日下三蔵のレビュー一覧

  • 江戸川乱歩全短篇(3)――怪奇幻想
    これは、くる。ほんと冗談抜きでお勧めします。乱歩読んでみたいけどどこから手をつけて良いか分からない!って方にもお勧めしたい。短編だから時間も取らないですし。「赤い部屋」「人間椅子」「芋虫」「押絵と旅する男」なんて私の大好きな作品ばっかり。人間椅子なんか初めて読み終わった時は鳥肌たちました。エンターテ...続きを読む
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)
    大正から昭和にかけて発表された短篇集を集めた一冊。暗号解読がキーとなる「二銭銅貨」「黒手組」等が入っている。明智氏や小林少年がでてくるとやっぱり面白い。犯人の心の機微(動揺)がこまやかに描かれていてついつい続けて読んでしまう。第二巻も読みたくなる。
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)
    江戸川乱歩の短編で本格推理物を集めた本。
    江戸川乱歩はグロくて暗くてエロいんだけど、美しくて儚くて切ないから素敵だ。
    もう短編だけにどれも外せないぐらいおもしろい。。。オススメは、、、全部!
  • 江戸川乱歩全短篇(3)――怪奇幻想
    なんていうか、真髄ですな。怪奇幻想。
    「赤い部屋」「人間椅子」「芋虫」「白昼夢」「空気男」「押絵と旅する男」「双生児」「人でなしの恋」「鏡地獄」なんて名作ばっかり。
    ウットリですよ。
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)
    久方ぶりの読書は、推理小説の巨匠「江戸川乱歩」に足を踏み入れてみる。したらばバッサリやられた。
    読む者を己の作り出した世界に引きずり込むかのような面白さ!今までは推理小説というと、ややこしくて、人が沢山登場して、人間関係と、凶器と、アリバイと…って、読みながら認識しなければいけないものが...続きを読む
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3
    読み方がわかりにくいですが、「ひさおじゅうらん」と読むのが一般的らしい。
    同郷で先輩で、一等好きな作家。
  • マインド・イーター[完全版]
    水見稜。1980年代のみに活躍し、作品数も10作に満たない作家でありながら、今でも名前を見ることがある。
    特にこのマインドイーターは良いニュアンスで名前が出されているのを目にし、一度読んでみたいと思っていた。

    読んでみた感想は「これが30年以上前の作品なのか」というもの。
    MEとの壮絶な戦いを期待...続きを読む
  • 見習い天使 完全版
    佐野洋さん凄いなあ。良く考えられていて面白い。
    良くこんなに面白い色んなはなしが思い付くなあ。
    なお、天使は狂言回し。話の最初と最後に出てきてお話には直接出てこない。でも、いないとさびしいと思う。そんな感じ。ミステリショートストーリー。
    個人的に表紙イラストは解説読み終わったあとだと宮永さんが良かっ...続きを読む
  • 江戸川乱歩全短篇(2)――本格推理(2)
    本編には長めの短編推理ものが収められており、各話とも表の推理、どんでん返し、裏の推理という展開が無理なく織り込まれているため読んでいて面白い。第一部の短編推理ものより断然良い。

    長編の推理ものはないのだろうか。
  • 見習い天使 完全版
    見習い天使というタイトルに惹かれて購入。
    ほんわかした優しい物語とおもいきや、男性にウケそうなショートミステリーでした。
    1話毎にオチがあり、クスッと笑いながら読みました。
    次第に作者の考えていることがわかり、オチが想像できましたが、それも楽しみの一つになっていました。
  • 獏鸚
    横溝正史を読み、繋がりのある海野十三へ。名前は有名ですが読むのは初めて。

    横溝正史と海野十三について。
    当時雑誌「新青年」の編集者だった横溝正史が、海野十三の原稿を他の人に「校正しておいて」と渡したらその人は原稿をまるっきり書き直してしまったらしい。そのため海野十三っぽさはまるで無くなってしまった...続きを読む
  • くらげ色の蜜月
    第8回江戸川乱歩賞を受賞した戸川昌子が68年から70年にかけて発表した短編14本を日下三蔵編集によりまとめた短編集です。ミステリーというジャンルに収まりきらない、エロやグロをふんだんに盛り込んだ作品ばかりが収録されています。読んでいても行き先が分からず濃霧の中をさまよっている感覚になります。どの作品...続きを読む
  • 怪奇小説集 蜘蛛
    今の時代にそのままかぶせたら怪奇というには物足りなさを感じてしまうかもしれません。
    でも私は好きです。心臓を直撃するような恐怖より背中にじりじり感じるこの雰囲気。いい意味で嘘も誤魔化しも通用した時代なのかもしれないですね。そういえば幼い頃テレビでよく幽霊特集みたいなのがあってわくわくして見ていたなぁ
  • 怪奇小説集 蜘蛛
    注! 一部ネタバレ



    ★4つは相当おまけ(^^ゞ
    今の基準に照らすならば、3つくらいが適当だろうw

    にも関わらず4つにしたのは、この時点ですでに現在の「実話怪談」と呼ばれるものの原型のほとんどが出来上がっているように感じたから。
    もちろん、某出版社から出ている「実話怪談」のように、実話怪談好き...続きを読む
  • 仕事ください
    作品集「奇妙な妻」をベースに単行本未収録作品三篇を含む四編を加えた作品集。

    奇妙な妻
    ピーや
    人類が大変
    さむい

    セールスマン
    サルがいる
    できすぎた子
    むかで
    酔えば戦場
    風が吹きます
    交代の季節
    仕事ください
    信じていたい

    隣の子
    世界は生きているの?
    機械
    くり返し
    ふくれてくる
    ...続きを読む
  • 合作探偵小説コレクション1五階の窓/江川蘭子
    江戸川乱歩や横溝正史など著名なメンバーがリレー式で書き継いだ合作探偵小説「五階の窓」、「江川蘭子」、「殺人迷路」、「黒い虹」の4編収録。
    前に江戸川乱歩の本で「江川蘭子」の乱歩担当回だけ読んだことがあって続きが気になっていたのだが、今回まとめて読めたのは大変嬉しい。
    「五階の窓」は最後に執筆陣の所感...続きを読む
  • 火葬国風景
    どこか怪しく変態的で幻想的な魅力に満ちた作品集。
    表題作の「火葬国風景」は幻想SFかと思いきやの種明かしにやられる。「十八時の音楽浴」はオチにやられるディストピアもの。「三人の双生児」はこれまた怪しく変態的な不思議なミステリーで予想外の展開にやられる。三人ってそういうことかい。「電気風呂の怪死事件」...続きを読む
  • アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選
    時効を扱った「15年は長すぎる」
    誰からも憎まれようのない平凡な男が殺された謎「第三の被害者」
    途中まで話の方向が見えなかった「お嫁にゆけない」「不安な証言」

    どれも一捻りあり話の展開の違いに飽きず、読むほど先読みしづらくなり、それがまた良い。

    中でも「殺してやりたい」が良い。
    もう少し詳しく書...続きを読む
  • キスギショウジ氏の生活と意見
    うわあぁ、草上仁を、何十年ぶりかに読んだ!
    うんうん、コレコレ!

    「国境の南」「飛び入りの思い出」「アイウエオ」がベストスリー。

    逆に、読みはじめの数行でネタバレしたのもあり、ありゃりゃ。


    巻末に作品リストが載っているのがありがたい。初期の短編集はたぶん全部読んでるハズ…
    その頃の作品から透...続きを読む
  • ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選
    曽野綾子の思想的原点はどこにあるのだろう
    いくつかの初期作品に触れた感触だけで想像するに
    太宰治の影響が強いのではないか
    勝手にそう思っている

    「ビショップ氏殺人事件」
    昭和30年代のはじめだから、朝鮮戦争の少しあと
    優しいアメリカ人の見せる父性に対して
    若き日本人の抱える甘えと屈託が
    殺人事件を...続きを読む