開高健のレビュー一覧

  • キス・キス
    面白かったー。最初の数ページで読者を世界に引き込み、中だるみさせずにいったいどう転ぶのかドキドキさせ、最後の1ページで一気に落とす。これぞショートショートなスタンダードの作りだけど、その全部がとにかく上手い…。執拗な愛着だと語る阿刀田氏がそう評したのも頷ける完成度の高さだった。感じたことは大体解説に...続きを読む
  • 【電子特別版】オーパ!
    ブラジルの首都がブラジリア?
    リオデジャネイロじゃないのかよ〜
    二メートルのミミズの話しより驚いた。
  • 私の釣魚大全
    釣りエサのミミズのくだりとか、読んでいるうちに思い出しました。
    そういえば、読んだことがあるな、と。
    いつ読んでたのか忘れちゃったけど。
  • キス・キス
    ロアルド・ダールは、19年前の1990年11月23日に74歳で亡くなったイギリスの小説家・脚本家ですが、そもそも彼と最初に接触したのが、筒井康隆を通してのブラックユーモア経由だったのか、『チキ・チキ・バン・バン』や『007は二度死ぬ』などの映画の原作や映画化された『チャーリーとチョコレート工場』(原...続きを読む
  • 【電子特別版】オーパ!
    開高 健 という小説家は、俺にとって特別だ。

    子供の頃、釣りが大好きだった俺。
    父さんの本棚にあった「オーパ!」をよく眺めていたっけ。
    そのころは文章は読まず、写真を眺めていた。

    その後、大学生になった時に本屋でこの「オーパ!」を見つけて
    懐かしくって思わず手に取った。
    そして、初めてその文章も...続きを読む
  • キス・キス
    予期せぬ出来事が日常の扉を開き、あなたをさりげなく訪れる…。全篇に漂う黒いユーモア、微妙な残酷さ、構成の巧みさ、豊かな文章力を特徴とするダールの短篇集。「天国への登り道」ほか全11編を収録。
  • パニック・裸の王様
    こういう文章を書いてみたいと思わせるような文学性の高さは見せつつも、決して読みにくいということはなく終始読者フレンドリーで面白かった。

    『パニック』は、著者が筆に託して描きたかったものは果たしてなんだったのかが、読み終わってからようやくわかる筋立ての作品だった。そのためか、組織内政治の描写をそんな...続きを読む
  • パニック・裸の王様
    過去にも読みましたが、実に20-30年ぶりくらいの再読。

    いやあ、なかなかしびれました。

    本作、4編の短編から構成された作品群ですが、強烈に感じたのが、通底するシニシズムでありました。お金、権力、偽善への痛烈な批判のようなものを感じました。

    ・・・
    「パニック」では、若手公務員の視点で描かれま...続きを読む
  • 作家と酒
    小説家や詩人や漫画家たちによる、お酒にまつわる44編。
    大酒呑みの話が読みたいと思って手に取った。きっと何名かはそういう作家がいるに違いないと。
    結果的に想像以上の面白い話が読めて満足した。お酒での失敗談も、お酒にまつわる思い出も、作家の表現力で楽しく読めた。時代の空気まで伝わってくる。
    困るのは、...続きを読む
  • パニック・裸の王様
    難しい!近代作家の文体には暗澹としていて無彩色なイメージを感じるけど同様の印象を受けた。読み進めるのには体力が要るけど面白い。表題作の『パニック』『裸の王様』、他収録の『巨人と玩具』は、社会や組織の中で蠢く男たちの権力に対するへつらいや愚かさが寓話のようなシニカルな明快さで描かれていた。最後の『流亡...続きを読む
  • パニック・裸の王様
    開高健の初期(なのかな?)短篇が集まった本。
    個人的には長篇よりも読みやすくて、ギュッと開高健の魅力を堪能できた気がする。
    きっとこの時代の「今」を彼なりに切り取ってそこに視点を見つけて描いていたんだろうな。でも何年も経っている今でも、その視点は生きているし、それだけまだダメな社会ってことなのか、開...続きを読む
  • 作家と酒
    酒という媒介によって、執筆者に対する誼の深さを問わず、ある種の古き良き時代を醸し出す文化の中で各人が実態的に肉付けされていく行程は、人類史を通じて連れ添ってきた存在の重みを改めて見せつけるものとなっている。
  • 珠玉
    人生の鮮やかな記憶を宝石に擬えた3篇からなる、開高氏の遺作。
    本当に日本語が巧く重い。性(色)・食・美への気迫ある表現に息を呑む。
    大き目の活字と200p弱というボリュームに反し、内容は濃厚。作家が、こういった作品でキャリアの最後を締めれるのは幸せな事なのではと余計な事を考えた。
  • パニック・裸の王様
    初めて読んだ開高健。
    純文学作家のイメージが強かったので、内面と個人がテーマの作家なのだとばかり思い込んでいた。
    実際に読んだ印象としては、「社会と個人」「組織と個人」「システムと個人」がテーマの作家である。内へ内へと向かう純文学作家は多いが、世の中を俯瞰するような視点で外へ外へと向かう作家は珍しい...続きを読む
  • パニック・裸の王様
    『パニック』
    一つの自然災害が火種となって、政治家の汚職や若者のデモに飛び火していく展開は、コロナ禍の今と重なるものがあるなと思った。

    人間の文明や知略、そして生命までもを食い殺した鼠の群が、そんな事は全く無関係に湖に一直線に飛び込んで死んでいく光景がとても鮮烈。生命の不条理を感じた。

    パニック...続きを読む
  • パニック・裸の王様
    「開高健」の短篇作品集『パニック・裸の王様』を読みました。

    『ベトナム戦記』に続き「開高健」作品です。

    -----story-------------
    【開高健 生誕80年】
    甦れ、反抗期。
    偽善と虚無に満ちた社会を哄笑する、凄まじいパワーに溢れた名作4篇。

    とつじょ大繁殖して野に街にあふれで...続きを読む
  • パニック・裸の王様
    表題にもなっている「パニック」と「裸の王様」がおもしろい。「パニック」は県庁が舞台で、鼠大量発生に困る話と分かった時からぐっと入りこんだ。社会派の話は普段はあまり読まないのだけれど、これはいい。鼠が集団でただまっすぐ走りつづけるという習性にとても象徴的なものを感じた。
    「裸の王様」はそれまで権力のき...続きを読む
  • キス・キス
    11篇の「奇妙な味」の作品集。

    『あなたに似た人』と比べると意外と粗が目立つ作品集かも。

    個人的お気に入り
    「ウィリアムとメアリイ」
    夫が科学の勝利を得た代償に立場が逆転する夫婦。

    「天国への登り道」
    ささいな(でも精神的負担は甚大な)嫌がらせを続けたため夫婦関係にひびが入る、どころか…。

    ...続きを読む
  • ベトナム戦記 新装版
    開高健(1930~89年)氏は、大阪市生まれ、大阪市立大卒の小説家、ノンフィクション作家。『裸の王様』で芥川賞、『玉、砕ける』で川端康成賞、一連のルポルタージュ文学により菊池寛賞を受賞。
    本書は、ベトナム戦争初期の1964年末~65年初に100日間、臨時特派員としてサイゴン(現ホーチミン)に赴いた開...続きを読む
  • ベトナム戦記 新装版
    真実の在処を-仮に真実があるのならば-探して
    何が起こっているのか、起こっていることの本質は何なのか
    見えない何かを描写しようと開高健はもがく
    そのもがきが滲み出る本著はわかりやすいルポタージュの類では全くない
    かといって、難解さのために難解さを重ねたような本でもない
    この難解さこそが真実なのである...続きを読む