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自動車漫画5選!スピードを求めるか、趣味に走るか?クルマの魅力が詰まったおすすめ作品!

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自動車漫画5選!スピードを求めるか、趣味に走るか?クルマの魅力が詰まったおすすめ作品!

クルマの楽しさやかっこよさを伝えてくれる自動車漫画。スピードを求め、ライバルとカーバトルを繰り広げる作品から、クルマなしでは生きていけない愛好家たちの日常を描いた作品まで、バリエーションは多彩です。巷には「クルマ離れ」なんて言葉もありますが、漫画の中ではクルマは今も魅力に溢れています。定番から編集部のオススメまで5作を紹介します。

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『頭文字D』

完結『頭文字D』全48巻 しげの秀一 / 講談社

自動車漫画の定番! 迫力満点の峠バトルに手に汗握る『頭文字D』

1995年から2013年にかけて連載され、単行本は累計発行部数4,800万部超という自動車漫画の定番中の定番。主人公・藤原拓海の乗るスプリンタートレノAE86型、いわゆる「ハチロク」は、80年代に生産終了した車種にも関わらず、中古市場で大人気になりました。また、アニメ化も頻繁にされ、2005年には香港映画として、実写化もされています。

豆腐屋の息子である藤原拓海は、免許を取ったばかりの高校3年生。しかし、父親・文太の言いつけにより、なんと中学1年生の頃から家のハチロクに乗って、豆腐の配達をさせられていたのでした。豆腐を崩さないように注意しながら、最速スピードで秋名山の峠を往復する早朝のドライビングは、拓海を峠のスペシャリストに育て上げます。

ある夜、秋名山をホームにした走り屋チーム「秋名スピードスターズ」が、群馬最速と言われる高橋兄弟が率いる「赤城レッドサンズ」から、峠のバトルを挑まれます。スピードスターズのリーダー・池谷は、自分たちの力では勝てないと悟り、早朝に秋名山を疾走する謎のハチロクを探して、かつて伝説の走り屋だった拓海の父・文太に行き当たります。文太に頭を下げ、助っ人を頼む池谷。しかしバトルの当日、ハチロクに乗って峠に現れたのは拓海でした。

峠という限定された舞台で繰り広げられる公道レースを描いた本作。魅力はなんといっても、拓海の天才的なドライビングと、彼の前に現れるライバルたちのカーバトルです。キャラクターたちは、それぞれに実在するクルマに乗り込み、そのクルマの性能から、峠における走りの特性まで、作者が詳しく解説してくれます。クルマの知識がなくても楽しめる構成で読者に優しく、高橋兄弟を筆頭にイケメンキャラが続出するので、女性人気も高い作品です。

物語中盤になると、拓海の高校卒業と時を同じくして、高橋兄弟の兄・涼介が、「プロジェクトD」を立ち上げます。これは関東完全制覇を目指す群馬選抜チームで、拓海はダウンヒルのエースドライバーに。活躍の場は関東一円に広がり、さらにハイレベルなカーバトルが展開していきます。

峠を疾走するクルマの描写はとにかく迫力満点。レースの舞台となる峠もどんどん移り変わっていくので、飽きることがありません。拓海の精神的な成長も描かれ、恋愛のエピソードも。青春ドラマとしても秀逸な作品です。

第1巻登場車種:車名(型式)
トヨタ スプリンタートレノ(AE86)/ メルセデス・ベンツ 190E(W201)/ 日産 シルビア(S13)/ マツダ RX-7(FC3S)/ マツダ RX-7(FD3S)/ 三菱 パジェロ(V26W)/ 日産 スカイラインGT-R(BNR32)

『湾岸MIDNIGHT』

完結『湾岸MIDNIGHT』全42巻 楠みちはる / 講談社

これも定番! 「悪魔のZ」に魅せられた走り屋たちをストイックに描く『湾岸MIDNIGHT』

『頭文字D』に並ぶ定番と言えば、これ。首都高速湾岸線を主な舞台にした、走り屋たちのストーリーです。1990年に連載が始まり、2008年まで続いた長寿作品で、さらに、『湾岸ミッドナイト C1ランナー』(全12巻)などの続編も刊行されています。

高校生の朝倉アキオは、ある日、解体屋に積み上げられていた初期型(S30型)のフェアレディZと出会い、それを引き取ります。修理が終わり、さっそく首都高に走りに行くアキオ。軽快に飛ばすアキオのZでしたが、その背後に「湾岸の黒い怪鳥(ブラックバード)」と呼ばれる漆黒のポルシェ911が現れるのでした。

実はアキオが手に入れたZは、走り屋の間では「悪魔のZ」と呼ばれる、いわくつきのクルマでした。歴代オーナーは次々と事故にあい、中には死んでしまった者も。その死者というのが、ブラックバードのオーナー島達也の親友であり、アキオと同姓同名の朝倉晶夫でした。

こうしてブラックバードと因縁の出会いを果たしたアキオ。彼のZは首都高で不思議なオーラを放ち、島だけでなく、数々の走り屋を引きつけることに。そして夜の首都高で、時速300キロを越えるハイスピードバトルが展開していくのです。

「悪魔のZ」とそのドライバーであるアキオを中心に、スピードの魔力に取り憑かれてしまった走り屋たちのドラマを描く本作。特徴的なのは、メインキャラクターは血気盛んな不良ではなく、昼はまじめに仕事をしている大人がほとんどだということです。その中には医者や有名カメラマン、売れっ子タレントといった社会的な成功者も。そんな大人たちが、どうしようもなく「悪魔のZ」に魅了され、夜は首都高を走らずにはいられなくなるのです。

普通に生きていたのでは満たされない渇望を、「悪魔のZ」を追うことで満たそうする走り屋たち。

「あのZの前を走りたい…… オレの目の前を光のように去っていった ただそれだけが望みなんだ」

とドライバーのひとりが言う通り(2巻p.87)、スピードを求める心はストイックで、哲学的ですらあります。カーバトルも迫力満点というよりは、アクセルを踏み込むことによって別の世界に入り込むような静けさがあり、その特異な魅力が、長年読者を惹きつけているのでしょう。

第1巻登場車種:車名(型式)
ポルシェ 911(930)/ 日産 フェアレディZ(Z31)/ 日産 フェアレディZ(S30)/ マツダ RX-7(FC3S)/ 日産 スカイラインGT-R(BNR32)/ フェラーリ テスタロッサ /

『GT Roman』

完結『GT Roman』全8巻 西風 / リイド社

クルマ好きが集まるカフェバーを舞台にした軽妙なタッチの人間ドラマ、『GT Roman』

静岡県沼津市にあるカフェバー「roman」に集まる、エンスー(自動車愛好家)の大人たちが織りなす物語。基本的に1話完結で、それぞれのエピソードで主人公が異なり、クルマに絡むストーリーが語られます。作者の西風先生も沼津在住。romanは架空の店ですが、時折、実在する店やスポットが登場し、地元愛を感じさせる作品でもあります。

まず、魅力的なのがromanに集まる人々と彼らの愛車。乗っている車種は国産の大衆車から、庶民には簡単に手の届かない外車までバラエティ豊かですが、クルマへのこだわりは等しく相当なもの。第1話ではホンダZ(70年代に販売されていた軽自動車)のオーナー・タケシが、romanで旧友の南原にばったり遭遇。南原が乗りつけたポルシェ911を「俺は嫌いだね!!」とくさしながらも、キーを借りて、人生初のポルシェのドライブを味わいます。

大人たちの物語ということで、恋愛絡みのエピソードも。しかし、せっかく仲良くなれた女性ドライバーとお互いのクルマの優劣について口論になったり、テクニックを見せつけようとして失敗したり、オープンカーで飛ばしてナビシートの女性の髪をボサボサにしたりと、クルマ好きの男性ならではの失敗談ばかり。クルマ好きの男性読者にはあるあるネタの宝庫かもしれません。

そんな中、女性陣の注目を集めるのがromanのマスター。オールバックにサングラスのシブい大人で、若かった頃は地元の暴走族チーム全てに一目置かれていたという猛者。旧型のスカイラインGT-Rを乗りこなし、ドライバーとしても一級の腕前です。そんなマスターが活躍するエピソードでは、大人の不良のかっこよさが存分に味わえます。

本作の連載が始まったのは1980年代中頃。60年代や70年代のクルマが旧車として、80年代のクルマが新車として登場しますが、今の視点から見ると、どちらも希少価値のあるヴィンテージカー。定規を使わない描線の繊細さも相まって、どのクルマも魅力的に描かれています。

読めば、エンスーの仲間入りができるような、ワイワイと賑やかな作品。人間模様が多彩なので、クルマの知識がなくても断然楽しめます。

第1巻登場車種:車名(型式)
アルファロメオ 1300GTAジュニア / ポルシェ 911(901)/ ホンダ Z(N360/SA)/ トヨタ ソアラ(Z20)/ BMW 3シリーズ(E30)/ シボレー コルベット(C3)/ シェルビー マスタング GT500 / ホンダ バラードスポーツ CR-X(AE/AF/AS)/ トヨタ MR2(AW10/11)/ スバル 360 / BMW 7シリーズ(E23)/ ジャガー XJ-S / トヨタ セリカXX(A60)/ ホンダ スポーツ S800(AS800)/ トヨタ スポーツ800(UP15)/ 日産 スカイラインクーペGT-S(R31)/ 日産 スカイラインGT-R(KPGC10)/ ダットサン フェアレディ(SP311)/ 日産 フェアレディZ(PS30)/ ランボルギーニ カウンタック(5000QV)/ ロータス スーパーセブン / BMW 6シリーズ(E24)/ アルファロメオ ジュリア・スーパー / いすゞ ベレット1600GTR(PR91W)/ MG MGB GT / ロールス・ロイス シルヴァークラウドIII / バンデン・プラ プリンセス / トヨタ マークII(GX71)/ マセラティ ビトゥルボ / フォード カプリMk3 / MG ミジェットMkI / アルファロメオ 1300GTジュニア

『赤羽がんこモータース』

完結『赤羽がんこモータース』全3巻 田中むねよし / 小学館

がんこな修理工のオヤジを主人公にした人情ストーリー、『赤羽がんこモータース』

クルマの修理一筋50年。がんこオヤジがひとりで切り盛りする自動車修理工場「赤羽モータース」を舞台に描いた、人情系自動車漫画です。

主人公の巌(いわお)は、昭和を今も引きずったようながんこオヤジ。気に入らない客を怒鳴りつけることもしばしばで、「赤羽モータース」は赤字続きです。しかし、一度修理を引き受けたクルマにはとことん愛を注ぎ、見事に復活させていくのでした。

1話につき、1台のクルマが「赤羽モータース」にやって来て、それを修理する過程で、オーナーと愛車のドラマが描かれていくという構成。たとえば、第1話に登場するのは、フィアット500。ずっと調子が悪く、原付よりも遅かったり、交差点で立ち往生したりしていたフィアットを、巌は見事に甦らせます。
ここで描かれているのは、知識に乏しいまま、マニアックなクルマを手にしてしまったオーナーの悲哀です。巌のもとに来るまで、どの修理工場に行っても「珍しいクルマ」ということで法外な修理代を取られ、すっかり修理工場のことが信じられなくなっていたのでした。しかし、巌の人情味溢れる仕事に触れ、一度は売却を考えたフィアットを、これからも愛していこうと考え直します。

毎回、新旧のクルマが登場しますが、旧車が出てくるエピソードのほうが、読み応えがある印象。昭和30年代からずっと現役で使われてきた三輪軽トラックのミゼット、40年前のクルマながら今も峠を疾走するサーブ96、ダムの底に長年眠っていた半世紀前の軽トラックのコニー・グッピーといったクルマが、時を越えるドラマをつむぎます。こういった珍しいクルマには、作者の詳しい解説がつき、クルマの博物誌的な楽しみ方もできる漫画です。

作者の田中むねよし先生は、クルマ雑誌『Tipo』に長年、自らのクルマ経験をもとにした『BOLTS AND NUTS!』を連載してきたエンスー漫画家。中古車の販売士を主人公にした『ココロ自動車』もオススメです。

第1巻登場車種:車名(型式)
フィアット 500 / ランボルギーニ ミウラ / 日産 サニートラック(B122)/ フェノメノン ストラトス / マツダ サバンナRX-3(レース仕様)/ BMC ミニ / MG MGF / フェラーリ ディーノ246GT / トライアンフ TR3A / ホンダ N360 / ダイハツ ミゼット(MP5)

『ぜっしゃか!‐私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科‐』

『ぜっしゃか!‐私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科‐』1~3巻 せきはん / KADOKAWA

ほんわかしたムードの美少女×自動車漫画『ぜっしゃか!‐私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科‐』

『グッバイエバーグリーン』、『モーターサイクルメモリーズ』、『恋ヶ窪ワークス』といったバイク漫画を描いてきた、せきはん先生による自動車漫画。親しみやすさとスタイリッシュさを合わせ持つタッチによる、女の子とクルマの描写が魅力です。

物語の舞台となるのは、一般科目とともに、クルマについて学習する「四ツ羽女子学院」。瀬戸内海の小さな島をまるまる使った、近代的な施設を持つ学校ですが、主人公たちが所属する「絶滅危惧車学科」、通称「絶車科」だけは別。廃校になった小学校の木造校舎で、故障・廃棄された旧車の再生(レストア)を学びます。

主人公・桃瀬莉子(ももせ りこ)は絶車科の新1年生。ボーイッシュな小暮柚葉(こぐれ ゆずは)、口が悪い眼鏡っ子の小手指やよい(こてさし やよい)、穏やかな性格の美間乃々香(みま ののか)といったクラスメートとともに、クルマのレストアをイチから学んでいきます。

最初に登場するクルマは、スズキ・フロンテクーペ。イタリアの名デザイナー、ジウジアーロが原案を手掛けた1970年代の軽自動車です。先輩たちがレストアしたフロンテクーペのエンジンを掛け、テストランに出かける莉子たち新1年生。彼女たちは高1ですが、島内限定の自動車免許を所持できるという設定になっています。

「古いクルマをただ再生するんじゃなくて クルマとユーザーの思い出を再生する」

のが絶車科のモットー(1巻p.59)。2巻に入ると、いよいよ莉子たちが校外に出て、一般庭の車庫の中で眠っていたスバル360をサルベージ。自分達だけでレストアに挑戦することに。こうして女の子たちの成長を描きながら、毎回、昭和生まれの懐かしのクルマが登場するのが本作です。

作者によってデフォルメされたクルマたちは、どれもかわいらしいたたずまい。エンジンを掛けて走り出す姿には躍動感があり、読んでいるとどれも乗ってみたくなります。文化祭での他の学科との対抗レースなども描かれ、学園漫画としても面白い。また、作者による登場車種の解説も読み応えがあり、全編に旧車への愛を感じる作品です。

第1巻登場車種:車名(型式)
スズキ フロンテクーペ(LC10W)/ マツダ T1500 / スバル サンバーバン(初代)/ 日産 スカイライン(GC10)/ いすゞ ベレット1600GT typeR(PR91W)/ バンデン・プラ プリンセス / ルノー トゥインゴ(3代目)/ トヨタ マークII(X10系)/ トヨタ スタウト(RK101)
バイク:カワサキ 500SSマッハIII(H1)

最後に

自動車漫画の特集、いかがだったでしょうか? どの作品からも共通して感じられるのは、作者のクルマへの愛とこだわり。好きだからこそ、多くの人にその魅力を伝えたいという熱意が、ページから溢れています。他にもたくさんの自動車漫画があるので、これを糸口にぜひ、その豊かな世界に触れてみてください。

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