20XX年10月4日、3人の中国人男性が尖閣諸島のひとつ、南小島に上陸したのを契機に、この壮大かつスリリングな物語の幕が開きます。救助に向かった海保特警隊員に対し、漂着した中国人男性は「ここは我が国の領土!! 俺たちは自国の救助を待つ!!」と主張。中国による尖閣諸島の武力占領作戦の火蓋が切って落とされるのです。
そんな中国の動きを阻止すべく、日本政府は自衛隊に史上初の防衛出動を命令。そして、自衛隊初の空母「いぶき」の艦長・秋津竜太が率いる第5護衛隊群が作戦に乗り出します。
2019年に西島秀俊主演で映画化された本作。『沈黙の艦隊』(講談社)や『ジパング』(講談社)のかわぐちかいじ先生作品だけあって、スケールは壮大で物語の展開はどこまでも緻密、そしてすべての登場人物がかっこいい……! さまざまな政治的意図がからみあい、作戦シーンでは専門用語が飛び交うため、最初は少し取っつきにくいかもしれません。しかし、一度物語に入り込んでしまえば、そこからはノンストップ。艦や戦闘機の操縦技術へのプライド、運命をともにする仲間同士の絆、そして自衛官としての信念――もう心が震わされっぱなしです!
中国の行動を一度容認すればズルズルと領土を奪われていくかもしれないという緊張感を伴う外交交渉、「戦闘」ではなく「防衛」を前提とした命がけの領土奪還作戦。実現不可能にも思える試練の数々に立ち向かう、政治家や自衛隊員たちの勇気と知略が力強く描かれています。
また、実際の政治情勢にも通じるシビアなシチュエーションや自衛隊のあり方など、考えさせられることの多い作品であり、最先端技術を搭載した艦や戦闘機がぶつかり合う様に心躍る極上のエンターテイメントです!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前巻で始まった潜水艦同士の魚雷戦。
そして、イージス艦による艦砲射撃。
さらに、今回は国際的な意味での政治シーンもあり、とても面白かったです。
Posted by ブクログ
・56 「左舷20メートル」って、近接信管で終わってるけど。
・57 じっとしていても、磁気感知で見つかるような。
・58 せとぎり被雷。対潜ヘリを飛ばして、この体たらく。
・63 けんりゅう浮上。戦闘域では、まずやっちゃいけない行為。
沈黙の艦隊再び
海中では魚雷の乱打戦。緊迫した潜水艦バトルが繰り広げられる。『沈黙の艦隊』を彷彿とさせる艦長同士の心理戦。これぞ、かわぐちかいじの真骨頂。
Posted by ブクログ
占領された尖閣諸島に対する自衛隊艦隊の砲撃が開始。その間、海中では、日中潜水艦の戦闘が開始された。しかし、中国が補給を開始していく。それに自衛隊艦隊がどのように立ち向かうか。。
実際に有る話
あまりのリアルなストーリーにビックリしてしまいました。
本のストーリーのような事が起きないよう、祈りたいのですが、
もし、このような状況に置かれた時、自分は何が出来るのか、国として何が
出来るのかと考えてしまいました。
早急に国土防衛を、真剣に、論議しないといけない時でしょう。
Posted by ブクログ
尖閣砲撃作戦の海面下で繰り広げられる潜水艦戦、そして瀬戸艦長の自艦を魚雷攻撃の盾とする戦法が登場。
映画ではまったく異なるシチュエーションで使われいたけど、原作ではかなりギリギリの状況だったんだなと。あと、読み返したら瀬戸艦長じゃなくて清家艦長の「せとぎり」だった。
しかし、実際に見たことのある艦艇がこうやって活躍するシーンは感慨深いというか、恐ろしいというか、なんだか複雑な思い。映画の第5艦隊は全て架空の艦名だったのはそういう配慮もあったんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
"海の下で、潜水艦が互いの理屈で攻防を展開する。
尖閣を不当に占拠した中国軍へ砲撃すべく自衛隊が展開する。
これは漫画の世界だが、現実の世界でも北朝鮮が大陸間弾道弾の発射実験を行い、アメリア合衆国全土を射程可能なミサイルの開発に成功と発表している。
こんな時代だからこそ生み出された作品。早く続きを読みたい。"
Posted by ブクログ
息詰まる海中戦。尖閣奪還のための護衛艦あたごを守る潜水艦と僚艦。中国との対決を意識した空母いぶき艦長・秋津一佐の作戦はいかに……前集の切れ場のさらに上をゆく切れ場に惹き込まれる。