みきっとすごくあるよな~

    ちょいと恋...続きを読む
  • 「ならずもの国家」異論
    大学生の頃、めずらしく女の子に誘われて一緒にお茶を飲んだことがあった。浪人中に伸ばした髪が、何となく他の良家の子女たちとちがって見えたのか、同じゼミでもなければ、あまり話しかけられることはなかったのに、どうして俺が、と思いながら、学校の前にある喫茶店について行くと、突然「○○君は吉本についてどう思う...続きを読む
  • 真贋
    何事にも、良いところと悪いところがある。小説には小説の、職業には職業の毒があり、薬がある。
    一つの物事を両極から眺める、著者の絶妙なバランス感覚に脱帽しました。
    この本を読んで、どんなものにも応用の効く、新しい視点を手に入れましょう。
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ
    「ひきこもり」という言葉にはネガティブなイメージが先行し、駄目なもののレッテルが貼られているけど、そんなことはないんだよと手を差し伸べてくれる作品でもあります。ひきこもる人は自分の内面と向き合うことが多く、思考が熟成し、それが価値になり、人間としの深みをえることもあるので、そんなに悪いことでもない。...続きを読む
  • 真贋
    抜き書き。

    いじめるほうもいじめられるほうも問題児。

    誰もが生死をかけて自分の人生を生きている。当たり前なようで誰も当たり前に思っていないのかもしれない。

    いつも明るいところばかり見ていたら、暗いところにあるものが見えなくなってしまう。そもそも、暗いところにこそ真実が隠されているのではないでし...続きを読む
  • 13歳は二度あるか~「現在を生きる自分」を考える
    読みやすくて、おもしろい。
    思想界の巨人と言われている吉本さん、彼が生きた時代のほんの一部しか生きていない自分。
    だからこそ、というのもおかしいと思うけど、重みのある文章。あくまで読みやすいけど。
    なんやろう。届く言葉、というか、考えに考え抜かれた言葉が集められている気がしました。こうでもない、ああ...続きを読む
  • 真贋
    軽い会話的文章ですいすいと読んでしまい、肝心な思考がはじまらないうちに読み終わってしまった。2回目読みマストです。戦争感など意外と思える思想の持ち主だったことが驚きだった。特に何か指針が欲しい、と思っているわけではなかったが、実は求めているのかも、と読みながらふと感じてしまった。不思議な読後の心境。
  • 真贋
    吉本隆明の本は難しいのだが、これは語り口調で読み易くわかり易い。そうかなぁ?と思う点もあるが、流石に吉本隆明だと感心させられる事が多かった。色んな点で人生の指針になる本だと思う。もっと若い頃に出会いたかった。