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『フールズ』人類の進化を巡るバカ騒ぎ。今、目が離せないSF漫画を徹底解説【ネタバレ注意】

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『フールズ』人類の進化を巡るバカ騒ぎ。今、目が離せないSF漫画を徹底解説【ネタバレ注意】

私たちが日常的に使う「バカ」という言葉。「バカは死ななきゃ治らない」とか「バカ騒ぎ」とか、いろいろな言い回しがあります。そんな「バカ」という言葉に新たな意味を与え、進化を巡る壮大なSFに仕立て上げたのが、皿池篤志先生の『フールズ』です。現在、単行本が2巻まで刊行。物語はまだまだ序盤ですが、今注目の作品を徹底紹介します!

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※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事には一部ネタバレを含みます

『フールズ』とは?

『フールズ』 1~2巻 皿池篤志/集英社
『フールズ』とは?

まずは『フールズ』の基本情報とあらすじを紹介します。

作者の皿池篤志先生は、2012年に『レイチェル・ダイアル』でデビュー(単行本は全2巻)。2016年には読み切り作品「無限団地」を発表。『フールズ』は、待望の連載第2作で、「グランドジャンプむちゃ」2019年1月号から連載がスタートしました。
2020年6月19日には、単行本1&2巻が同時発売。帯には、『イエスタデイをうたって』の冬目景先生と、『東京喰種 トーキョーグール』の石田スイ先生が推薦コメントを寄せ、注目されました。

物語の舞台は、現代の日本。しかしそこは、人間が「バカ」に突然変異して、大きな騒ぎを起こす世界でした。「バカ」に変異した人間は、警視庁の交渉課(ネゴシエイター)によって、無情にも「処分」されてしまいます。「バカは死ななきゃ治らない」というわけです。

主人公・須永文子は、ネットにアップされた「バカ」の画像を集めることが趣味の、地味系女子高生。クラスでは孤立し、男子からも女子からもいじめられていました。日々の憤りを壁の落書きにぶつけていたとき、文子の周囲にはうねうねと蠢くドス黒い何かが……。彼女は自分が「バカ」になってしまったことを悟り、パニックに陥ります。

文子を処分するために動き出す、ネゴシエイターたち。命の危機にさらされた彼女は、突然現れた男女2人組によって、助けられます。サンディとワタナベと名乗る彼らは何者なのか?「バカ」となってしまった自分はどうなるのか?警察だけでなく市民からも敵対視され、もう普通の生活には戻れない文子の奮闘が始まっていきます。

『フールズ』あらすじ

『フールズ』の登場人物

本作の主な登場人物を紹介します。まだ2巻しか出ていないので、多くの人物について未だ詳細が明らかになっていません。このミステリー感が素敵。

須永文子(すなが あやこ)

『フールズ』須永文子(すなが あやこ)

本作の主人公。運動も勉強も苦手な女子高生。「バカ」に魅せられており、写真を蒐集したり、ノートにイラストを描いたりしていたために、クラスメイトから気味悪がられ、イジメを受けていました。さらに文子自身も「バカ」になり、ネゴシエイターに追われる立場になります。ここまで散々な主人公ですが、サンディと渡辺に助けられ「隠れバカ」として生きていくことを決意します。人間ではないサンディを恐れも嫌いもせず、サンディからは懐かれていますが、自他共に認める「変」わった感性の持ち主。携帯に保存された「バカ」の画像は1385枚!

サンディ

『フールズ』サンディ

文子をネゴシエイターから救った謎の2人組のひとり。銃で撃たれても死ぬことはなく、どう考えても普通の人間ではありませんが、その正体は「ノイズ」。自分を恐れない文子を気に入り、

「アタシがキミを守ってあげる」
「キミは生きていていいんだよ!!」

と力強く宣言。とある目的のために渡辺と組んで「バカ」を保護して回っています。渡辺との関係は不明。「ノイズ」である以上、宿主が存在するはずですが……。

渡辺大介(わたなべ だいすけ)

『フールズ』渡辺大介(わたなべ だいすけ)

文子をネゴシエイターから救った謎の2人組のひとり。サンディと組んで「バカ」を保護して回っています。スカジャンとタバコが少し不良っぽいですが、わりと普通のおじさん。「元」刑事であり、交渉課の斑目とも面識があるようです。サンディとの関係は不明。渡辺は「バカ」ではないため、サンディの宿主であることは否定しています。

町田千夏(まちだ ちなつ)

『フールズ』町田千夏(まちだ ちなつ)

率先して文子をイジメていたクラスメイト。須永家と同じマンションの住人で、もともとは一緒に原宿に出かけたりする友達同士だったようです。文子へのイジメが始まると、とばっちりを恐れてイジメる側に回り、文子が「バカ」になった夜には、助けを求めてきた文子を蹴り飛ばして逃げ出しました。

じつに友達甲斐がない薄情者に見えますが、誰だって怖いものは怖いし、そんな自分の行動に負い目を感じて煩悶したり、素直に文子を心配してあげる優しさがあるのも事実。きっと彼女こそ「普通」の女の子なんだろうと思います。お互いを名字で呼び合うどこかよそよそしい会話の中、

「文子 ──」

で始まるシーンは、個人的に2巻屈指の名場面。ぜひ本編でチェックしてみてください。

新田匡(あらた たすく)

『フールズ』新田匡(あらた たすく)

文子のクラスメイト。じつは半年くらい前から「バカ」。偶然、ノイズをうまく処理していたため、ネゴシエイターや他の「バカ」から感知されることなく、意図せずに「隠れバカ」として生活していました。密かに想いを寄せていた文子が「バカ」になったと知って、彼女を探していましたが……。

若干サイコパスっぽい人物ですが、もともとの性格なのか?「バカ」になって変わったのか?あるいはその両方なのか?彼の特徴は「バカ」のモデルケースとして記憶しておくと良い気がします。なんとなくそう思うだけで、特に根拠はありません。

斑目(まだらめ)

『フールズ』斑目(まだらめ)

ネゴシエイター。交渉課内では班長と呼ばれています。上司である交渉課課長を「所詮はお飾り」とばっさり。会議の様子などから交渉課の実質的なトップであることが伺えます。淡々と職務を全うする冷静沈着な姿は冷徹さすら感じますが、現時点では人となりはよくわかりません。文子の両親に聞き込みを行った際には、「バカ」が危険な存在だと説き、自身の姉が「バカ」に殺された事実を明かしました。渡辺とは既知の間柄のようですが……。

三崎(みさき)

『フールズ』三崎(みさき)

若手ネゴシエイター。交渉の段取りを無視して「バカ」を殺そうとするわ、「バカ」をコンクリート詰めにして海に捨てるという話を嬉々として語るわ、人間はヤれねーのか……とつぶやいてみるわで単行本2巻時点では只の危ない人。一応、警官のはずですが……。生真面目そうな斑目が三崎のような人物を野放しにしておくとは思えないので、何かしら事情があるのかもしれません。斑目がそこまで管理しているかはわかりませんが……。

九条(くじょう)

『フールズ』九条(くじょう)

「バカ」によって構成された「バカ」を保護する組織「フールズ」の代表でヤクザの組長。ヤクザの世界で生き抜くために猜疑心の塊となり、結果、人の心を読む力を身に付けた「バカ」。九条の能力をもってしても心が読めないサンディのことを「心がないバケモノ」と呼んで嫌っています。いわゆるスジ者らしさは感じさせませんが、文子がフールズに入る際には耐久テストと称して拷問まがいのことを平気で行いました。やはり本職。

飄々として掴みどころのない人物なので油断はできませんが、単行本2巻時点ではフールズの頼れる代表。「バカ」になってしまった文子や愛々がのびのび生活できるのは九条のおかげでもありますから、その点、ありがたい存在です。

小原ロミオ(おはら ろみお)

『フールズ』小原ロミオ(おはら ろみお)

フールズのメンバー。ネゴシエイターから「バカ」を救う救助部隊の隊長。人間離れした身体能力と、空間にナイフを生成する能力を獲得した「バカ」。酷いイジメを受けていた経験があり、「弱さ」に対して強い拒否反応を示します。そのため、気弱な文子にきつく当たりますが、文子の(悪意はないけど)辛辣なツッコミに撃沈。九条に心酔しており、九条が嫌うサンディを疎ましく思っていますが、こちらもサンディに手玉に取られ撃沈。頑張れ少年。でも暴力は良くないネ。

長谷川愛々(はせがわ あいあい)

『フールズ』長谷川愛々(はせがわ あいあい)

フールズのメンバー。文子が初めて助けた「バカ」で「空を飛ぶ」というなかなか強力な能力を獲得しています。文子を先輩と呼んで慕い、事あるごとに文子につっかかるロミオとはよく口論になります。かなり身長が高いようで、文子よりだいぶ高く、暮坪より少し低いくらいに見えます。その高身長にゴスロリファッションを纏い、かなり長めのツインテールを結んでいます。外見は特徴的ですが極端にキャラが濃いということもなく、むしろフールズのメンバーのなかでは一番普通っぽいかもしれない女の子。性格は良くも悪くも裏表がなく、頭の回転も速そうです。

暮坪雄太(くれつぼ ゆうた)

『フールズ』暮坪雄太(くれつぼ ゆうた)

フールズのメンバー。ネゴシエイターから「バカ」を救う救助部隊の「偵察」を務めます。顔がわからない画像のチョイスでごめんなさいですが、まだ出番が少なく、能力の説明もきちんとされていないので、こちらの画像がわかりやすいかな、と。獲得した能力は「透視」、あるいは「千里眼」といったところでしょうか。ビルの外側から部屋の様子がまるわかりです。性格的にはおっとり、のんびりした大人し目の青年に見えます。今後の活躍に期待です。

美鈴(みすず)

『フールズ』美鈴(みすず)

フールズのメンバー。半径100km以内の音を聞き分けるという、すごい能力を獲得した「バカ」。その能力でアジトにいながらネゴシエイターの罠を看破したこともある心強い存在です。ヤクザの組長でフールズ代表の九条にもズケズケとモノを言うタフなお姉さま。鋭い洞察力もお持ちのようです。

年齢不詳ですが、この後のページで展開される年齢に関するやりとりに和みます(笑)。

浅川(あさかわ)

『フールズ』浅川(あさかわ)

“最強”のバカ!強烈なインパクトの登場シーンですが、単行本2巻時点で彼についての詳細は未だわかっていません。登場前後の描写から「逮捕・勾留されている」「殺せない」「ネゴシエイター側の「バカ」は浅川」という認識で問題なさそうです。

浅川の能力や逮捕に至る経緯は謎ですが、「東京23区のうちひとつが今はもうない」という事件との関わりを匂わせる描写があります。その事件は詳細が世間に知らされていないとのことで情報が少なく、あくまで憶測、ミスリードの可能性もあります。仮に、浅川が区をまるごとひとつ消滅させたのだとしたら、なかなかエグい能力であることが予想されます。できれば敵に回したくない相手ですが……。

神菜(かんな)

『フールズ』神菜(かんな)

サンディをママと呼ぶ少女。サンディとお揃いのツノのようなものが生えています。えっ、サンディの子供?父親は?サンディはノイズですが……?などなど、様々な疑問がどっと湧いてきます。

確かなのは、サンディとワタナベの行動原理が「全部この子のため」であること。神菜のために「バカでも生きていける世界を作る」ことを目指しているようですが……。作中におけるいくつかの謎の核心に近い存在であることは間違いなさそうです。

『フールズ』の世界

本作の基本的な世界観と、キーとなる用語について紹介します。

バカ

『フールズ』バカ

作中の会話で「バカ」という単語は、

・「バカ」(人間本体)
・「バカ」(人間本体)が生み出した異形のモノ

の両方を指すため、やや混乱しがちです。
交渉課やサンディ達のように「バカ」についての専門知識を持つ者は、

・「バカ」(人間本体) = 「バカ」
・「バカ」(人間本体)が生み出した異形のモノ = 「ノイズ」

と呼んで区別しています。

以下、本記事内でも上記の名称で統一しますので、本項では「バカ」(人間本体)について記述します。単行本2巻時点でわかっていることは、

・80年前から発生し始めた。
・「ノイズ」と呼ばれる異形の物体を生み出す。「ノイズ」の宿主。
・「ノイズ」の気配を感じられる。
・ひとつだけ特別な能力を持つ。
・死ななきゃ治らない、と言われている。
・とても危険な存在だから殺されなければならない、と言われている。
・警察の交渉課によって「処分」されてしまう。
・人類の進化のいち形態と考えている人たちがいる。
・「バカ」の発生件数は年々増加している。
・「バカ」を保護する「バカ」の組織が存在する。
・5年前に23区の1つが消失した事件に「バカ」が関わっているという噂がある。

といったところでしょうか。
「バカ」とは何か?という問に対する説明は作中にあるのですが、まだまだわからないことだらけ。解は『フールズ』という作品のテーマそのものと思われるので、ワクワクしながら物語の続きを待ちたいと思います。

ノイズ

『フールズ』ノイズ

「バカ」になった人間は、さまざま形状をもった異形のモノを発生させます。ネゴシエイターやサンディ達のように「バカ」についての専門知識を持つ者は、「バカ」(人間本体)と区別するために、それを「ノイズ」と呼びます。

「ノイズ」の正体もよくわかっていません。単行本2巻時点では、

・「バカ」が無意識に生み出してしまう。訓練すればコントロール可能。
・文子は色や形もある程度はコントロールできるようになってきている。
・サンディ自身がやや特殊な「ノイズ」である。
・サンディにとってはゴハン。共食い……。
・「バカ」は「ノイズ」の気配を感じることができる。

といったことがわかっています。
ネゴシエイターは「ノイズ」を感知することで「バカ」の居場所を特定しますが……?

隠れバカ

『フールズ』隠れバカ

文子が生き残るには、ネゴシエイターから逃げ続けなければいけません。「ノイズ」を隠すこと、つまり「隠れバカ」になることができれば、それが可能だとサンディは教えてくれます。そして、彼女の指導のもと、文子は「ノイズ」をコントロールするための訓練を始めます。

交渉課

『フールズ』交渉課

警察組織のいち部署で、設立の経緯や組織図などの詳細は不明。交渉課、または交渉課の警官はネゴシエイターと呼ばれています。「ノイズ」を感知して「バカ」を探し出し「交渉」後に処分(主に銃殺)します。

「交渉」の内容は、

「ソレを消しなさい」

という警告を3回繰り返すのみ。

大抵の場合、自分が突然「バカ」になってしまったことに戸惑うばかりで「ノイズ」を消すどころではありません。実質、問答無用で射殺されます。コワイ。この「交渉」をくぐり抜けた猛者は存在するのでしょうか……。

フールズ

『フールズ』フールズ

「バカ」によって構成された「バカ」を保護する組織。代表は九条。
サンディ曰く、

「元々はあたしが作ったモンなのにさ」

とのことなので、サンディと渡辺による保護活動が起源であると思われます。九条曰く「フールズ」という組織の命名もサンディによるもの。単行本2巻時点では詳細はわかりませんが、サンディと渡辺の会話から、保護した仲間は100人に達するかという規模感、活動範囲も首都圏に留まらないことがわかります。

ロミオや文子たち救助隊は日々「バカ」を保護しているので予想はできましたが、組織の規模は思いの外大きいようです。文子たち救助隊クラスの能力を持ったチームが増えてくると「バカ」の力が増して「追われるもの」ではなくなる可能性も見えてきますね……。

『フールズ』のここが面白い!

本作の魅力を4つのポイントに分けて紹介します!

本当は怖い『フールズ』

『フールズ』本当は怖い『フールズ』

警官が公然と「バカ」を射殺する、という衝撃的なシーンで物語がスタートする『フールズ』。

日本の警官は正当防衛や緊急避難といった特別な理由なしに人に危害を加えることはできません。重犯罪者でも刑が執行されるまでには起訴や裁判といった煩雑かつ時間がかかる手続きが必要です。作中の交渉課による「警告3回、即ズドン」は略式もいいところ。この世界において「バカ」は「非常に危険な存在」と認識され、もはや「人権が無い」のだと想像できます。これめっちゃ怖いですよ。

さらに怖いのが、一般市民の認識の緩慢さ。
多くの人が「バカ」について大した知識が無いように見えます。そのくせ、「バカ」が殺されるのは「バカ」だから仕方ないと受け入れている。本当にぞっとするのはこちらですね。

そういった気持ち悪さへのアンチテーゼとして文子の「変」さがあると思うのですが、その文子が「バカ」として当事者になる流れもなかなか……。衝撃的な怖さの裏に静かな怖さが潜んでいる『フールズ』。ぞくぞくします。

ポップな絵柄と軽快なテンポ

『フールズ』ポップな絵柄と軽快なテンポ感

前述した怖さを覆い隠してしまう程の柔らかさやポップさも本作の特筆すべき魅力です。キャラクターは可愛らしく、文子やサンディはもちろん、ヤクザの組長や元刑事でさえどこか愛嬌があります。掛け合いの独特な間はシリアスとコミカルを行ったり来たり。肩透かしを食らってつい吹き出してしまうこともあれば、大事な何かをはぐらかされたのでは?と勘ぐってしまうことも。このギャップがたまらないのです。「ノイズ」のビジュアルも、色とりどりのぬいぐるみのモンスターのようで魅力的です。

シミュレーション物としての面白さ

『フールズ』シミュレーション物としての面白さ

もし、異形のモノを生み出す「バカ」が、人間の中に生まれてしまったら、人間社会はどうなってしまうのか? 一つの仮定から架空の日本の姿を想像するシミュレーション漫画としての面白さも、本作の特徴です。そこでキーになる言葉が、斑目がいう「総監視社会」。市民が率先して、身近に「バカ」がいないか監視し合い、「バカ」に対してはそれが子どもであろうと残忍に振る舞う恐ろしい社会です。「バカ」の発生によって、日本の社会はいったいどうなってしまうのか……?

我々が生活している社会でも意外と知らないことは知らないままだったり、最初はもめるけどすぐに慣れてしまったり。案外、バカが発生した社会は限りなくフールズの世界に近いのかもしれません。そんなことを考えてワクワクするのがSFの醍醐味。

「進化」をテーマにした壮大なSF

『フールズ』「進化」をテーマにした壮大なSF

結局のところ、「バカ」とは何か。それは人間が新たな環境に順応させるために獲得した「進化」なのではないか? そういう考え方が、本作の底に潜んでいます。サンディが文子に、今この世界にいる生物の全ては、最初にバカになった個体がいたからこそ生まれてきた、と語るシーンは、本作のテーマそのもの。それに続く、「世界は多様性でできている 変わり者で世界はできてんだよ」という彼女のセリフが印象的です。
本作は「進化」をテーマにした、壮大なSF作品でもあるのです。

終わりに

発行されているのは2巻までで、まだまだ物語の序盤である本作。多くの謎が残されていて、読者にとって考察の余地がたっぷり与えられている段階です。今後、巻が進めば、その面白さによってアニメ化などもあり得そう。今のうちにチェックしておくことを、強くオススメします!

『フールズ』 1~2巻 皿池篤志/集英社
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