出久根達郎のレビュー一覧
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中身は題の通り。なんとなく温かい気持ちになるような、しんみりするような、出久根さんお得意の人情話が幾つか収録されています。
しかしそれだけでは飽き足らず、この小説は後書きまでがきっちり楽しめるようになっています。
どんでん返しにどんでん返し。
そのどんでん返しを起こさずにはいられなかった経緯も、面白...続きを読む -
ふと今月の新刊の棚を見る。
なんだかそそる書名である。
江戸もの、そして奇書・珍書、稀覯本なんかが載っているのかとつい購入。
読んだらそれはそれは面白い。
これはシリーズ3巻目なので、早速前巻を探し回るハメに。
江戸好き、書物好きなら必見。Posted by ブクログ -
古書店に出入りする人びとは、それぞれの人生の片鱗や新たな発見を店内に佇む書籍に求める。そこに悲喜交交な場面に遭遇する古書店主である筆者の視線と言葉が積み重なっていく。どこに私たちの居場所があるのか、それは人に決められるポジションではなく、自身の心の流動なのだ。ふらついていい、その心情の移ろいこそ素晴...続きを読むPosted by ブクログ
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古本と古本屋がテーマの短篇小説集。1990年代までに書かれたもののアンソロジー。エッセイに近いものからいかにも小説というものまで。いずれにせよ著者の古本屋としての経験が元になっていると考えられる。Posted by ブクログ
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先ず驚いた事が江戸時代の江戸城内でこういう仕事に先祖代々就いていた方々がおられた事。
将軍家の蔵書をただひたすらに管理・補修する毎日はどういった気持ちなのか、実際に生のお声を聞いてみたいと思った。
物語としては淡々としており大きな事件はおきない
。連作短編でよくある物語を通して一つの大きな...続きを読む -
小説とは架空の物語である。にもかかわらず出久根さんの小説はまるで本当にあった事のように感じられる。同じ印象を司馬遼太郎さんの文章にも感じた事があります。それほど出久根さんの小説はどれも面白いです。
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古本屋となって32年。中学を卒えて上京し、店員から自分の店を開きこの道一筋で集めた古書をめぐる珍談奇談の数々を、奇妙な客との交流で知った人生のほろ苦い味で仕上げてみました。貴書発掘のドラマから万引、美少女、臨終の書……読書好きに必ず喜んでもらえる講談社エッセイ賞受賞の名文随筆集。(表紙裏)
本及び...続きを読むPosted by ブクログ