感想
・最初の話題で感じたのは、やはりビッグデータから平均解を出して提案するので、個性がなくなる世界みたいなことになりかねないと思った。
5話目は日本での話だが、アイドル、ラーメン、探偵って安直で笑えた。
最終話はユートピアのようでもあり、ディストピアのようでもある。いつの時代も自分は何をしたい
...続きを読むのかを持ち続けることが大事だと感じた。
あらすじ
AI技術者である筆者と技術者からSF小説家に転身した陳氏がSF小説仕立てで、20年後の未来を語る。
・最初はAI動的保険とその弊害
リスクを避けて保険料を安くするために個人がAIに従うように誘導する。
・深層学習に必要なのは、大量のデータ、単一の領域、明確な目的関数
・2話目はナイジェリアで民族紛争のために職を求める若者がフェイク動画を作る話。GANなどが使われる
・3話目は孤児院で子供に学習をさせるAI友達。自然言語処理NLPを使用。
・4話目はコロナが定期的に流行る世の中で、感染を恐れて3年間も家から出ていない女性の恋物語。AIを用いた診断、創薬など医療がテーマ。ロボット手術も発達するとある。
・5話目は、アイドルである博嗣が死んだ原因をファンである愛子が追う話。VR、AR、MRなどの技術が出てくる
・6話目はスリランカの子供がVRレースで働く話。VRゴーグルに加えて、体感スーツを着用して現実さながらのレースを体験する。ゲームだと思っていたものは実は現実だった。災害やテロなど突発的な事態に自動運転が対象できない際のゴーストドライバーだった。
・自動運転技術は、タクシーフィーの削減や自由時間の増加、無駄なCO2排出削減、事故低減などのメリットがあるが、一方で、事故時の責任所在問題やドライバーの雇用問題がデメリットとして挙げられる。
・7話目は自律兵器で人類が存亡の危機に立つ話。量子コンピュータによって計算能力が飛躍的に向上する
・8話目はAIにあらゆる仕事がとって変わられる話。人はベーシックインカムを保証されるが、やることがなく、治安が悪化する。建設労働者もAIにとって変わられ、転職を斡旋していた業者さえもがAIに変わる。仕事はAIが評価するゲームのようになっていた。
・9話目は富も名声も全てを手に入れ、燃え尽きた男がAIで幸福を最大化する島に招待されるが、本当の幸福を手に入れることは難しいという話。2041年時点では幸福の定義も曖昧なため最大化することは難しいとされている。
・10話目にはAIが全てを最適化することによって、エネルギーコストが0近くに下がり、衣食住にかかるあらゆるコストも下がる。貨幣はもはや価値をなさなくなり、人は承認要求のために仕事をする。市場は崩壊する。