【感想・ネタバレ】からくりサーカス 20のレビュー

身の丈ほどもある大きなトランクを持った少年・才賀勝に「サーカスに連れて行ってくれませんか」と頼まれた、拳法家の青年・加藤鳴海。そこに人間と見紛う奇妙な人形が現れ、勝を連れ去ろうとします。拳法が通じない人形相手にピンチを迎えた2人の前に現れたのは、謎の銀髪の美女・しろがね。さあ、ここに世紀の機巧活劇が開幕する――。

不死の体を持つ人間「しろがね」と自動人形(オートマータ)との闘いを、国境そして時空を超えて壮大なスケールで描いた藤田和日郎先生の代表作。
これほどまでに人間の持つ感情、喜怒哀楽全てがビビットに描かれた作品を私は他に知りません。ストーリーは闘いを中心に進んでいくのですが、その闘いに身を投じた「しろがね」達の生き様、闘いに巻き込まれた人間の悲劇、そして「しろがね」ではないものの大きな鍵を握る存在である勝の成長――その全てがクソデカ感情でもって読者の胸に迫りくるのです。

登場人物たちは火傷しそうなほどの熱さを持った愛すべき奴らなのですが、物語は彼らをあざ笑うかのように残酷な展開を見せます。なので、後半は傍らにティッシュのご用意を。

「面白い」「ドキドキする」「泣ける」「感動する」「怒りを覚える」「声を上げて応援したくなる」。こうした漫画体験の全てが詰まったこの作品、陳腐ですが、読まないと人生の半分損してると言わざるを得ません……!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

一人でも多くフランシーヌの元へとみんなを守ってきたナルミ、しろがね達も心をひとつにしてナルミにすべてを託して死んでいく。が、その前に立ちはだかるアルレッキーノを倒す寸前、ボロボロのナルミは力尽きて倒れる…
そこに黒賀村から搬送されてきたルシールの人形を持って阿紫花としろがねーOのジョージが到着!

「死刑執行人は、最後に入場するものなのさ」

アンジェリーナがいなくなった後、アンジェリーナの代わりにと作られたアンジェリーナ人形だった。
が、アンジェリーナはフランシーヌと瓜二つ。
その人形が控えよというだけで、忠誠心の強い最古の4人形は動けなくなってしまうのだ。さすが人形!

ルシールはリーダー的存在のドットーレ相手に挑発を繰り返し、彼自身にフランシーヌなど、己になんの関係もない!と言わせる。その言葉を待っていたルシール、しかし相討ちとなる。
ドットーレはフランシーヌを笑わせることが存在する理由だった為、自我を持つと存在していられなくなるのだ…

ルシールの退場、ちょっと泣いた…もっと長生きしてほしかった・・・(十分長生きだけど)

が、悲しんでいる場合ではない。ナルミの心臓が止まっている!
この男を死なせてはいけない、医療用カプセルで手術が始まる。(医者をしているしろがねがいるのだ)

それまで、しろがねと人形の戦いには関係ないと傍観していた阿紫花も、人形を使って戦いに参加していく。
(前の巻でルシールの人形をジョージと運んできた阿紫花はテントの周辺にまき散らされた病原菌によりゾナハ病を発症、ジョージは仕方なく自分の血を飲ませ阿紫花のゾナハを治し協力を要請。飲ませた血が少量なのでしろがねに変化はしていないのかも。)

かつてクライアントを裏切り標的だった勝について契約金をもらった後高飛びして豪遊していた彼は、ただなんとなく生きているだけで全然楽しくなさそうだった。
やはり人形を操って戦うと生き生きしてしまうらしい。久々にかっこいい阿紫花が見れます。
まあ、殺し屋なんだけど…いいキャラです。
ジョージにちょっかい出したり会話しようとしたり、意外と社交的?

しかし、鳴海の手足は石化がはじまり粉々に!
内臓まで石化したらジ・エンド!
これまでの戦いで、それぞれが深刻なダメージを負ったしろがねたちは命がけでナルミの命をつなごうとする…

「キライなわけないでしょ、クソババア!!」

「おかしいね、アンジェリーナ
 テントの中に雨が降る・・・
 なんてあたたかくって 赤い雨……」

「自分の持ち時間は、決して憎むことに使ってはいけないよ。愛することに使うんだ。
 そうすれば、出発する時が来ても、…きっと…後悔はしない。」

「ねーさん、ホレた男の名を呼ぶ時はもっと色っぽい時って、相場が決まってるんですぜ。」

「しろがねは、昨日の復讐のために破壊を続けてきた。だが…あの男は…あの男だけはいつでも…明日に向かって吹いていたのだ。」

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2016年10月08日

Posted by ブクログ

大好きなルシールの最後。
本当にルシールに限らず藤田漫画のキャラクターの最後は素晴らしい。
でも悲しいので星はマイナス1

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2009年10月04日

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