父院のもとで静養中の東宮のもとに忍んできた睡蓮が見つかり、大事に。危機を打開するために、沙羅と睡蓮は、帝に説明するために参内する。
雪の中を行く牛車や雪化粧の庭園に臨む簀子縁に座る姉弟の後姿がとても美しく描かれていて素敵です。
この場面はとても好き。雪の日の寒さと帝に呼ばれて入った室内の炉の暖かさが
...続きを読む視覚的に感じられ、また曇天の薄暗さと灯りの明るさの対比など、とても丁寧に表現されているから。
続く沙羅の懺悔シーンは、仕事の出来るイケメン上司が、女性部下の仕事のミスを叱責しつつも、「キツイこと言ってごめん」と抱きしめるような展開となり…。ま、いーよいーよ、この人何をしても許される身分だし。
左大臣家を守るため、帝の指示で、睡蓮は官位を返上し、都を落ちる。(光源氏も取った策ですな)
見送る左大臣家の人々。東の方だけでなく、沙羅の母の西の方までいる。ほんとチーム左大臣家だわ。(睡蓮の乗る馬も頭下げててかわいい)
前巻で沙羅に拒絶された帝は、前巻ほどあからさまに行動するのではなく、この巻では秘めた恋心を静かに、でも強く燃やしていて株が上がる。沙羅の言った「入内できない嘘の理由」を信じていて、「愛すればこそ妃にしない」というスタンスに痺れます。
この巻では、石蕗と右大臣家の四の姫のエピソードもあって、石蕗の長いプレゼンが流れ的にもたつくので、星四つです。