出久根達郎のレビュー一覧
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出久根氏の人柄も作品も、本を読むのも好き。
ただ、所謂古書の世界には、怖くて飛び込めない。経済的理由も大きいが、底なし沼のように抜け出せない気がする。当分は、文庫で満足します。
この作品集も、渋いお話がいっぱいで、中々いい。読書の方法(姿勢)が似ているのが、嬉しい。Posted by ブクログ -
ときは江戸時代、上様のご書物を預かる御書物方の同心を主人公とした、ちょっとした事件を扱う物語。主人公は本好きで、まさに仕事が性に合っているようである。それでも江戸時代の日々変わらぬ繰り返しの作業は退屈なよう。破損した本を修理して、時期ごとに虫干しして、そして寝ずの番(夜勤)。同僚とのくすりとするやり...続きを読むPosted by ブクログ
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この著者の書物エッセイは楽しんで読んで来たが、本書は少々散漫になっているか。東日本大震災で注目された日本人の美風だけど、それにこだわらない方がよかったかも。歌と像しか知らなかった二宮金次郎の話は興味深かった。Posted by ブクログ
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続、からしか見つからなかったけれど、別に困らない。将軍家の司書を勤めた同心たちの話である。そんな役職があるとは知らなかった。ついでに古本屋の手伝いをしているのが面白い。Posted by ブクログ
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第108回直木賞。
佃島にある古書店・ふたり書房が舞台。女主人・千加子亡き後、店を運営するのは娘・澄子だが、物語の中心は老いた従業員・郡司。
彼の本屋人生の始まりからふたり書房で働くようになった経緯、明治時代の「大逆事件」と、大正時代の大震災などを背景とした本屋家業の苦労話など。Posted by ブクログ -
シリーズ第3弾!
本職が古本屋の作家が、古本のネタで小説を
書くってのも・・・
面白いからいいのですが、作品のエピソード
の元ネタなんてあるのでしょうか
小さな日常の小さな事件で、まったりと江戸
時代の人間が描かれていますPosted by ブクログ -
将軍様の本を守る同心たち
徳川家康は無類の愛書家で、集めた
珍本希本を大事に納めた
・・・紅葉山文庫の始まりであり
150年間連綿と本の修復・整理
そして虫干しが繰り返され、記録が
残っている
作者は古本屋のご主人のようですが
なかなか読ませる一冊ですPosted by ブクログ -
江戸時代の本の虫たちの、日常の中の些細な出来事を集めた連作集。
殺人事件を解決していくような話を求めている方にはお薦めしませんが、読みやすく、面白い話です。Posted by ブクログ -
前半の御台場普請の井戸掘りのシーンがとてもつよく印象に残っただけに、後半のなぞとき部分(?)がなかなかすとんと腑に落ちてくれなかったのが、残念。単に私の理解力が及ばなかったのだろうけど、最後の最後でテンポがくずれてアンバランスな印象だった。う〜んPosted by ブクログ