【感想・ネタバレ】竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典のレビュー

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Posted by ブクログ

いつ、だれが書いたのかわからない。
定説によれば、9世紀、平安時代の初期に成立したのではないかといわれている。
そして、竹取物語は日本最古の物語といわれている。

こうした、天女の羽衣伝説は、全国にいくつかあり、風土記にも取り上げられている。

竹取のおきなとのであい
かぐや姫の成長
5人の若者との物語
帝との恋
姫の昇天

おとぎばなしなのか、日常とは隔絶した荒唐無稽な話を聞きながら大宮人たちは、この物語を楽しんだのであろうか。

目次
竹取のじいさんと、なよ竹のかぐや姫
難題の一・仏の御石の鉢―挑戦者・石作の皇子
難題の二・蓬莱の玉の枝―挑戦者・庫持の皇子
難題の三・火鼠の皮衣―挑戦者・右大臣阿部御主人
難題の四・竜の首の珠―挑戦者・大納言大伴御行
難題の五・燕の子安貝―挑戦者・中納言石上麻呂足
かぐや姫の昇天
解説 「竹取物語」―作品紹介
付録 「竹取物語」―探求情報

ISBN:9784043574032
出版社:KADOKAWA
判型:文庫
ページ数:258ページ
定価:680円(本体)
発行年月日:2001年09月
発売日:2001年09月25日
発売日:2003年07月25日

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2023年09月23日

Posted by ブクログ

フォロワーさんの本棚で見掛けた『竹取物語』。
子供の頃に知った"かぐや姫"は美しい部分を拾って繋げただけで、もはや竹取物語ではないかも。
それでも、求婚者に無理難題をふっかけて諦めさせる流れは、大人になってからどこかで聞き齧った。

とは言え、古典は初心者には読みづらい。
そこで角川のビギナーズ・クラシックス!
短いお話なので全編収録されていたのも嬉しい。
助かります~。

早速、読み始める。
すると、めちゃくちゃ面白い!!

「竹取物語」は、作者も正確な成立年度も不明。
それでも、「源氏物語」の中でも登場するので、平安時代には存在していたらしく。
子供の頃はおとぎ話として耳にしたけれど、
かぐや姫に最後まで求婚し続ける5人の貴公子にはモデルとされる実在人物がいた。
何も知らなかったのでビックリ。
彼らは皇族・大臣・大納言・中納言という貴族社会の上層で、彼らは物語の中で、かぐや姫にこてんぱんにやられることとなる。
中でも、石作りの皇子のモデルとされる丹比島(たじひのしま)と、庫持の皇子のモデルとされる藤原不比等は、求婚者達の中でも時間を割いて冷酷な権力主義者である人物像が語られ、「竹取物語」の作者が、藤原政権への批判を込めたのであろうとされる。
確かに、そうかもしれない。
この二人に限らず、貴族社会の最上位の人物達がかぐや姫に振り回され、次々と恥をかかされて退散してゆく様は、
当時「竹取物語」を読んだであろう庶民階級の人々にとって、さぞかし面白く痛快だったに違いない。
実際、現代を生きる私が読んでもとても面白いんだもの。
(中納言の結末はショッキングだけれど。)
この面白さと巧みなストーリー展開があったから、作者不明でありながら現在まで語り継がれてきたのだろうな。

しかもかぐや姫は翁に、「どうして結婚などということをするんですか?」と問い掛ける。
この時代、女性は男性に選ばれる側で、妻となり子孫繁栄に尽くすのが当たり前の男性中心社会。
実際つい最近まで男尊女卑の世が続いていたわけだし、現在も完全なる男女平等とは言えない。
そんな中「竹取物語」の作者は、「月という異界から現れた姫」という立場を上手く使って、「女は結婚するものだと決まっているのか?なぜ結婚しなきゃいけないのか?」と問い掛ける。
なんて新しい!
遥か昔、中古の時代に、その時代の"当たり前"に疑問を投じる方が居たなんて!

面白く読めたのは、元々の「竹取物語」のストーリーが面白かった事に加え、
ビギナーズ・クラシックスが上手く作られていたのもある。
本文を短く区切り、『現代語訳』→『ルビのふられた原文』→『解説や捕捉、参考資料』の順で読み進めてゆくことが出来る。
現代語訳を読んでからの原文であり、しかも短い為、苦にならない。
むしろ原文ならではの柔らかな言葉の響きに趣を感じるし、
途中やり取りされる男達とかぐや姫の和歌も韻を踏んでいて、原文で読めることの喜びさえ感じる。
5人の貴公子たちの話にはそれぞれオチもついていたりして、まるで落語のようだし。

武田友宏さんの解説も興味深い。
竹取りの翁は神事にかかわる仕事をしていただとか、
本文の古語がどのように変化して活用形へと発展したのか、現在使われている言葉の語源は何か、
遭難の描写は遣唐使派遣の記事に基づいている…等々。

そしてなんと言っても、その武田さんの解釈文が辛口で笑える。
辛辣に言い放っている部分も多いので、それが面白味を増してくれるのだ。
「竹取物語」をリアルタイムで読んだであろう庶民の皆さんは、傲慢な権力者を自分達に代わってやり込めてくれるかぐや姫に、清々しい思いさえ抱いたに違いない。
末長く語り継がれるって、やはり大衆の心をどれほど掴むか?ってことなんじゃないかなぁと改めて思う。
政権を繋げていくのは上層部だけれど、習慣や流行りを作り上げるのは、いつの世もきっと大衆だろうから。

さて、物語は帝の登場によりぐっと盛り上りをみせる。
前半の面白おかしい痛快話から一転、人の情を描く美しい話へと自然に展開してゆく。
散々な目に遭わされた5人の貴公子たちも、やはり帝の前座に過ぎないと思えてしまう程。
帝もかぐや姫に夢中になってしまうことは変わりないのだが、さすがに帝となる人の立ち振舞いは節度がある。
というか、前座の5人が節操無さ過ぎで、帝は至極当たり前の行動をとっているだけなのだろうが。
さらに、かぐや姫にも変化が起きていた。
5人の貴公子たちとのやり取り、竹取りの翁と媼との生活、これらの日々は、かぐや姫に"人としての情"をもたらした。
彼女の心が、成長したのだ。

いや、成長というより、「天上人であったはずのかぐや姫が、今や地上の人と同じように、情や愛で心を痛めるほどに変わった」という風にこの物語を見た方が、作者の意図に近付くことが出来るのかな?
物語の終盤でかぐや姫は、月の都の人は美しく年もとらず悩みもないという。
その月の都の姫であるかぐや姫は、地上には老いや病、そして死があること、人の人生の儚さや、この世の無情を心で学んだのだ。
そう思うと、初めはじゃじゃ馬娘だったかぐや姫が地上界で様々な経験を積み、愛や悲しみ、人情、無情を学んだというのに、
最終的には天の羽衣を着た瞬間にそれらの心を忘れて天上界へと昇天してしまうのが腑に落ちない。
ならば何故、人の心を学びにやって来たのだろう。
しかし、そもそも"人の心を学びに…"と思っていること事態が私の傲慢なのか。
だって天からかぐや姫を迎えにきた王は言うではないか、"姫は罪を犯したので、汚れた地上の、こんな身分の低い翁の家に滞在させたのだ"と。
だが、姫が月の都でどのような罪を犯したのかは、最後まで一切語られない。
何をしてしまったんだろう。

更に、天の羽衣を羽織って忘れてしまったかぐや姫はまだいい、富士の山頂で薬や文を燃やすことで踏ん切りをつけるであろう帝もいい、
けれど年老いた翁と媼にはあまりの仕打ちではないか。
慎ましく暮らしてきたであろう二人には、何の罪もないのに。
けれど天上の者からみれば、地上は汚れた場所であり、罪人が罰を受ける場所。
地上の者がどう足掻こうと、天上の者には敵わない。
前半の藤原政権批判も、そこには、庶民がどう足掻こうと敵わない権力者の君臨があったのだろうが、
後半の部分にも、有無をいわさず"汚れ"と扱われてしまう理不尽さや、どうにも抗えない天と地の差が描かれている。

この『竹取物語』、ただの人間模様だけでなく、様々な意味合いを内包した奥深い物語なのだと気付かされる。
他にも、言葉の選び方、伝説の引用、キャラクター選び、オチのつけかた、物語の経過年数や翁の年齢など、作者が実に巧み。
ここまでの物語を描ける作者だもの、他に作品を残していないのだろうか。
実は現在に名を残す、誰かだったりしないのだろうか。
それとも、語り継がれ書き写されしていくうちに、色々な人の技巧が加えられていったのだろうか。
勉強不足で、そこまでは分からないが。

子供の頃に聞かされた"かぐや姫"の記憶が、ただ美しい悲恋物語でおしまいとなっていたのが勿体なかったと思えるほどだ。
改めて読み直す事が出来て本当に良かった。
有意義な時間だった。

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2023年07月29日

購入済み

読みやすい

物語の祖。日本最古の物語である「竹取物語」。日本昔話の「かぐや姫」として、あらすじは誰もが知っていると思う。しかし全文を原文に近い形で読んでみると、全く印象が変わってくる。原文と見比べながら読めるので、訳者の脚色でないのが驚きだ。SF要素があり、しっかりと意思を通すヒロイン、周りのキャラクターたちの行動や思いも現代にも通じる。古くささを感じないのもびっくりである。
コラムも読みやすく楽しめた。

#タメになる #深い

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2023年07月21日

Posted by ブクログ

一度は読んだことのある竹取物語。
別名:かぐや姫。
具体的な解説とわかりやすい現代語訳付きで
今まで気がつかなかった事がたくさんあった!
解説者の言葉選びがなかなか面白い♪

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2023年02月10日

Posted by ブクログ

原文も現代語訳文も解説も図説も載っていてとても丁寧な本だと思った。高校一年生の時に古文の教材として配布されたけど1ページも読まずにしまってあった。そして今年、高2の3学期に「読書を日課にしよう」と思い立ったはいいが本がなくて渋々読み始めた本。
絵本では知ることのできない「かぐや姫」の真髄を知ったような気がする。古文の勉強にはならないが、人生の教養にはなりそう。

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2020年04月07日

Posted by ブクログ

小さい時から知っていたが、これ程の体制批判のユーモア小説であり、SF小説が平安の昔に書かれていたとは驚愕の事実だとあらためて認識しました。そして、それが今日においてもよく知られる物語として残っている要因として納得しました。面白かったです。

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2013年10月27日

Posted by ブクログ

古文でおなじみ竹取物語。角川のこの古典のシリーズは好き。物語の いでき初めの祖と称する紫式部の気持ちがよくわかった。構成が本当にうまくできている。

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2014年03月14日

Posted by ブクログ

ゆえあって、感想を書くために購入しました。
全編通して読むのは初めてですが、意外といろいろな要素が詰まった、なおかつ骨のあるストーリーです。
恋愛、喜劇、風刺、SF、成長物語、それに英雄物語の要素も入っています。
簡潔な言葉と短いストーリーでも、これだけの物語を充分に詰め込むことは可能なんだなと勉強になりました。

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2012年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これはやばい!
かぐや姫ってこんなに面白かったんですね。

ビギナーにもそれがわかる名訳でした。

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2011年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔、竹取の翁というものありけり。
何度読んでも悲しい話。
おじいさんでも悲しいし、
求婚者でも悲しい。

話を、何度読んでも発見がある。

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2011年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

原語、口語訳、当時の文化や背景の説明の書かれた分かりやすい本。小さな頃から馴染んできた竹取物語が、引用のような名言で終わることを知らない人は多いのではないか。またかぐや姫は6人に言い寄られてたこともこの本で始めて知った。古典は読めないと諦めていたが、高校の頃に出会っていれば、もう少し授業が楽しくなったかもしれない。しばらく古典ブームが続きそうだ。

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2011年03月19日

Posted by ブクログ

日本最古の古典文学である竹取物語の現代語訳。
現代語→原文→作者の感想という構成で書かれており大変読みやすく思いました。ただ、、また一つの話を細々と区切っているため、一つの難題ごとに複数の作者の感想が載せられているのは流石に冗長だと思います。
しかし、おそらく現代出版されている竹取物語の本の中で最も手軽に手に取りやすく、また読みやすい本であると言えます。

【こんな人におすすめ】
手軽に竹取物語を読みたい人

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2023年11月29日

Posted by ブクログ

まず単純に面白い。
現存する日本最古の作り物語らしいが、それがこのクオリティなのはすごいし、このシリーズは解説もちゃんとついていて、しかもそれが興味深くて面白い。
他のも読む。

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2022年08月03日

Posted by ブクログ

楽しくも深い視点の解説のおかげで、今さらながらちゃんと竹取物語を知ることができた。かぐや姫に対するイメージが一新。日本に残る最古の物語がこのお話なんて!日本の先人はすごいな。

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2018年10月27日

Posted by ブクログ

「竹取物語」が平安時代に書かれた物語で
当時の体制をかなり痛烈に風刺したものであるということは
この本にくわしく解説されている
しかし、というか、だからこそというか
その中心人物であるかぐや姫の残していった不死薬は
みかどの意思によって焼かれてしまうのだった
これをどう捉えるかが、個人的な解釈の分かれ目になるだろう

地下茎から一直線に月まで延びてゆくかぐや姫の生
それは、他者にはとりつくしまもない
自己完結した、一種の中空的存在なのである
ある意味、生きながら死んでいるとも呼べるだろうそれによって
もたらされた永遠の命を
みかどがけして受け入れようとしない、というのは
つまり、さんざん公家や武士をコケにしてきたこの作者が
最後の最後で、その悪や愚かさを含めての
人間肯定に転じたということだ
それを愛と取るか、嫌味と取るかは人それぞれじゃないかしら

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2015年10月30日

Posted by ブクログ

教科書で読んであとは日本昔話で流れを知っていただけでここまでしっかりと読んだのは初めてでした。改めて最後まで読んでみると意外な部分がちょこちょこあって面白く読めました。おじいさん意外に興奮すると暴言吐いたり、かぐや姫は最後帝に気持ちが揺らいでたり、罪で下界に降りていたなどなど。昔の話なのに芯がしっかりしていました。さすが昔から愛されている読み物です。

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2015年05月30日

Posted by ブクログ

いまはむかし、竹取の翁といふものありけり――竹取のおじいさんが竹の中で見つけた小さな女の子、なよ竹のかぐや姫。大勢の貴族に求められた彼女は五つの難題で求婚者をはねのけ、帝の寵愛さえも拒む。しかしその中で、彼女は人間らしい愛を学んでいく。けれどももう、時は、いいえ、月は満ちた――還る時が、やってくる。日本最古の“物語”として名高い「竹取物語」の全文を収録し、平易な訳と解説、豊富なコラムで「竹取物語」の世界に誘うぴったりのビギナーズ書。古典が苦手な人でも楽しめること、まちがいなし!

これもまたなが~いこと積読してたものなのですが(ビギナーズクラシックスは、大抵買って満足して沢山積んじゃってます)現在公開中の「かぐや姫の物語」がどうやら原典を予習しておくといいらしく、ならビギクラで読もうかな、と。意外だったのが原文はもっと長いと思ってて、他のビギクラと同じでどっかはしょってるのかなと思ったら全文収録していたこと。というか、収録できるくらい短かったのかっていうことですね。方丈記も短いって言うしなあ。
そんなことを書いた所為で、竹取物語は中学と高校の頃に授業でやった&問題集でやった程度で実はちゃんとよく知らないと言うへっぽこ国文クラスタの実態が明らかになってしまってるわけですが、五人の求婚者の話も、最初の石作りの皇子の話こんなアッサリなんだなーとか、蓬莱の玉の枝の話は一番長いんだなーとか、落語みたいなしょーもないオチついてんだなーwと、いろいろ新しい発見がありました。コラムも面白かったですし、解説も良かった。
私は自分でかぐや姫ものを書いたりもしたので惹かれてるわりにはちゃんと読んでなかった…のですが、何に惹かれたかっていうと姫が月に帰る時に全部忘れてしまうってところにとにかく惹かれたんだろうなあ。あと何の罪を負ってここに来たのかってのも。罪人にしては扱いが丁寧だから、もとは高貴な身分なんだろうか。そんでかぐや姫は何を学んだことで罪を償ったことになったのか……やっぱ人間の愛? 愛すること? 結婚することはどういこととか? でもかぐやは月の世界の人だし、全部忘れたら意味ないか…? とかいろいろ考えます。出来ればまたかぐや姫ものを書きたいなあとも思ってたので、これ読んでいろいろ想像を掻き立てられましたね。「かぐや姫の物語」の方はどんな感じになってるのかなー

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2013年11月30日

Posted by ブクログ

物語の生みの親、そんなコメントを紫式部は竹取物語に寄せています。
竹取物語は「物語」なので、人の心をわくわくさせるものなのです。
そう考えるとこの物語は、かぐや姫の成長物語であり、その過程での笑い(5人の貴公子たちの失態)や、帝との恋は、読者を惹きつける要素なのではないでしょうか。

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2012年04月05日

Posted by ブクログ

解説がなかなか面白く、「古典に触れて欲しい!」という訳者の心の声が聞こえてきそう。
特に5人の求婚者が現れたところの解説は吹いたw

竹取物語って実は部分しか知らない人が多いみたいで、皆さんも子供の頃を思い出すのにちょっと読んでみてはどうですか?
新しいかぐや姫の世界がひらけるかも。

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2011年11月21日

Posted by ブクログ

ビギナー向けということで現代語訳と作品解説付きで、読みやすいです。諸説興味深く、古語だけでも難しくないので、おすすめ古典です。

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2010年08月18日

Posted by ブクログ

オフ会の予習のために買ったのですが、読んでたらフツーに面白い!
どんどん読んじゃった。

「物語のいできはじめのおや」の紫式部が評した物語。
物語の面白さというのを、本当に実感しました。
すごいなぁ。こんな面白いお話を書きたいなぁ。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

現代語訳

原文

筆者のコメント

という構成になっていて読みやすいです。
筆者のコメントはあくまで筆者の意見であって真実ではないとうことを気をつけていないとちょっと危険かもしれません。
そういう読み方もあるな、と思うに留めておくだけにした方が無難です。

原文の言葉の意味などの説明はほとんどありません。
そこがビギナーズ用なのでしょう。
原文もそれなりに読みやすいです。
中学の教科書に出るくらいなのですから、読みやすいのでしょう。
中学のとき、この冒頭を暗記させられたのですが、それが今も覚えていることに自分で自分を驚愕しました。
この本を取るまで二十年、すっかり忘れていたはずなのに、すらすら出てきてしまいました。
記憶は引き出しにしまい込まれているという説を信じたくなりましたよ。

かぐや姫は月の住人で罪を犯しあの贖いの為に人間界に降臨したのだそうですよ。
月の住人と言うのは良く知られていますが、罪人とは知りませんでした。
どんな罪を犯したのかまでは書かれていませんでしたが、想像してみると楽しいですよね。でも、天女の羽衣を着けると人間界の記憶は一切消えてしまうんだそうですよ? だったらなぜ人間界で償わせていたんだろう? ってトコロです。

ある本を読んで、古典って案外知らないな。と実感させられたのです。
で、手始めに『竹取物語』を読んでみました。新しい発見があり面白かったです。子供の時分じゃ感じられなかったこともたくさんあって興味深かったです。

『伊勢物語』 『更級日記』 『土佐日記』 『平家物語』 とか読んでいきたいです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

もともと古典文学がだいすきなので、楽しく読めました。
読みやすすぎるってくらい、読みやすい!
よくあるお話と違って、かぐや姫が結局誰も、帝でさえも拒絶し通すところが面白い。
最後には心は通ったみたいですが。こういう形もありだなぁー。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

古典ですが読みやすいです。
自分としてはちょっとくだけ過ぎてた気もしますが本を読みなれない方が古典に触れるには手頃かなと。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

角川のビギナーズ・クラシックで初めて古典を読んだ。切りのいい所で話が分けられていて、現代語訳で内容を理解した後、原文を読み、解説者による解説が入るという構成。古文を読めない人でも、古文の雰囲気を楽しみつつ、全文が読めて楽しかった。

解説者は、平安初期当時の藤原体制批判として読む読み方や、異星人襲来のファンタジーとして読む読み方を認めつつ、自身は、一貫して地上界に来た「かぐや姫」の成長譚として読解していく。地上界における男女関係や結婚を理解しない「かぐや姫」が、五人の求婚者に難題を与え、帝に見初められる過程の中で、人間の情を理解していく物語として、かぐや姫の言動を解釈する。説明が一環していて分かりやすかった。

また、古代の信仰や当時の常識といった知識を得ることで解釈が面白くなることを体感できたのもよかった。
例えば、「竹取」という仕事は、農耕社会の日本においては、身分の低い職業とされる。しかし、古代においては、竹を神聖なものとする信仰が各地にあり、ある意味「竹取の翁」は神事に支えていたとも解釈することができるという。このような解釈、のちの翁の出世の伏線になっているといった解釈は、真偽はともかく、知識を得ることで、当時の感覚になれば、それぞれの出来事の意味が変わるという意味で面白かった。
昔も今も変わらない人間の性がある、といった話はしばしば聞くが、解説を読めば読むほど、古典における世界観を、現代人の感覚で読むことの危うさが分かってくる。
古文は苦手だけど、古典の世界観に触れてみたい人には、とてもいい入門のシリーズだと思う。

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2023年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ



じいさんの手で育てあげたのに、どうして思いのままにならないのか。


古代貴族の男女関係では、「見る」ことは特別な意味を持っていた。女性にとって、男性に姿を見られることは自分の魂を所有されることに等しかった。


いつ、だれが書いたのか、わからない

作中より


竹取物語、竹取の翁の物語、かぐや姫の物語、名称は数多く、様々なパターン、バージョンがあると言われている竹取物語の編集本。
訳文、本文、解説とチャプターごとに進行していくのでわかりやすかったです。時代によって、主人公の立て方、書き手によって、いかようにも姿が変わる古典。
それでも十分に当時の男女関係の不自由さ、反体制的なラインが読み取れます。最初は作者は女性か、それに近い性別の人間が書いたのかな、と思っていましたが、有力候補は中級貴族の男性知識人とのこと。


高貴の姫君は人ではないのね
かぐや姫の物語より


高畑勲監督の『かぐや姫の物語』でもこれを題材にされていました。女性の生きづらさ、普通に求婚を断ることの難しさがよく描かれていました。なので、姫のことを意地悪、冷酷、強か、と捉えることはどうしても思えませんでした。時代が時代で、男性の自尊心は今では想像できないほど肥大していたことでしょう。ですが、それは相手も同じです。相手も同じように自尊心を持つ人間なのだということも作品に込められたメッセージなのかな、と思いました。

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2021年08月15日

Posted by ブクログ

古典とは思えないガッチリしたSF。
大昔によくこんなぶっ飛んだ設定を思いついたもんです。

途中、おばあさんが一切登場しなくなったので、死んだの…!と思いましたが、元気そうで良かったです。
まあ、昔の既婚女性はそうそう出しゃばらないものですよね。

13.02.01

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2013年02月14日

Posted by ブクログ

あ~らら、不思議!
古典がすらすら理解できる本(笑)
学生時代には、辞書片手に解読していたのに~

笑える解釈も面白かった。
かぐや姫は、天上で罪を冒して
地上におくられる、とか。
おじいさんの慌てぶりとか。

みぃちゃんの本棚で見つけて読んでみてよかったよ。
まさどんも、結構早いスピードで読んでいたみたい。

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2012年02月25日

Posted by ブクログ

学校では習わない竹取物語の内容がわかります
授業では勉強の為に読むものだが個人で読むといいものですね
わかりやすく現代訳になっていますので
気軽に読めます

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2012年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解説者の解説に毒があって面白かったwww 

...竹取の翁の邸がどんな豪邸か知らんけど、木造家屋の屋根に武装した成人男子が1000人乗ったら重みで潰れると思うんだけどなぁ...
鉄筋コンクリやったんかいな?(笑) 

個人的には作者は結婚なんか死んでもしたくないインテリ女性か、意に染まぬ結婚をさせられて恋仲を引き裂かれたオトメンだと思うwww

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2011年11月13日

Posted by ブクログ

全文読むとまた一味違った印象を受けるこの本。求婚者たちの扱いが貴族への皮肉だったり、翁が一番人間くさかったり、かぐや姫の発言の中に女性の本音が隠れていたり。子ども向けや授業の一部しか知らない人は、ぜひ全文読むべきだと思う。

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2010年07月30日

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