安部龍太郎のレビュー一覧

  • 生きて候 上
    正信次男坊のお話。予想以上に面白くて半日で読んでしまった。

    物語らしい脚色もありながら、目を背けたくなるような現実も突きつけてくる。本当に朝鮮の役はむごい。どうしてこんな事をしたんだろうと思うが、理由なんかいらない。こんな事してはいけないのだ。強くてカッコいい主人公だが、結局は無力で見過ごしている...続きを読む
  • 関ヶ原連判状 上巻
    細川幽斎(藤孝)が主役の、関ヶ原の戦い(田辺城の戦い)作品。本能寺の変から続く謀略を朝廷の古今伝授とも絡めて描かれて、非常に面白く興味深いものです。田辺城の戦いにスポットを置いた作品はあまり見かけないので、貴重な作品だと思っております。
  • 蒼き信長(上)
    信長の少年時代から桶狭間までを描く物語。
    信長はある一時までは真面目で誰よりも父を尊敬する少年として描かれている。このような少年・信長の表現の仕方は非常に画期的。
    熱田・津島の賑わいや、近隣諸国と外交戦もまるで目の前で繰り広げられているような臨場感。
    非常に読み応えのある作品です。
  • 天下布武 上 夢どの与一郎
    2009/12/26 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
    2022/10/20〜10/25

    後に細川忠興となる長岡与一郎が主人公。信長の養女であり明智光秀の娘、玉(後のガラシャ)を娶る。本願寺攻めの最中、荒木村重が謀叛を起こす。村重や毛利の後ろで糸を引く用捨一揆とは何者か?
    これまで読んできた戦国もの...続きを読む
  • 天下布武 下 夢どの与一郎
    2009/12/26 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
    2022/10/26〜10/30

    下巻は丹後に入った与一郎の活躍を描いているが、中心は本能寺の変の後ろで誰が糸を引いていたか。これまでも安部氏は本能寺の変を扱っているが、今回の説は非常に説得力があるように思える。真相は闇の中ではあるが、大変興味...続きを読む
  • 生きて候 上
    秀家が良い具合に目立ってると聞いて(政重さんごめん)
    頭も良くて爽やか王子…天は二物を与えた。
    けども流罪は免れない。
  • 恋七夜
    2009/10/22 奈良市新大宮駅前 啓林堂書店にて購入。
    2021/1/28〜2/5

    昨年末に読んだ安部氏の「信長はなぜ葬られたのか」に記載があった、秀吉の「北野大茶会」がたった二日で中止になった裏側を描いた作品。上七軒の北野太夫を主人公に据えた設定が秀逸。やはり伝奇的な作品を書かせると上手い...続きを読む
  • 信長燃ゆ(下)
    武田勝頼と愛犬や夫人エピソードが泣けました。信長が前久を追いつめ、そして前久が光秀を追いつめ策略にはめていく過程がじりじりキマス。個人的に晴子にはあまり興味が持てなかったのでこの話にロマンス的要素はいらないかなーと思いました。信長×前久な緊張感がイイ。
  • 信長燃ゆ(上)
    安部先生の書く登場人物はどうしてこう、みんな男前でかっこいいのか。信長に対する近衛前久との関係がすごく面白い。朝廷を守る為の孤独な戦いをする前久、神になろうとする信長。どちらも『誰にも理解されなくて上等!』な孤高の生き様がひりひりします。
  • 信長燃ゆ(下)
    信長と朝廷との間が険しくなる中、互いに惹かれ合う信長と晴子。信長との関係は、足の引っ張り合いばかりの後宮で格好の餌食となるであることを承知で、晴子は信長へ身を任せ、次第に後宮での立場を失ってゆく。晴子を信長に奪われたことを察した誠仁親王は、近衛前久による信長暗殺計画を承諾し、明智光秀実行によるその計...続きを読む
  • 信長燃ゆ(上)
    ふとした興味本位のいたずらで出会ってしまった織田信長と東宮夫人・晴子。信長は晴子に母性を求め、晴子は信長に公家にはない人間性を求め、互いに惹かれあってゆく――・・・。
    織田信長に小姓として仕えた「たわけの清麿」が、さるやんごとなきお方からの依頼によって本能寺の変について書き記すという切り口。
  • 信長燃ゆ(下)
    2007/3/4購入。買い逃していた
    2010/2/14~2/16

    この信長燃ゆは、安部氏の三部作「関ヶ原連判状」、「神々に告ぐ」の最終作。信長という希代の傑物を相手に守旧派である近衛前久がどのように皇室や既得権益を守ったか、が描かれる。
     何故、信長の野望は本能寺で光秀の謀反によりついえたのか?...続きを読む
  • 血の日本史
    隆慶一郎氏が認めた伝奇歴史小説の気鋭のデビュー作。短編集ではあるが、斬新な切り口で噂にたがわぬ才能であると思った。その後、安部氏の著作を集めるきっかけになった本。
  • 生きて候 下
    新規購入ではなく、積読状態のもの。
    2010/7/26~7/29

    宇喜多秀家の新参衆として関ヶ原の戦いに挑む政重。戦の後は、秀家の助命、豊臣家の再興を願って、己を捨てて奔走する。義に生きる男の生き様は素晴らしい。タイトルは父・正信の書き付けの裏表紙にある「花ありて熱き時代は過ぎにけり ただゆくりな...続きを読む
  • 信長燃ゆ(上)
    天下統一を目指し、自らが神になろうとする信長に対し、朝廷の臣として対等に渡り合う関白・近衛前久がかっこよすぎ。
  • 薩摩燃ゆ
    先月終わりに鹿児島に行く予定があったので、直前でこの文庫を買い持参しましたが、少々時間がかかってしまい、結局昨日読み終えました(笑)。

    薩摩藩の繁栄には、調所広郷という1人の家老がいたんですね。あまりの真っ直ぐさ、執念、信念、バイタリティに、言葉を失うぐらい圧倒させられました。そして先月訪れた仙巌...続きを読む
  • 対決! 日本史 戦国から鎖国篇
    〈戦国時代の日本は世界の大航海時代の中でとらえなければ理解することができない〉
    目的を持たずに海を渡らない。鉄砲伝来も。日本だけでは火薬は作れないから外国との貿易重要。貿易が盛んになると日本国内の経済構造が変化する。
    「日本がこれからどういう国になるべきなのか」という重大な路線選択が関ヶ原の戦い。
  • ふりさけ見れば 下
    阿倍仲麻呂がこんなにも玄宗皇帝の下で重要な位置にあったとは知らなかったので、勉強になるとともに、帰るに帰れなかった事情を思うと同情する。だが日本人で科挙に受かって出世していくその才能と運は凄い!
    この小説はその上仲麻呂スパイ説を取っていて、日本の記載されている歴史書を探すというミッションとその内容も...続きを読む
  • 関ケ原連判状 下巻
    2024.01.29
    昼休みに読み継いでようやく完結。この本そのものより、これを読んでいた時に自分が置かれていた状況にこそ特筆すべきものがある。
  • ふりさけ見れば 上
    玄宗皇帝の時代、楊貴妃や安禄山を中心に据えた物語は多いが、遣唐使阿倍仲麻呂や吉備真備の視点で書かれる事で激動の唐の時代を少し斜めから眺めたような冷静な語り口になっている。そして妻や子への強い感情が迸る場面は、大衆小説の感がある。
    また日本国の成り立ちに関する情報を得るという使命のため日本に帰れず苦悩...続きを読む