日下三蔵のレビュー一覧
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一つ一つ短い話だが、内容は重たく濃厚な余韻を残す。
まさにこれが皆川博子の世界観。
生々しくも残酷で、それでいて美しい旋律のよう。人によっては後味の悪さを感じるかもしれないが、これが人生というのも一つの真理なのかもしれない。Posted by ブクログ -
幻想短編小説集。うっとり浸りました。
皆川博子さん短編の方が難しい、って仰ってるけど短編も素敵です。ふと隣りにある闇にじわじわと、ある時はストンと引きずり込まれていきます。美しい闇。
人と人が交わる時、愛憎は避けて通れないのかも。自分の闇を、見詰め過ぎて囚われないように。。Posted by ブクログ -
表題作「夜のリフレーン」が短いながらも、印象的。皆川博子の世界観の原液って感じ。
どの短編も日常から幻想への境界が曖昧になるのが自然過ぎて幻想とは思えず、読後はより不思議な気持ちになる。Posted by ブクログ -
表題作の「フェイス・ゼロ」がすごく面白かった。
本当に何の感情もない無表情って言われてみれば確かにない。
そのほかの短編も面白かった、多ジャンルなお話を書くひとだなと思った。
表紙がかっこよくて買ってみて良かった。Posted by ブクログ -
収録作品数が多くバラエティにとんでいるのでお得感はあるが、落ち着かない読後感。
その中で、表題作が素晴らしく光っている。次に収録されている「錆びた温室」とセットで読んで欲しい。Posted by ブクログ -
読み終わってから表紙を眺めるとジワジワ面白い。SF作家とひねくれた読者(SF読みにとってひねくれているという言葉は賛辞だと思います)との掛け合いめいた後書きが好きです。Posted by ブクログ
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2014年から2017年くらいにかけて行われた筒井康隆が自作について語るトークショーや対談集をまとめた一冊。筒井康隆の素晴らしい記憶力と、インタビュアーである編集者の博覧強記ぶりによって、どのように名作の数々が生まれたのかを知ることができるし、当然その誕生の背景も様々な面白おかしいエピソードに彩られ...続きを読むPosted by ブクログ
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書かれたのが、六十年代という半世紀前の作品群とは。現代にも通じるテーマ。政治と宗教の関係からVR,国営放送等、最近も社会を騒がせたモノが多く、いかに筒井康隆が社会を鋭く見ていたか分かる。Posted by ブクログ
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おもしろかった。
AIという言葉こそ使われないものの、発達しきった人工知能が人間の欺瞞をあばく話がいくつかあって(いじめないで、やぶれかぶれのオロ氏など)すなおに笑える。「時越半四郎」は、AIではないけど、やはり日本人の不可解な思考回路を笑いとばす話で最後にちょっとしんみり。しかし、これ、1966年...続きを読むPosted by ブクログ