4度にわたりドラマ化された人気医療マンガ『医龍』!
教授に気に入られた者が出世する腐った封建社会と化した大学病院を変えるべく、教授選に出馬する加藤晶(かとうあきら)。しかし、女性の加藤では教授選での票の獲得は見込めない。
そこで教授選を勝ち抜くために天才外科医の朝田龍太郎(あさだりゅうたろう)を迎え入れ、大学病院の頂点を目指すが…。
この作品はとにかく登場人物たちにもの凄い魅力があります。
患者の事を第一に考え、圧倒的な技術で難しい手術を成功させていく朝田。医局内で自分が生き残ることしか考えていなかったが、朝田と出会い成長していく研修医の伊集院。大学病院の改革を目指し、女性初の教授を目指す加藤。
彼らバチスタメンバーが患者の命を救う為に奮闘する医療マンガとしての側面は勿論のこと、教授選を勝ち抜くために行われる心理戦や派閥争いといった人間ドラマも必見です!
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読解力不足
以前読んだ時に、朝田に後遺症が残って弱体化しながらもNGOで奮闘してるENDだと解釈して残念に思っていたのだが、
2周目読んだ今、それが完全な読み違いだと理解した。
朝田が右手を気にしていたのは加藤ちゃんにキスされたからで、明真から去るのは加藤ちゃんの愛から逃げるためだったわけだ。
スッキリした。
いずれ友達である鬼頭に加藤ちゃんから逃げるためだったと話す日がくるのか……。
木原毅彦(だっけ?)が好き
最初は武田鉄矢のような外見でどう考えてもサブキャラ(寒キャラ)で、悪役としてすら雑魚なんだと思っていたのに。
お母さんの手術のくだりから涙涙で、教授選が始まってからはもはや一番愛おしい存在に。
最後の手紙でも泣かせてくれました。
お医者さまになったのだから、本当の意味では決して凡人なんかではないのだし(しかも大学病院の医局でそれなりに存在していられるのだから間違いなく医大の中でも良い大学を出てるわけで)、離婚してなお息子さんを医大に入れたお母さんを本当に尊敬する。こんな偉大なお母さんでは多少のマザコンは仕方ない。
マザコン駄目という風潮だけど、私はお母さんを大事にする人は昔から素敵だと思う。身近な人を愛せない人は離れた人だって愛せないんじゃないかと。お母さんは誰にとっても最初の一番身近な存在なんだし。まぁ私自身は母親とは微妙だけど。そして父親とも微妙だけど。だからこそ、芯から母親を愛せる人を素敵だと思う。
朝田の家族関係についてはあんまり語られなかったけれど、両親とは縁が薄かったような描かれ方だから、だからこそあれほど自由を愛するというか、束縛や執着や愛着を恐れるというか、そういう所があるのかもね。
いや〜タラブチ、凡人にすらなれない嫌な役を最後まで貫いてくれて。でもまた彼の成長を信じたいような、そんな素敵な終わり方でした。
漫画という才能の世界で生きるのはきっと大変な事なんだろう。医者という世界もきっと大変なんだろう。才能という非情なモノの切り取り方がリアル。作画の人は漫画以外もある程度器用にこなせる人なのかも。弱者へのエールはありつつも、妙なコンプレックスとか、苦しさは感じなかった。前向きでサラッとしてる。原案の人は色々あった筈。
途中の巻で伊集院くんが言っていた、普通が一番難しいのかもしれない。最後にスタンドプレーをして清々しく辞めていく人間よりも後に残る人間の方が大変だ、という言葉がグサリと来た。特別な才能がなくても、誰にも褒められなくても、倦まず飽かず普通を貫ける人間こそが実はスーパースターで、社会に必要な人間なんだろう。
凡人や凡人未満(ここ重要)を全力で応援する終わり方は、かつて天才を夢見てなれなかった私に優しく響いた。私も天才の仕事は天才に任せて、自分のできる事を見つけて、普通に頑張りたい。
・「お前は俺が嫌いじゃなかったのか?」
「…嫌いですよ。暴力的で独善的で、人をパシリに使い、歌を馬鹿にし…
もしあなたが好きだったら、きっと怖くて切れなかったですよ。
・・・けど、僕は手術の間、ずっとあなたのことを考えてました。
何を欲し、どう生きていく人なのか必死に考え、心臓を切った。
ほんの一時でも、生死の境を分かち合った人を、嫌いでいられるわけがない。
あなたも僕と同じでしょう?だから、あんなにも人を救うことに真摯でいられたんだ。
人を愛したかったんだ。誰よりも、人と繋がることに飢えていたんだ。
やっとわかった。帰りましょう。明真(あそこ)には仲間がいるんだから」
・「やっぱり逃げなきゃな。捕まっちまう前にさ」
・「やっと医者になったな。おめでとう」
・「僕は自分のやりたいことを見つけたから、父さんもやりたいことやればいいんだよ。
本当は医者の世界が好きなんだろ?」
・「カムバックかな」
・「結局、私は”凡人”という名の選ばれた存在になりたかっただけなのです。
自分より優れた人間や劣った人間を押しのけて、利己的にあなたの愛を独り占めしたかったのです。
あなたの理想に票を投じる資格などなかった。
今にして思えば、あなたが守ろうとしたものは”凡人”ではありませんでした。
それは、ひたすら弱い者たちでした。
私はあなたに愛を与えられたと思ったけど、
あなたが与えようとしたものは、もっと広い”仁”という名のものだったのでしょう」
・「全ての人間が成長できるわけではありません。
この部下も、このまま何の成長もせず、これからも周囲に迷惑をかけるだけかもしれません。
・・・だとしても私は、こいつの手を握り締めていこうと思っています。
変わっていける人間は、みんな、こういう男から目を逸らします。
しかし、誰かが足を止めて、手を差し伸べてやらなければいけないのなら、
それは凡庸なる私の仕事でしょう。迷いはありません。
あなたが私にしてくれようとしたことですから」
・「たとえ骨になっても、また泳ぎたい。こいつもそう思ってるに違いないよ」
(この海から始めよう…始めよう)
・Hey you. Say you. 英雄。
堂々簡潔!
なんだかんだで皆がそれぞれの道を見つけて終わる感じがするので読後感が良い作品ですね。
最後の最後に加藤の女性的部分を使ってくるのは良い不意打ちでしたね!
Posted by ブクログ
終わってしまうのがすごく残念ですが、とにかく最後まですごいマンガで、涙、涙でした。ずっと嫌いなままだと思った木原さんとかタラブチさんまで、最後には幸あれと思えてしまう、目をそらしたくなるような弱い面、卑怯でいやらしい面を真正面でとらえて、深いところまでえぐるので、登場人物のだれ一人として、伊集院君のセリフをかりれば「嫌いでいられるわけがない」でした。もう少し朝田と加藤先生の関係の進展をみたかった少女漫画好きの私ですが、加藤先生の「私は一人でやっていこうと思います」というセリフが、何かを得るには何かを失わなくてはならないということを知っている大人の女性の覚悟があらわれていて、一巻で加藤先生が朝田をスカウトしに行ったのがはじまりだったことを思い出し、最後までぶれない強さが、かっこいいヒロインでよかったです。伊集院君は最後まで笑える面を見せてくれて、「ふだんどんな上等の音楽きいてるってんだよ」のくだりは、まったくそのとおりだよねって笑えました。
Posted by ブクログ
鬼頭と朝田のやりとりに残念なのにこんなにも清々しい別れの形があるのかと思った。
そして、ついに始まった教授選本選。
棄権1名の全会一致の結果には驚いた。
霧島の扱いが酷かったが、あれは霧島が教授になれないことを物語っているようでもあった。
明真を去る朝田。
でも、今までとは違う。
一人じゃない。
明真には、”ここ”には本物の仲間がいる。
ずっと、ここにいるから。
加藤のその言葉があったから、朝田は出ていけるんじゃないか。
またね。と言った加藤にきっといつか会いに来るだろうと。
そう思った。
ヘイユー
セイユー
エイユー
素晴らしい作品だった。
Posted by ブクログ
卓越した手術技量という戦術を持って、医局医療を変える戦略を進める心臓血管外科のマンガ。
最終巻まで読みました。十分に面白かった。
医局政治の中で、手術を戦術として、戦況の変化と戦略の転換にからみ合って相互に影響を上手に及ぼしているのが、上手いものだと思った。
そして、その戦術は生命を救う行為なのだよね。それを扱うことが軽いはずもなく、重く太いドラマとして関わる人の成長と共に描かれる。
初めから天才であった朝田にはあまり伸び代はなく、物語推進のための道具となってしまったのは、止む終えないところか。
医局制度はこう書かれるとかなり負の要素の多いものだと思える。現在ではここから制度はかなり変わって、新制度によってうまく回らなくなったこともあり、マスコミは悪い点を主にあげつらうが、こうでなければ変わらなかったことも様々あるのだろう。
個人的にはもっと制度がシンプルになったほうが良いかと思うが、どうか。
Posted by ブクログ
ドラマから入って、原作へ。
漸く完結した本作。落としどころはここしかなかったと思う。登場人物全てが「いいひと」になってしまうのはヒューマンドラマ(長編)のサガかと。それでも非現実ならそれくらいがいい。
みんな前向きなハッピーエンド。
番外編のラストの引きがちょっとどうなの、とは思ったのだが。
Posted by ブクログ
完結です。
コネタがちりばめられた表紙は楽しいのですが、そこに朝田先生がいないのが寂しい。
救急車を追う伊集院君の顔はもう涙でぐちゃぐちゃなんだろうなあと思うと胸キュン☆
個人的にはミキちゃんが朝田先生追いかけなかったのは残念だぜ!!
何はともあれ、ヘイユー!セイユー!英雄!!!