殊能将之のレビュー一覧

  • 黒い仏
    本作は、以前誰かが使っていた「ミステリパロディ小説」という言葉がぴったりの小説だと思う。SFであり、アンチミステリものである。もし本当はこうだったら、という考え方が面白い。
    前作は真っ当な推理小説という感じだったが、本作はかなり挑発的な内容なので知らずに読んだら驚くかもしれない。私は、石動シリーズの...続きを読む
  • 殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow
    全編に溢れるポール・アルテ愛と「ケルベロス第五の首」へのリスペクト。かなり古い作品の原書が多いので、自分が読む本の候補にはならないのだが、セレクションの特異性、まとめの文章力とユーモアはやはりただならぬセンス。つくづく早逝が惜しい作家だ。
  • 黒い仏
    正統派ミステリーかと思いきや、本一冊が壮大なギャグだった。種明かしの殺人の描写で大笑いした。思い出したのが筒井康隆の「ヤマザキ」。山崎の戦いにおける豊臣秀吉の中国大返しで、諸大名との連絡に何の説明もなく電話を使い、普通に新幹線に乗る。あれに似ている。
  • キマイラの新しい城
    石動戯作の密室講義やドタバタ推理、社長に取り憑いた古代人の霊が現代社会を見た時の反応など楽しめましたが、肝心の殺人事件に関する記述が少なく冗長に感じました。
    二つの密室殺人事件はどちらも人を喰ったような真相で脱力気味。途中披露されたトリックは某作家の作品に酷似していた為、驚きはありませんでした。
  • 鏡の中は日曜日
    普通に読んだら、まあ叙述トリックもの?なのかな...うっかり騙されました。
    しかし若干消化不良です。
    イマイチ物足りない感。引用が多くてちゃんと読むと混乱するし、水城が解決した事件のトリックもまあそんなもんか、という感じで素通りしていってしまった。
    面白く読めて騙されたけど、すっきりとはしないそんな...続きを読む
  • キマイラの新しい城
    殊能先生が亡くなられて、もう1年が経つのですね…。ご逝去の報に接した当時、ハサミ男を是非読もう、と思いながらも時間ばかりが経ってしまった(汗)。そして、何故かハサミ男ではなく、絶筆の作品となってしまった今作から入るという邪道っぷり…←
    だって、お城の平面図に…滾ってしまったんだもの…←←

    ※以下、...続きを読む
  • 美濃牛
    タイトルと表紙から想像していたのはオカルト要素。
    実際は王道の本格ミステリ。

    ミノタウロスを題材に使っているのだから、
    もっと禍々しさを出した作風にした方が魅力が出たのかも。

    最初の殺人がインパクトがあっただけに、その後の殺人は失速してしまった気がする。

    それと窓音の得体の知れなさをもっと強調...続きを読む
  • 美濃牛
    言葉遊びに見立て殺人、田舎の屋敷にとミステリ要素盛りまくりの上に、オカルトやら音楽ネタ、果てには俳句まで乗っけてしまう盛りだくさんぶり。それは800ページ弱にもなる。確かに盛りすぎ感もあるが、それでも徹頭徹尾本格ミステリだから殊能さんは信じられるな。面白かった。
  • 黒い仏
    批判も賞賛もそりゃ受けるだろう。奇を衒うというよりも、暗黙の了解を飛び越えた作品の方が正しい都思われる。こういった作品は多いのでありといえばありでないかしら。
    さんてんの視点から進んで行く作品ではあるけれど、全く別の作品のようで、別の一点で一本の作品にしているよう。ミステリーだと思わずに、物語と思え...続きを読む
  • 美濃牛
    長いけれどひきこまれる様に読んだ。ハサミ男とこれは人物に関する描写が読みやすいのが魅力だと思う。また事件に絡む人物たちの狂気が伝わってきてゾッとさせられた。
    解説で食事の描写について触れられていたが、石動達の逗留していたおうちのご飯は本当に美味しそうだった。家庭的な料理なのに工夫が細かい。
  • 黒い仏
    証拠に関する面白いミステリとの噂を聞いて読んだ。
    探偵役の依頼調査と、それと同時に影で進むもう一つの物語が重なった時に起こった他のミステリで見たことがなかったとんでもない仕掛け。
    これに関して賛否が別れるのは分かる。自分は面白く感じた。
  • ハサミ男
    ★★★☆☆
    叙述トリックにやられました。
    【内容】
    「ハサミ男」と呼ばれる殺人犯により、女子高生2人が同様の手口で殺害された。
    そして、ハサミ男は3人目の犠牲者を選び出し、入念な調査を行っていた。しかしその最中に、3人目が殺されてしまう。犠牲者を発見したのは、ハサミ男本人であった。

    【感想】
    くっ...続きを読む
  • 黒い仏
    至る所で批判されたり、賞賛されたりしている黒い仏。
    読みました。

    批判されるのも、賞賛されるのも
    たしかに
    といった感じ。

    個人的には壁本(壁になげつける本)にはならなかったです。
    面白い・・・と言えば、面白いといえなくもない。
    でも怒りたい気持ちもわかる・・・。
    もやもやします...続きを読む
  • 黒い仏
    東京のあるベンチャー企業の社長から、福岡県阿久浜の安蘭寺に隠されていると云われる円載の秘宝を探すように依頼された探偵・石動戯作とその助手のアントニオは、たまたま用事で東京に来ていた安蘭寺の住職・星慧と共に安蘭寺へ向かい手がかりを探しに古文書を読み漁る。
    同じ頃、同じ福岡県は那の川のアパートの一室で身...続きを読む
  • キマイラの新しい城
    世界史かダメなので、若干の拒否反応がありつつも読み切りました。

    ストーリーはおもしろい。他のシリーズも読みたい。
  • 美濃牛
    ミノタウルス。。。ダジャレ?
    トリックも伏線も、もりだくさん。
    まあまあ、の面白さ。
    ブランド牛のステーキが食べたくなるかも。
  • キマイラの新しい城
    石動探偵のシリーズは、いつもコメディータッチ。
    アントニオ、またしても活躍。
    まあ、面白い。読んでもいいと思う。
  • キマイラの新しい城
    ミステリ長編。たぶんミステリ。ミステリに分類していいんですよねこれ( 
    シリーズものだけど単独でも読めます。と言うかシリーズものと知らずに単独で読みました(← 

    現代日本に現れた750年前の騎士の亡霊の「自分の死の謎を解き明かしてくれ」って依頼から始まる物語。
    探偵役は探偵と思えないダメっぷりだし...続きを読む
  • キマイラの新しい城
    「わが死の謎を解ける魔術師を呼べ」
    フランスの古城を移築後、中世の騎士として振る舞い始めた江里。
    750年前の死の真相を探れ、という彼の奇想天外な依頼で古城を訪れた石動戯作は殺人事件に遭遇する。
    嫌疑をかけられた江里が向かった先は・・・。
    (巻末あらすじより)

    ようやく文庫になりました~!今現在の...続きを読む
  • キマイラの新しい城
    2007/8/11ジュンク堂住吉シーア店にて購入。
    2012/6/29~7/3

    名探偵石動戯作シリーズ。フランスの古城を移築したレジャーランド会社社長の江里は,かつて古城で不可思議な死を遂げた騎士の亡霊にとりつかれる。その謎を解くために名探偵イスルギーとして乗り込んだ石動であったが....
    前作か...続きを読む