あるお嬢様学校の文学サロン、その部長であるいつみが転落死をしてしまった。
文学サロンでは恒例行事として、闇鍋会というものを行なっている。
今回、文学サロンのメンバーは、それぞれ いつみの死を題材とした自作小説を持ち寄り、闇鍋会で朗読することとなる。
それぞれの小説の中で、それぞれの人間関係が徐々に
...続きを読む明らかになるが、どの人物も犯人として名指しするのは別の人間。
一体、誰が真実を語っているのか…
最後に、いつみの告白文にて全てが明らかになる。
いつみは、自身が主人公となるために脇役を求めていた。
彼女が文学サロンに引き抜いた者たちは皆それぞれ秘密をいつみに握られていた。
そして、いつみは自身への復讐をそれぞれの脇役たちが企んでいることを知り、それを逆手に取ろうとする。
しかし、ここで副部長の小百合がついにいつみに牙を剥く。
小百合は、教師である北条との安定した暮らしにすっかり魅力を無くしてしまったいつみを憂い、自ら主役の座を奪うことを決意する。
そして、闇鍋の中身には文字通り ビーナスの体を分けたものが…
彼女は、脇役たちの秘密を握りしものとして新たな主役となることを選んだ。
それぞれの視点での物語は、微妙にそれぞれ言い分が異なっており、しかしその中に紛れている真実と、嘘が最後に明らかになっていくのが面白かった。
いつみの告白文にて真実が明らかになり、そこからさらに小百合の裏切りによって物語が完成した。