『ケンガンアシュラ』最強を求める格闘家たちの超劇的バトル漫画
ビジネス上の権益を巡る企業間の争いを、なんと拳で決着つけるという『拳願仕合(ケンガンジアイ)』。
会社の社運を賭けて、ライバル企業を殴る蹴る、骨折る。
こんな実にぶっ飛んだ世界観を描いた、新時代の格闘漫画が、『ケンガンアシュラ』です。
今回は本作『ケンガンアシュラ』について、その基本情報と魅力、読者の感想などをご紹介していきます!
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※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事には一部ネタバレを含みます。
完結『ケンガンアシュラ』 全27巻 だろめおん / サンドロビッチ・ヤバ子 / 小学館
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『ケンガンアシュラ』とは?
まずは『ケンガンアシュラ』のストーリーや作者について、分かりやすくご紹介していきます!
基本情報
本作『ケンガンアシュラ』は、小学館が配信するWEBマンガ『裏サンデー』にて、2012年から2018年まで連載された人気漫画です。
(※2014年からは『マンガワン』でも連載開始されています)
単行本は全27巻(完結)が発売されており、現在はその続編となる『ケンガンオメガ』が連載されるなど、大人気の作品です。
サンドロビッチ・ヤバ子氏原作!
原作者は、サンドロビッチ・ヤバ子氏です。
ヤバ子氏は、少林寺拳法やフルコンタクト空手、ブラジリアン柔術など、総合格闘技の経験者であり、実際の組手などを基にリアリティのある戦闘シーンを描くことで知られています。
また、ヤバ子氏といえば、先日ご紹介した筋トレ漫画『ダンベル何キロ持てる?』の原作者でもありますよね。
こちらの作品は、ギャルな女子高生である主人公・紗倉ひびきが、友達からの「太った?」という一言に奮起して、ダイエットを決意。
本格スポーツジムに入門し、ゴリゴリの筋トレに励む「筋トレ青春コメディ」です。
『ダンベル何キロ持てる?』の魅力は、こちらの記事で徹底解説していますので、ぜひご覧ください!
そして『ケンガンアシュラ』と『ダンベル何キロ持てる?』が、同じ世界観を共有していることは有名なエピソード。
言われてみれば、ムキムキな筋肉が活躍するところなど、両作の共通項は多々ありますよね。
どちらにも登場するキャラクターも存在しますよ!
作画はだろめおん氏!
だろめおん氏は、多摩美術大学を経て漫画家およびイラストレーターになった人物(男性)です。
ニコニコ動画のニコニコ漫画にて『けちゃっぷ忍者』を連載し、人気となりました。
現在は『ケンガンアシュラ』の続編である『ケンガンオメガ』を、『裏サンデー』『マンガワン』にて連載中です。
ストーリー
この物語の主人公は、中年サラリーマン・山下一夫(ヤマシタカズオ) 56才。
家庭では妻に逃げられ、仕事では年下の上司に怒られる日々を送る、実に冴えないダメオヤジです。
そんな彼の人生は、路地裏でたまたま大男と若い男の決闘を目撃してしまったことから、ヤバイ方向に大きく傾いていきます。
その死闘を制したのは、若い男。彼の名は、十鬼蛇王馬(トキタオウマ)。
この物語のもう一人の主人公です。
十鬼蛇のオーラや格闘スキルを目の前に、言葉が出ない山下。
何とかその場から立ち去ることができますが、翌日、勤務先である乃木出版の親会社である乃木グループの会長に呼び出されます。
恐る恐る本社の会長室に赴いた山下は、そこで十鬼蛇と再会。
十鬼蛇は、乃木グループのビジネス権益を巡って戦う闘技者として、会長から雇われていたのでした。
さらに、そんな十鬼蛇のお世話係として任命されたのが、山下一夫。
かくして、金と暴力の『拳願仕合』の世界へと引きずり込まれることになった山下。
十鬼蛇(そして山下)は、拳願仕合のトーナメントに出場し、王座をかけて個性豊かな闘技者と死闘を繰り広げます!
ゲーム化、TVアニメ化…今後も目が離せない格闘漫画
ゲーム化
2019年の春に、スマホ向けゲームアプリ「ケンガンULTIMATE BATTLE」がリリースされ、大好評に。
内容は、プレイヤーが企業の社長となり、闘技者を最強に育て上げて金と名誉を勝ち取る、という「筋肉育成バトルRPG」。
株式会社サイバードと株式会社小学館のマンガワン事業室から配信されているゲームです。
TVアニメ化
『ケンガンアシュラ』のアニメ化はNetflixにて全世界で独占配信されています。
2019年7月からPart1(全12話)が配信され、同年10月からPart2(全12話)が公開されました。
そして何と、2020年1月からTV放送も開始されています!(飛ぶ鳥を落とす勢いです……)
*TOKYO MXにて1月10日(金)より毎週金曜25時35分
*MBSにて1月11日(土)より毎週土曜27時38分~
*BS日テレにて1月14日(火)より毎週火曜25時30分~
*テレビ愛知にて1月11日(土)より毎週土曜25時50分~
*TVQ九州放送にて1月10日(金)より毎週金曜25時58分~
アニメのPVもかっこよく仕上がっていますよ!
『ケンガンアシュラ』のキャラクター
『ケンガンアシュラ』には、格闘技漫画というだけあって、己の強さに自信を持つ男が次々と登場します。
そのどれもが個性的で強烈なインパクトを放っている猛者たちで……。
そんな濃すぎる『ケンガンアシュラ』の登場人物たちをまとめてご紹介します!
山下一夫(ヤマシタ・カズオ)
本作の主人公であり、年下の上司にいびられる毎日を送る冴えない中年サラリーマン。
家庭では妻に逃げられて、二人の子ども達はそれぞれヤンキーと引きこもり。
ある日、十鬼蛇の決闘を見てしまい、ヤバすぎる裏社会を知ることに…。
十鬼蛇王馬(トキタ・オウマ)
山下が務める乃木出版の親会社・乃木グループの社長に雇われた『拳願仕合』の闘技者。
出生や年齢は不詳。イノシシを狩るなど、自給自足が得意。
生まれてすぐに無法地帯である「十鬼蛇区」に捨てられていたところ、十鬼蛇二虎(にこ)に拾われて武術を教わります。
自分よりも体格のデカい相手でも物ともせず、その圧倒的な強さでねじ伏せる最強の男。
世話係の山下との絶妙な掛け合いも魅力です。
乃木英樹(ノギ・ヒデキ)
あらゆる業種を網羅する大企業・乃木グループの会長。
オールバックの髪型と落ち着いた話し方は、まさに経営者の風格です。
ガタイも良く闘技者のような雰囲気さえ感じさせます。
秋山楓(アキヤマ・カエデ)
乃木会長の秘書。
メガネで理知的な雰囲気を漂わせている一方、その胸元からは爆乳がチラリ。
そしてドSっぽい言動にも注目です。
片原滅堂(カタハラ・メツドウ)
大日本銀行総裁であり、日本政財界のドン。
これは表向きの肩書であり、裏社会では「拳願会会長」として知られている。
「滅堂の牙」と呼ばれる最強の闘技者を従えている。
初見泉(はつみせん)
のらりくらりとした雰囲気で女好きを絵に描いたようなオッサン。
十鬼蛇を退けて、絶命トーナメントに乃木グループ代表闘技者として選ばれた男。
桐生刹那(きりゅうせつな)
髪の長い謎の美少年。
十鬼蛇の師匠・二虎を殺した自分の師匠を殺し、自分より強い者がいない世界に飽きている人物。
さらに、実際に『拳願仕合』で十鬼蛇王馬(トキタ・オウマ)が闘った強烈すぎる闘技者も!
理人(リヒト)
強靭な指の力を持ち、相手の肉をそぎ落とす剃刀のような技を持っている金髪男。
観衆からは「レイザーズ・エッジ」と呼ばれ、その強さが知られています。
蕪木浩二(カブラギ・コウジ)
坊主にでっぷりとした身体で、不気味な雰囲気を放つ、通称:メディスンマン(呪術師)。
使えるものは何でも使い、対戦相手を全員再起不能にしてきた経歴を持っています。
関林ジュン(セキバヤシ・ジュン)
超日本プロレスに所属するレスラーであり、不動のエース。
裏社会だけでなく、表社会の格闘技界でも有名な大男です。
『ケンガンアシュラ』の魅力
漫画『ケンガンアシュラ』の魅力・見どころを大きく3つに分けて、さっそく掘り下げていきます!
先が読めない迫力のバトルシーン
やはり格闘技漫画である『ケンガンアシュラ』最大の魅力は、『拳願仕合』(つまりは格闘シーン)です!
前述の個性的すぎる屈強な闘技者たちが、社運(億レベルの金)を賭けて闘うというだけあって、まさに死闘。
コマ絵から伝わる、その臨場感とスピード感は圧巻です。
さらに観戦している山下一夫らが、戦況をビクビクしながら(笑)解説してくれるため、より見入ってしまいます。
まるで自分自身が裏社会の世界観の中で、『拳願仕合』を観戦する観衆の一人であるかのような視点で没入することができますよ!
また、多種多様な格闘技のワザも見どころの一つ。
作者のヤバ子氏や本作の担当編集者が格闘技の経験者ということもあり、実際に存在する技が本格的に描かれています。
その上で、相手の個性的な技をどう攻略し、どう倒すかという「頭脳戦」も面白かったり。
実際に、力学的な矢印が描かれているコマなどがあったり、骨や筋肉の構造がしっかりわかるのも本作の特徴。また、神経中枢を狙う攻撃など、理論的に相手を攻めるシーンも数多くありますよ。
力だけでなく頭脳も必要な『拳願仕合』、奥深い!
個性あふれる対戦者たち
前述の通り、強烈なインパクトを残すキャラクターたちが死闘を繰り広げる『ケンガンアシュラ』。
彼らは特徴的なワザもさることながら、台詞やビジュアルの細部まで徹底的に作りこまれており、どこか現実世界にもいそうなリアリティがあります。
そんなリアリティと強烈な個性のバランスから、思わず応援したくなってしまうキャラクターが現れるのも、この作品の大きな魅力です。
また、それぞれのキャラクターごとに背景やトラウマ、哲学などのドラマを持っていることが多く、闘うものの覚悟を感じさせる台詞に数多く出会うことができます。
それらのドラマが、次の展開につながることもあり、決してキャラクターたちが単発で終わっていかないような構成も面白いですよ。
自分の推しのキャラクターがいる場合は、作中にあるキャラクター紹介にて深掘りして行くもよしです。
さらにスマホ向けゲームアプリや、アニメでも、一味違ったキャラクターの魅力を楽しめると思いますよ!
裏社会と地続きの表社会も丁寧に描かれている!
そして本作のもう一つの魅力は、丁寧に描かれた表社会との繋がりにあります。
ごく普通の表社会に生きる冴えないサラリーマン・山下一夫が裏社会の決闘を目撃するシーンから始まる物語の冒頭。
そこから山下がどんどん裏社会である『拳願仕合』の世界に巻き込まれていく様子が描かれていきます。
ただ、だからと言って彼の表社会(冴えないサラリーマンの日常)が無くなってしまうわけではありません。
十鬼蛇王馬と会っていない時などは、ごく普通の日常で。
中年サラリーマンの会社での抑圧され具合や、家庭での不憫さ(笑)が丁寧に描かれます。
その表社会と裏社会とのシーンの差が、本作のスパイスであり、面白い見どころでもあります。
また、この表社会と裏社会が全く別々の世界という訳ではなく、しっかりとリンクしているところがさらに面白い!
例えば『拳願仕合』の会場が、乃木グループが建設施工を狙っている「新幕の内ビル」の予定地であったり…。
裏社会とは無関係だと思っていた登場人物が、『拳願仕合』の糸を引いていたり…。(ここからはネタバレになってしまうので本作で!)
このように、裏と地続きになっている表社会の描かれ方が巧妙で面白いですよ!
『ケンガンアシュラ』の感想【ネタバレあり】
血がたぎる!!
自分は、全くバイオレンスものって手が出ないんですが、このマンガはタイトルが謎だし、最初に出てくるのは弱っちいオッサンのサラリーマン。「?」の連続の出だしで、結構そそられました。主人公も謎に満ちているのに、圧倒的なパワフルさと、強さ!でグイグイいく感じ。どうなるの?どうなるの?で、あっという間に2、3冊終わりますよ。超アンダーグラウンドな格闘で、似たマンガはいろいろありますが、このマンガはなんつーか、いい意味で頭ひとつ突き抜けていますね!巻が進むごとにさらなるクセものキャラがどんどん出てくるのに、みんなそれぞれ魅力的。ちょっと目が離せなくなってきますよ。
凄まじいほどに、リアル、いや、本物志向と書いた方がしっくり来るほどの正道バトル漫画(ぶっちゃけた話、格闘漫画って表現できるほど高尚でもないし、ケンカ漫画とするのも少し気が引けるので)
描き手のレベルが高いのもあるが、やはり、原作者が格闘技経験者と言うのが、この漫画の迫力を生み出しているに違いない
確かに、こりゃ、『表』のサンデーじゃ連載できないだろう。『史上最強の弟子 ケンイチ』に内容が被る、とかその次元のレベルではない
人のみが振るう暴力、飽くなき破壊衝動が剥き出しすぎて、少年の目に触れるには刺激が強すぎる
しかし、ここまで破壊的な漫画を見事に一冊に纏め、世に出してくれた小学館に礼を言いたい
posted.by ブクログ
ケンガンアシュラを読むまでは何となく格闘漫画を避けていたんですがこの作品は自分の中での格闘漫画のイメージを良い意味で壊してくれました。ただ戦うだけではなくあくまで魅力的なストーリーの中で戦いが繰り広げられる、説得力があります。また一般人の目から見た格闘シーンというのが面白いですね。超人ばかりではないその他のキャラも魅力的です。
posted.by ブクログ
「さいごに」
さて、漫画『ケンガンアシュラ』の魅力・見どころは伝わりましたでしょうか。
強烈なキャラクターが殴り合う裏社会と、利害にまみれた表社会。
そのアウトロー加減や、ぶっ飛んだ格闘技の世界観の魅力を、ぜひ実際にその目で確かめてみてください!
完結『ケンガンアシュラ』 全27巻 だろめおん / サンドロビッチ・ヤバ子 / 小学館
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