吉本隆明のレビュー一覧
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今年3月にお亡くなりになられた「戦後思想界の巨人」吉本隆明の初期の文芸評論と詩を所収。
あまり詩を読まない自分にとって冒頭の詩からがつーんときた。特に「エリアンの手記と詩」は失恋の痛手からの逃避と再生の物語で、詩からほとばしる熱い情念に当てられました。ラストはミリカの視点で熱い想いを柔らかく包み込む...続きを読むPosted by ブクログ -
同年代の子とあの吉本隆明が語りあったんだよ。おもしろいに決まってる。『蜜柑』『春と修羅』『三四郎』『それから』に興味をもつ。恋愛について大人と話すなんてすごい経験をしたもんだ。同年代でも、みんな考えていて悩んでいて、ひとりひとりすごいところがあって変なところもある。〈一般的な質問に対して、とても特殊...続きを読むPosted by ブクログ
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この本の内容を理解したとは言えませんが、間違いなく私に大きな影響を与えた本でしたので、登録しました。『マチウ書試論』。原始キリスト教とユダヤ教という二つの異なる宗教は、共に聖書を原典として出発した宗教です。しかし、この二つの宗教は激しく対立していました。何故出発点が同じ宗教なのに対立が起きてしまうの...続きを読むPosted by ブクログ
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吉本隆明は1924年11月25日生まれですから、今年85歳になる、マルクスからCMまでその意味を解き明かす、知の巨人、と形容されることが多い詩人・文芸評論家・思想家。
彼が他を寄せつけないずば抜けた特異性とは、ひとつは大学教授などの務めに就かず常に在野にあって何事にも束縛されない位置にあること、ふ...続きを読むPosted by ブクログ -
現代思想2008年8月増刊号は『総特集・吉本隆明 肯定の思想』です。現代思想を買ったからには、ちゃんと吉本を読まんば!と思って買いました。1200円と文庫の割には高価ですが、これはおすすめできます!「マチウ書試論」、「鮎川信夫論」、「戦後詩人論」、「芥川竜之介の死」、「芸術的抵抗と挫折」、「転向論」...続きを読むPosted by ブクログ
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20年以上前にこういうことを言ってくれる人がいたのかと驚いた。
ひきこもりや不登校、社会に馴染めない人など読んだら楽になる本。Posted by ブクログ -
難しいようで難しくない、不思議な本だった。というのも、吉本がここで書いていることは、たいていみんながどこかしらで体感していることであるからだ。だから文章が難しくても、ノリでなんとなく理解できてしまう。
吉本は幻想を「自己幻想」「対幻想」「共同幻想論」の3つに分けて考えるが、議論の出発点は「対幻想...続きを読むPosted by ブクログ -
いい話だな、と思った。
20年前に出された本で、おそらく今よりも「ひきこもり」に対する風当たりは強かったはず。そんな中であえてひきこもりを擁護する吉本はまさに逆張りと言えるのだけれど、その逆張りも時間が経って、自然と頷きながら読めるようになっていた。
コミュニケーション能力や社会性だけが絶対で...続きを読むPosted by ブクログ -
ー 原始人がはじめて現実の対象を有節音声としてえらびとったとき、発したその音声は意識に反作用をおよぼした。それは一連の意識の波紋をえがいたにちがいない。こういった一連の意識の波紋は、また一連の音声波紋として表出せられたかもしれない。これを、不完全な言語の段階での文だとかんがえれば、わたしたちは、カッ...続きを読むPosted by ブクログ
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糸井さんとの共著である「悪人正機」と重複する内容もありますが、その中でも『才能』に関する吉本さんのお話は、やはり特に心に残りました。
例として挙がった、若い頃から才気溢れていた芥川龍之介と、若い頃は鈍いヤツと言われていた田山花袋が、晩年の作品で比べればどっちも同じようにいいようになってきた、という...続きを読むPosted by ブクログ -
絶賛社会生活に馴染めず引きこもっている今、たまたま見つけて即購入。
自分にとっての人生の価値を見つめ直している、そんな時期なんだろうなと少し納得できた。
個人的に
一般社会の中で不登校的な生き方を貫くことが大事、という言葉がとても気に入っている。
嫌でも社会や人とは関わらざるを得ないので、自分...続きを読むPosted by ブクログ -
マチウ書試論・転向論
(和書)2009年08月16日 22:54
1990 講談社 吉本 隆明
柄谷行人はよく読むのですが吉本隆明はなんだか体質に合わないような気がして読まずにいました。最近「関係」というところが面白く感じて読み出すようになりました。マルクスの宗教の批判に出てくる一切の諸関係とい...続きを読むPosted by ブクログ -
本作品は、戦後の日本思想界の巨人といわれる吉本隆明(1924~2012年)が1968年に発表した代表作で、当時の教条主義化したマルクス・レーニン主義からの脱却を求めていた全共闘世代に熱狂して読まれたと言われる思想書である。
私はこれまで、吉本の著書は、『真贋』、『家族のゆくえ』、『読書の方法』、『悪...続きを読むPosted by ブクログ