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Posted by ブクログ
読書録「化学探偵Mr.キュリー6」5
著者 喜多喜久
出版 中央公論新社
p261より引用
“ 研究内容がマイナーで誰の役にも立たな
くても、実質的には誰かの下請けのような作
業をしていても、独自の理論が実証できずに
苦しんでいても、「自分は研究者なのだ」と
いう矜持を捨てない限り、存在意義を失うこ
とはない。”
目次より抜粋引用
“イントロダクション
Step 1
Step 2
Step 3
Step 4”
優秀な化学者と大学職員を主人公とした、
長編ミステリ。シリーズ初の長編作品。
大学に勤め始めて二度目の夏も終わりに近
づき、季節の移ろいを思う主人公・七瀬舞衣。
夏休みの出勤シフトのために職場に向かった
ところ、出勤予定ではない上司の姿があり…。
上記の引用は、天才ではない人間の要不要
についての一文。
世の中の多くの職業人についても、こういう
気持ちでいることで、続けていけるようであ
れればいいなと思います。もちろん私もこう
であろうと思います。
ここまでのシリーズの一区切りといった感
のある一冊。初の長編で雰囲気が変わるかと
思いましたが、主人公以外を含め、人物像や
舞台背景が出来上がってきているので、無理
なく楽しめました。将来ドラマ化の後、映画
化されるのであれば、この話になるのでしょ
う。
主人公・七瀬舞衣のこれまでの行動に、一
つの答えが出ます。情けは人のためならずと
いったところですね。
ーーーーー
Posted by ブクログ
シリーズ 初の 長編ですね。
いっきに 読ませてもらいました。
化学式には とんと 疎いのですが
楽しく 読めました。
次回作が 楽しみです。
Posted by ブクログ
化学探偵シリーズ初の長編でした。
主人公である沖野の研究室にエリーという天才留学生がやってきて、トーリタキセルAの全合成に挑戦するという物語。
エリーを通じて、沖野自身が研究者としての自分を確立していく様が描かれており、研究者という生き方に好感が持てる内容でした。
また、沖野と舞衣との関係がとても良好なものになっており、今後の展開を期待させる内容でした。続きも読みたいと思います。
Posted by ブクログ
初の長編、アメリカから留学の若き天才女子が秘めた問題解決をしながら、才能や化学への情熱、研究課題などいろんな問題への追究が進むのが面白い。有機化学の面白さも伝わってきて尚楽しい一冊。
Posted by ブクログ
自分に化学の楽しさを教えてくれた日本人学生を追ってくるとか情熱的
読む前はもっと舞衣とバチバチ火花を散らすのかと思ったけどそんなことはなく、凄く平和的でよそよそしい所がある姉妹みたいだった
美味しいショートケーキを食べた時のエリーが可愛くて好き
それに大人の身勝手な事情に巻き込まれた二見くんがまた前を向けるようになってよかった
今まで出会ってきた人達が協力して二見くんを探してくれたり、沖野先生を可愛がってる偉い人が圧力かけたり、氷上さんが協力してくれたり胸熱展開でした
Posted by ブクログ
シリーズ第六弾。初の長編。
探偵役は沖野春彦准教授だけど、主役は天才エリーと
エリーに有機化学を教えた学生。
七瀬舞衣が、留学生受入れ担当として、飛び級で
大学に入った天才エリーの面倒を見る事になった。
そしてエリーの研究担当になるのが沖野春彦准教授
しかし、その研究の裏に隠されたきな臭い事件とは?
いつになく緊張感漂う進行にドキドキしましたよぉ
「何の為に生まれて、何をして生きるのか、
答えられないなんてそんなのは嫌だ」
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シリーズ第6弾。
長編です。
大学化学科准教授と大学庶務課事務員のコンビが謎解きをする化学ミステリー。
アメリカに住む少女と日本で化学を学ぶ学生とが運命の出会いを果たす。
数年後、少女の想いが化学を離れた学生を救えるのか~なお話。
大学教授の椅子に居座る害悪の登場で腹が立つ場面もあるが・・・シリーズ初めての長編ということでとても楽しめました。
Posted by ブクログ
クイーン・オブ・おせっかいの七瀬舞衣の面目躍如たるお話だ。アメリカから四宮大学に留学にやってきた16歳のエリーのお世話を全力で行う。当然、Mr.キュリーこと沖野は巻き込まれてしまう。指導教官でもあるのだが、それ以上の世話を焼いてしまう。舞衣の影響には違いない。このシリーズの視点の中心は舞衣だが、沖野の心境の変化の物語でもあるかもしれない。元製薬会社の研究員の著者らしい化学の研究の話だが、素人にも大枠は分かるように書かれている。例えがいろいろ出てくるが、ちょっと面白い。最後はお約束の展開かな。
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長編だけあって、今回は化学探偵というタイトルに合った内容でした。
七瀬さんのお節介に慣れたのか沖野准教授もいつの間にか悩み解決に積極的に関与する性格に変わっており、しかも事件解決に過去の関係者達が一丸となって協力するというシリーズものならではの展開が良かったです。
Posted by ブクログ
シリーズ初の長編、ということで今までのように賑やかな感じではなく、この、著者の別の作品に感じるような透き通った静かな気配のする話でした。トーリタキセルA、海外からの天才留学生と、二見という元学生、最後の方はオカルトサークルや、これまで登場した人たちが次々に姿を表して、なんだか物凄く感動した。
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エリーが抱える謎と二見の中退の理由、そして沖野の宿題、色々なエピソードが錯綜してしまって、少し焦点がぼけてしまっている感じはあるかな。あと、結末はちょっと物足りなかったな。
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天然化学物質の全合成を研究しているストーリー。正しいと思っていた物質の構造が実は間違っていて合成の失敗が続いていた。当たり前に正しいと思っていた事実が誤っていたことによって引き起こされたことだった。物事の定義自体を疑うことも必要だということを伝えてくれた。
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迷子になる人の特徴は方向感覚の鈍さと無謀な行動力にある。
「何かおかしい」と気付いた時点で立ち止まり、周りの人に聞くなり引き返すなりすれば迷う事はない。
小さなつまづきの時点で足を止めず「きっとこっちだ」と強く思い込んで移動を続けるからこそ現在地すら分らないほど遠くまで行ってしまうので。
激しく同意の名セリフ!
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四宮大学にアメリカから留学生が来ることになった。彼女は十六歳で大学に入った化学の天才エリー。沖野の研究室で天然素材「トーリタキセルA」の全合成に挑むことになるが、天才コンビ沖野&エリーにしても最終段階で合成に失敗してしまう。原因を調べていくと、大学内でのきな臭い事情が絡んでいることが見えてきて?
Posted by ブクログ
初の長編とのこと。科学を使った謎解きは、理屈がはっきりしちゃってるから、あっさり終わらざるを得ず、長編との相性はそんなによくないのかもしれないなぁと思う。
となると、登場人物の心の葛藤とか人間ドラマが中心になるわけで、科学を武器に愉快?痛快な解決劇とはならず、少し間延びした感じになったというのが正直なところ。登場人物の秘密も「秘密」にするほどの特徴か?という気がして、そこにも間延び感はなくはない。
あと、過去の登場人物が勢揃いする勢いででてきたから、これで最終回なのかと思っちゃったよ(笑)
Posted by ブクログ
飛び級天才留学生を中心とする長編。迷子気質のうえ日本語が全く話せないとはいえ、大学職員が毎日送り迎えすることに違和感。しかも秘密をもったいぶりすぎて、わかったときに拍子抜け。沖野先生がだんだん普通のいい人になりつつあるのがある意味心配。